本1冊 | となりのふくちゃん

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よみました↓



川添愛『ヒトの言葉 機械の言葉』角川新書
あたかも人間が書いているかのような記事を作成したことで
話題になったChat GPT-3。
いよいよAIが人間に近づいてきた今だからこそ知りたい、ヒトと機械の言葉の違い。
「AIは人間と同じように言葉の意味を理解しているの?」
そんな素朴な疑問を深く掘り下げながら、
言葉と機械の本質を探る一冊!
・・・・・・って感じかなぁ。面白かった!
川添愛の本は何冊か読んでいて、計算機科学を題材にした物語『白と黒のとびら』
や『自動人形の城』や、
『言語学バーリトゥード』などのウィットに富んだ面白い本を書いているので、
こちらも読んでみることに。
もっとも、この本は新書ということで上記の本よりかはお堅め文体になってますね。
「AIは人間と同じように言葉の意味を理解しているの?」
という疑問は誰しもが持ち始める時代になってきたが、
実はこの一文にはひとつひとつの単語に難しい問題が隠されていて、
それらを紐解いていく感じですな。
前半で、機械にとっての「言葉」は徹底して「数学」であること、
中盤で、ヒトが「言葉」や「意味」を理解する背景では、
意識している以上に難しいことをしているということ、
そして後半では、機械が「意味」を理解していると判断する基準を決めることすら、
実は様々な困難が立ちはだかっているということが書かれていますね。
豊富な具体例と平易な記述で、読みやすい一冊となっています。
まぁ、個人的には、森博嗣か誰かがどこかの作品で書いていたことと同様だが、
人間と見分けることができないようなAIであるなら、見分ける必要はない。
という考え方が好きですね。
「人間と同じように理解してるか」とか「意識があるのか」「感情があるのか」
などは、コミュニケーションに不要な問である。
そもそも、人間相手でも、相手が自分と同じ意味での「感情」や「意識」を持っている
ことを証明することはできない。
必要なのは全て「自分の予測と相手の振る舞いが一致するか」である。
そゆこと(°_° )
書かれた時点ではChat GPT-3はまだ一般に広まってない段階でしたが、
この本ではGPT-2などに触れられていて、やはり注目してる人は注目してたんだな、と。
ちなみに、人間が先天的に言語を獲得できる能力を持っているかという問題に関しては、
『チョムスキーと言語脳科学』を読んでみると良いと思いますよ!
まぁ、全体的に、この手の本を何冊か読んでる人にとっては、
どこかで聞いたことある話とは思いますが、
この著者の本が好きな人は読んでみると良いと思いますよ!
気になる人は、ぜひぜひですね!