社会人になったばかりのころ 蕎麦とうどんの合い盛りを知った店。
さらに けんちん汁をつけると最高の組み合わせ。
20年以上ぶりの訪問です。
志な乃
以前は西新橋2丁目。昼間はサラリーマンがあふれ 列が出来ていた人気店。
10年前に移転したそうで 今は さほど人通りが多くない赤羽橋の路地奥。
店の外見は 街中にぽつんとある流行ってない蕎麦店という趣き。
入口先には自転車も置かれていて 客はいるのでしょうか？
扉を開くと あふれかえるサラリーマンの姿が目に入る。
うなぎの寝床のように細長い造りの店内。横に並んだ合計18席のテーブル席は満杯。
さすがです。場所が変わっても 流行ってました。
すぐに空いた席に案内され迷うことなく注文。
合い盛り けんちん（1500円） 値段の高さも変わらず。
注文 お運びを行う奥さんの顔。厨房から時々顔を出すご主人の顔。
あぁ 覚えてる。記憶が蘇ってくる。互いに年取ってしまいましたけど。
待ち時間は そこそこで ひさしぶりの合い盛りが運ばれてくる。
薬味皿には 蕎麦用のわさび うどん用の生姜が同居。つけ汁椀もひとつ。変わりません。
きれいに盛られた蕎麦とうどん。最初はつけ汁でいただく。
あれっ 以前は腰の強さに驚いた 蕎麦とうどん。そこまでではありませんね。
けんちん汁に浸してちょうどいい按配になる感じだったのに。普通に つけ汁でいただける。
あっ もちろん うまいです。
奥さんが 謝りながら 少し遅れて出てきた けんちん汁。
蕎麦と うどんを交互に浸し いただく。
ごぼう にんじん 里芋 火傷しそうなくらい熱々の大根。
太打ちの田舎蕎麦の香りと 微妙な苦味が味噌味を引き立てる。
うどんは程よい固さにこなれ 根菜類と一体化。 抜群にうまい出汁が後を引く。
底のほうにたまる ぐずぐずになった 里芋をすくいとる。
そうそう この味。100回以上食べてきた 合い盛りけんちんの味です。
最後はとろとろの蕎麦湯でつけ汁を伸ばし 飲み干す。ふぅ 満足 満足。
そうだ。とろとろ蕎麦湯も この店で初めて知ったんだ。
帰りがけに奥さんと話す。へんぴな場所に移ったけど これからもよろしくとのこと。
はい なかなか来れないかもしれないけど 時々はね。
そして 20年ぶりに来ても変わらない真理。
「合い盛りに けんちんは良く似合う」