ふと聴きたくなり、
こちらのCDを流しておりました。
このアルバム、好きなのです。
ジャジーなアレンジがたまらない。
と、思い出した。
ふろっぐは今はお気楽極楽なバイオリン弾きですが、ずっと以前は作曲家になりたかったのです。
ていうか、アレンジャー、ね。
当時は地方都市にいたので、作曲なんてどうしていいかわからない。
先生だって、バイオリンの先生でさえ、母が苦労して探してきてくれたくらいで。
家でひとり、おっきなステレオでレコードを聴きながら、
「なんで、こんなハートを持ってかれるような音楽が作れるんだろう…。」
と、名前も顔も知らない作曲家のその才能に嫉妬する毎日。
誰にも打ち明けなかったのですが、
音大受験のために通っていたソルフェージュの先生に、ひょっとしたら何か糸口があるかも、と
「先生、わたし、作曲がやりたいんです。」
と告げると。
「作曲ってね、あなたが思ってるようなものじゃないわ。鼻歌のように作るメロディじゃないのよ。」
と、言われ、ガッカリ。
確かに音大(正しくは地方芸大の音楽学部)に入って勉強する作曲らしき授業は和声と対位法なるもので、やってやならぬ禁則ばかりで学問のよう。
これではラチがあかない。
作曲家を目指す気は失せました。
それから、何回かは素晴らしい音楽に出会うたび
胸を焦がすような気持ちにかられつつ、その炎は歳をとるたびに小さくなっていったのでした。
ただ、時に寝入りばな、頭の中で完成された素晴らしい弦楽四重奏の音楽が鳴り響き、
「あー!このまま、聴音したらすごいのが出来るのに!」
と思うも、私にはそれを聴音して楽譜に書きとる能力がなく、また眠いのも手伝ってお蔵入りとなる事数回。
若い頃に、固い音大など行かず、東京の音楽専門学校にでも入れば道は開けていたのかなぁ、とも思うが、多分無理だったでしょう。
才能は欲しがる所にはこないのです。
この曲、大好き。