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今回は中部電力側の事情(変電所工事のため発電停止要請)もあり、通常1000時間おきに行うガス化炉メンテナンス522時間(竹実証試験402時間目)で行いました。通常は炉を冷ますのに24時間、メンテに8時間(作業員2名)が作業の目安です。
今回、特段クリンカーらしきものも見つからず、メンテの内容自体は杉と竹で大きな違いはなさそうです。
一方、炉内に差し込んでいる60本のフィンガー)の空気孔の詰まりが若干多かったとの印象です。杉・檜でも同様に詰まりが生じますが、稼働522時間目にしては少し詰まり方が早い気がし、今後もう少しデータを積む必要がありますが、通常年7-8回行うメンテナンスを10回程度に増やす必要があるかもしれません。米国技術陣と協議したところ、次回ガス化炉メンテは1000時間目を目途に行い、その状況を勘案しながら竹チップ利用時のガス化炉メンテサイクルを決めよう、という結論になりました。
今回のガス化炉メンテで竹の実証実験は本来一段落と言うつもりでしたが、まだ1か月分以上は竹チップの在庫がありそうなので、折角なので在庫がなくなるまで続けることにしました。7月末ないしは8月上旬までは竹の発電を続け、引続きデータ蓄積につとめます。なかなか面白い実験データが揃いましたが、結論としては、竹は杉に勝るとも劣らない燃料種であると言えます(ただし、チップ化と選別の工程はきちんと管理する必要あり)。一段落したら、詳細な試験結果報告書をまとめますので、どこかの大学で博士号でももらえないでしょうか(笑)
本日1800から中部電力からの変電所工事完了の連絡を待って発電再開の予定。
炉下部から取り出した竹のバイオ炭はこんな感じです。
ちょっと分かりにくいですが、竹のチップが5分の1くらいの大きさに縮小し、そのまま炭化してる感じですね。
砕けちゃったやつもありますが。
杉・檜だと細かな針状に砕けていて、チップの原型をとどめていませんが、竹はやはり密度が高いため、より「炭」っていう感じになってます。
なお、竹の炭は多孔質であるため、利用価値が高く、現在パートナーのヤマムラ様の方で、いろいろな利用方法を試しております。
今は協力会社に無償引取していただいているバイオ炭ですが、「シンテックさん、炭だけで一山も二山もあたりまっせ!」、と関西弁で言われると、何だかお金持ちになれそうな気がしてきます
あいにくの雨ですが、いよいよガス化炉メンテを始めます。
24時間かけて炉の温度を冷ました後、上下を繋ぐ大きなボルトを外してチェーンジャッキでガス化炉上部を少しづづ上げていきます。
ご覧の通り、炭状のバイオ炭がびっしり詰まっています。この中を毎秒80ℓ程度のはやさでガスを抜き出しますので、送風機も大変です。
よくガス化可能な燃料の種類についてご質問をいただきますが、「均等な大きさで、ガスがスムーズに流れる形状を有していることが第一の条件」、とお答えしてますが、これを見れば理由がわかりますよね。。。特に炭化した後に、ガスがうまく抜ける形状を維持できるかどうかが重要です。
これから、集塵機で炭を吸出しつつ、ガス化炉上部を少しづつジャッキで上げていきます。炭をすべて出してから、炉内点検と清掃整備を行います。