本1冊 | となりのふくちゃん

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よみました↓



小山信也『素数って偏ってるの?』技術評論社
定義は簡単、しかし、そこには奥深い謎と魅力が隠されている、素数。
今回は素数のランダム性を切り口として、
ABC予想、コラッツ予想、深リーマン予想の3つの予想を考察!
一般化と精密化、AIの創造と人間の創造などを通して、
「数学をする」という活動の真意も併せて解説した一冊!
・・・・・・って感じかなぁ。面白かった!
まぁ、全体的に、特に序盤は説教臭さも漂って、
ちょっと辟易してしまった感じもあるが、中盤以降数学に入った辺りから、
だいぶ持ち直してきたと思う。
数学がここまで発展しても、やはり「素数」ってのは謎多き存在、
というか、ここまで素朴な問題が未解決になっている辺り、神秘性を感じますな。
人間にとって極めて自然な演算である足し算と掛け算の関係性が、
ここまで未知なものになりうるとは、不自然さすら感じるよね。
まぁ、それはそうとして、中身の方も、なかなかおもしろかったですね。
コラッツ予想に対する確率的手法(測度論)を用いたタオのアプローチや、
深リーマン予想からチェビシェフの偏りの定式化が導かれる流れは、
エレガントな議論という感じで、良いですな。
これだけ素人にもわかりやすく書かれていながら、
結果自体は一般向けの本(本書の前作)をきっかけに着想を得た
最近の結果ということで、へぇ、と。
ユークリッドの定理の証明の一般化辺りはやや明快でない印象を受けるけど、
そこを乗り切れば、なかなか面白く興味深い一冊になっていると思います!
ってことで、気になる人は、ぜひぜひですな!