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食空間のコーディネーター@いとうむつみです。
両親の結婚記念40周年(ルビー婚)のお祝いに、一緒にオーストラリアに行きました。
ツアーが始まって、まだ間もない頃のことです。
ツアーのメンバーの顔も名前も、覚えていない頃のことでした。
その日の夕食は、大広間での洋食で、丸テーブルに10人くらいずつ着席をしました。
目の前には、ディナー皿、その上には真っ白なナプキン、その両脇にはダブルカトラリーが並び、ワイングラス、ゴブレットとテーブルの上はいっぱいでした。
私の正面の男性が、料理が運ばれる前に言いました。
「俺のパン皿はこれだからな」と。
その男性は、自分の右側のパン皿を使うから、他の人も自分の右側のパン皿を使うようにと促したのです。
これを聞いて、私は大変だ、と思いました。
なぜなら、パン皿は自分の左側を使うからなのです。
テーブルコーディネートの授業で、洋食器のセッティングを習いました。
ディナー皿は、これから肉を切る「まな板」の役目をするので、自分のおへそのまん前にきます。
その両側に、右側にナイフ、左側にフォークをセットします。
ナイフの上のところに、右手でさっと取れる位置に、ワイングラス、ゴブレットを置きます。
西洋のセッティングは、神の前では皆平等という考え方から左右対称です。
ワイングラス、ゴブレットを右に置くと、右に傾いた感じになります。
そこで、左側にパン皿を置くのです。
さらに、隣の人との間に空間がある時は、ナプキンはパン皿の下あたりに置くのです。
テーブルにゆとりがない時は「しょうがないからナプキンをディナー皿の上」に置くのです。
これから食事をするので、ナプキンは決してグラスの中にはセットはしません。これをしていいのは、ディスプレイだけです。実に理にかなっています。
先生の講義をきいて、「なるほど」と納得をしていましたが、一緒に食卓を囲む人が、皆わかっているとは限りません。
食事が始まって、その男性が自分のパン皿を使ったら、他の人も右側のパン皿を使うしかありません。
これは、ワイングラスよりも奥で、大変使いにくいものです。
私は、やんわりとテーブルコーディネートの先生から習ったことで、左側のパン皿が自分の分ですと、同じ食卓の人に話しました。
その男性も納得してくれて、無事に食事を済ますことができました。
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