「大人の食育講座」最終回第10回のテーマは「寒い冬に血流改善!ゴースト血管予防」のお話です。
地球温暖化、暖冬と言われますが、毎日寒いですよね。そんな時にピッタリな、血流改善のお話です。
人間の体は隅々まで毛細血管が張りめぐらされており(人間の血管のうち95%〜99%が毛細血管とも言われています)、新鮮な血液を身体中に送り届ける働きをしています。しかし何らかの要因で慢性的に血流が悪くなると、血管構造が破壊され末端まで血液が届かなくなってしまいます。この状態を「ゴースト血管」と呼びます。「ゴースト血管」が増えてくると、以下のような症状が現れます。手・足先の冷え(末端冷え性)、耳鳴り・めまい、慢性頭痛・腰痛・肩こり、胃の不調・便秘、肌の乾燥、顔のくすみなどです。いずれも酸素と栄養をたっぷり含んだ新鮮な血液が体の隅々まで行き渡らないために起こる症状です。さらにこれらの症状を放っておくと恐ろしい病気を引き起こす要因にもなります。骨粗しょう症、脳梗塞・脳卒中・認知症、腸の慢性的吸収障害などは、骨、脳、腸の周りの毛細血管が「ゴースト血管」になることで発症する確率が大幅に上がるといわれています。
血流が悪くなる要因は様々あります。そもそも水分が不足すると血液がドロドロになります。また、体を動かす機会が少ないと筋肉が落ち、血液を流す力が下がります。ストレッチや柔軟運動をせずに体が硬くなるのも血流を悪くする要因です。睡眠不足やストレスは自律神経の働きを狂わせ、血管が収縮して血流を悪くしてしまいます。そして、食生活の乱れ(特に糖質・脂質・塩分の摂り過ぎ)は、動脈硬化や血栓を引き起こす要因となります。ただでさえ寒い季節は体が縮こまり、血流が悪くなりがちです。でもご安心ください。ちょっとした食生活の見直しで血流を改善し、「ゴースト血管」を予防できるのです。
① 血流・血管に良い食材を食べて「血流改善」
糖質・脂質・塩分の摂り過ぎは動脈硬化や血栓を引き起こす要因となるので普段から注意をすることが必要ですが、むしろこれからは血管・血流に良い食材を積極的に摂るように心がけてください。血管を守る力のあるDHA・EPAを多く含むアジ・サバ・イワシなどの青魚、動脈硬化予防に効果的なトマト・ニンジン・カボチャ・ブロッコリーなどの緑黄色野菜、血栓を溶かす働きのある納豆、血液をサラサラにするタマネギ、コレステロール排出効果のあるワカメ・ヒジキなどの海藻、これらの素材を意識的にとり入れていくことが大切です。また栄養を逃さないために、茹でるよりレンジ加熱にしてみたり、これらの素材をそのまま味噌汁の具材にして飲んだりすると簡単においしく「血流改善」をすることができます。
② 暖かい食べ物飲み物で身体の中から「血流改善」
「血流改善」には身体を冷やさない事も大切です。もちろん服装や暖房器具で外から温める事もできますが、温かいものを食べたり飲んだりすれば水分をとりながら体の中から全身を温めることができ、「血流改善」につながります。寒い日の朝ごはんには栄養たっぷり熱々の「具沢山味噌汁」がおすすめです。またショウガ・ネギ・ゴボウ・レンコン・唐辛子など身体を温める食材を使った「汁物」「鍋」「煮物」もおすすめです。冬場が旬の食材の多くは、身体を冷やさない、または温めてくれるものも多いため、迷ったら旬の食材を取り入れることも「血流改善」に効果的です。
いかがでしたでしょうか?読者の皆様も、「ゴースト血管」の予防が期待できる食材をたくさん食べて、体をしっかり温め、寒い冬を乗り切ってください。もちろん十分な睡眠、ストレス解消、体の柔軟性・運動機能を高めることも血流改善には大切ですので、お忘れなく。50代からの「大人の食育講座」いかがでしたでしょうか?
度々「和食」のお話が出てきましたので2月からは、自書「子どもたちに伝えたい「和食」素晴らしい日本の食文化と調味料の科学」のご紹介をさせていただきます。
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