
経済ってそういうことだったのか会議 (日経ビジネス人文庫)/佐藤 雅彦

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ぼくの評価





(経済の基本をやさしく学べます。不況だからこそ基本に戻ろうということで買ってみました)
本書は竹中平蔵さんと元電通マン、佐藤雅彦さんがあることをきっかけに始まった対談を本にしたものです。
我々の生活に多大な影響を与える経済とはそもそもどのような仕組みで、どのような作用がはたらいているのか。
そもそもお金はなんのためにあるのか?
ということから始まり、
株
税金
アメリカ経済
円・ドル・ユーロ
アジア経済
消費と投資
起業とビジネス
労働と失業
が大きなテーマとなっています。
ぼくがその中でも特に印象に残っているのは、
円・ドル・ユーロ
消費と投資
です。
今まで考えたことがなかったのですが、
そもそもなぜ国によって通貨が違うのでしょう。
いっそのことひとつに統一してしまえばそんな面倒なこともないのでは?
確かに・・・。
その疑問にはちょっと納得してしまいました

しかし、どうやらそれではいけない理由があるために国ごとに違うということがわかりました。
簡単に言うと、世界規模で国境を超えた過疎化が起きてしまうというのです。
うーん???なんだか難しいですねえ

(ここからはぼくの個人的な見解です)
つまりですよ。
円を例に考えてみたいと思います。
例えばぼくが1億円を持っていたとします。
大抵の場合、大量なお金をどう使うかと言ったら・・・
おそらくみなさんも同じ発想だとは思いますが、「投資」ですよね。
じゃあその大量のお金をどこに投資するかを場所で考えてみる。
投資先として、おそらく頭に浮かぶのは東京都だと思うんです。(日本の中だけと限定して考えた場合)
理由はたくさんあります。
消費者人口や企業数など、当然投資はリターンを期待するために投資するわけですから、
日本の中で圧倒的に可能性を感じるのは東京都ですよね。
おそらくぼくだけではなくみなさんも同じ考えを持たれると思うので必然的に東京都にお金が集まる。
投資でお金が集まる場所にはチャンスが生まれる。
ということは人が集まるのではないのか。
・・・という解釈です(笑)
うーん。
そう考えると、世界の通貨を統一したら大変なことになってしまいますね

今年はニューヨークだ!ってなれば、ニューヨークに世界から人が集まり、
来年はパリだ!ってなればパリに人がごったがえす。
そんな極端なことは起きないと思いますが、それに近いことは起こる可能性があるということなのでしょうか。
でも本当の問題は無視されてしまった地域だと思うんです。
うーん。なるほど。
マネーサプライの重要さがわかりました

次に関心を持ったのは「投資」と「消費」の線引きです。
どこからが投資でどこまでが消費なのか。
非常に興味がありますねえ

まずおもしろいと思ったのは、自己投資は投資か消費かという議論。
これは竹中さんの見解によると、経済学的には消費なんですねえ。
意外だと思いません?
つまり経済学的に投資とは、リターンを期待できる行為のことを指すようです。
例えばぼくが会社をやるとなって、知り合いの誰かが「投資してやるよ」と話を持ちかけてきてくれたとします。
しかし、この時点では投資ではない。
なぜかというとぼくがそのお金で車を買ったり、服を買ったりして全部消費で消えてしまう可能性がないとは言えないからです。(そんなことはしませんよ。実際
)そこで会社にコピー機を買ったり、パソコンを買ったりして設備投資をすれば、はじめて投資となるわけですね。
消費とは読んで字のごとく。費やして消えてしまうということ。
資本主義経済においてはこの投資があることによって企業が成長して、企業が儲かり、従業員に給料として還元し、従業員は消費者として、経済に金を落とす。
うまいことお金がめぐりめぐっているということですね。
まるで自然の循環に似ているような感じがします。
非常におもしろい

つまり経済学的に言うと、形に残るものが投資で形に残らないものが消費なようです。
これは突き詰めて考えていくと非常に難しい線引きだと思いますね。
例えば、家や車。
よく住宅の購入なんかは投資といいますけど。
経済学的に考えると消費ということになるのでしょうか?
使用して年月が経つと、どちらも価値を失っていくので消費とも言えると思うのですが・・・
うーん。これはむずかしい

ぜひ竹中さんに聞いてみたいものです

というわけで、
このような歴史的な不況の今こそ、こういった経済の基本に立ちかえることのできる本書をおすすめしたいと思います。
しかも、不況にもやさしい低価格!
世の中どこもかしこもあまりいい話を聞かない情勢ではありますが、ビジネスマンのみなさん!
今年もあとすこし。
がんばっていきましょう



