終盤の逆転劇~第82期名人戦七番勝負第2局2日目を振り返る | 藤井七冠応援ブログ

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第82期名人戦七番勝負第2局終盤の逆転劇再び~勝勢からの転落

  藤井聡太名人に豊島将之九段が挑戦している第82期名人戦七番勝負第2局が24日、千葉・成田市「成田山 新勝寺」で前日から指し継がれ、後手の藤井名人が126手で勝利しました。
 勝負も佳境の午後8時40分頃、震度4を観測する地震が発生しました。TV画面でも揺れているのがよく分かるほどでした。この時、手番の藤井名人は、盤上を見つめたままピクリとも動きませんでした。何という集中力でしょうか。驚きです。

中盤のお互いの緩手

 図は、76手目、先手の15角に対して26歩とした局面です。AIは、24桂を最善としていました。この手を境に、後手の藤井名人の有利な状況は一変します。図から、先手は24香と飛頭に打ちました。後手は同飛と応じ、同角を待って27歩成と進めれば互角でした。
 しかし、25桂と打ったため、形勢は先手優勢に近い状況になってしまいました。
 下図は、80手目。後手が27歩成と迫った局面です。
 ここでは、同銀が正着でしたが、先手は39玉と引きました。この手が悪手で、形勢は互角に戻ってしまいました。しかし、その後、後手に悪手が出て、形勢は先手有利の状況で終盤を迎えました。
 

117手目の大悪手

 下図は116手目、後手が72銀と打って受けた局面です。ここでは、▲6一銀成(52) △同 銀(72) ▲5二金打 と進めていけば、先手勝勢でした。
 
 しかし、先手が選んだ手は、桂の当たりになっている金を逃がす手でした。この一手で、形勢は互角まで戻ってしまいました。
 その後、後手の59角に対して、27玉と逃げた手が大悪手でした。この手が、敗着となりました。
 これで2局連続の大逆転劇となりました。豊島九段にとっては、非常に悔しい敗戦となりました。