皆様は定期検診を受けていますか?その際BMI値や、血糖値、コレステロール値で「生活習慣病」の疑いあり!と指摘される場合があります。一年に一回の検査結果で一喜一憂するのではなく、普段から、自分の生活習慣をコントロールできればどれだけ楽なことか。ということでこれからしばらく「生活習慣病とはなにか?」そしてそれを「改善する、予防するにはどうしたらよいのか?」といったテーマについてお話させていただければと思っています。題して「生活習慣病よさようなら」まず第一回は「生活習慣病とは」です。
戦後。高度経済成長の中、脳血管疾患、心疾患、そしてその危険因子となる、動脈硬化(症)、糖尿病、高血圧(症)、脂質異常症などは、まとめて「成人病」と呼ばれていました。しかし、「これらの疾患は生活習慣を改善することで、予防できるのではないか?」との思いで、減塩・禁煙、住環境改善等に取り組んだところ一定の成果を得ることができました。そこで、1996年厚生省(現厚生労働省)は「成人病が生活習慣の改善によって予防が可能であること、成人でなくても発症の可能性があること」から「成人病」を「生活習慣病」と改称しました。そして生活習慣病を治すという観点よりは、生活習慣病を予防する(とりわけ、食生活・睡眠・運動・ストレス・衛生状態等をどう維持・コントロールし、発症させないようにするか、改善するか)が主の目的となりました。
ということでここからは、すでに生活習慣病と診断され、治療されている方というよりは、生活習慣病予備軍と診断されたり、生活習慣病になりたくない!!と思っている方々のためにお話させていただけたらと思っています。
というのも、実は生活習慣病は症状が出てからでは、遅いのです。(なってしまった方申し訳ございません。治療は医師にお任せいたします。)症状が出る前に気づき予防することが重要なのです。そのための第一歩として、まずは今の皆様の体の状態が、どの程度の健康レベルなのかそれを知るところから始めることにしましょう。
現在35歳以上の方は年一回「生活習慣病予防検診」の一般検診が受検できます。さらに40歳以上の方は特にメタボリックシンドロームに着目した「特定健康診査」の受診が可能です。すでに読者の方は毎年検診を受けて、その数値に一喜一憂しているのではないでしょうか?数値を見るポイントは2つです。
①「絶対値」
同年代の成人の平均値から「正常範囲」を割り出し、その「正常範囲に入っているか外れているかを見ることです。ここで極端に基準値より離れていた場合は、医療機関を受診し、再検査(精密検査)⇒治療する必要があります。ちょっと外れている場合、あるいは範囲内で多い、少ない場合は、慌てずに、生活改善に取り組みましょう。
②毎年の数値の変化。
数値の傾向は個人の個性・体質によっても異なります。毎年、同じ診療機関で受検し、毎年の数値の変化に着目してください。大きく変化した場合、どんどん悪くなっている場合など、自分の生活習慣の変化と照らし合わせて判断してみてください。特に転職した、異動になって仕事の内容が変わった、結婚した、子供ができた、子供が受検、コロナで在宅勤務が増えた等々生活の大きな変化と数値の変化を照らし合わせてみるとよいと思います。
検査は年に1回ですが、日々体重の変化を見ているだけでも、数値の変化が予想できます。一般的には毎日同じ時刻、同じ状況(お風呂に入るとき、食後等)に計っていると変化がわかりやすくなります。身長はほとんど変化しませんから(年とともに若干縮みますが)、体重が増えればBMIも増えます。体重は食べる量(カロリー)―運動量(代謝)で変化が生じますので、体重が増えるということは食べる量が代謝量よりも多いということです。ということで、生活習慣病予防の第一歩は毎日体重を計ることから始めます。では、次回からさらに詳しく見ていきましょう。