『シクシクとワクワクの星 第21話 仮面の村編②『完璧な日常?』』『シクシクとワクワクの星 第1話「シクシクの星」』ここは、宇宙の片隅にある "ため息" でできた星――「シクシク星」。 空はどんよりと灰色。星の地面には、シ…リンクameblo.jp

 

今日は待ちに待った『仮面の村』のお祭りの日。

 

朝から広場は美しい装飾で彩られ、軽やかな音楽が流れている。

屋台からは甘く美味しそうな匂いが漂い、

村人たちは仮面をつけて和やかに談笑を交わしていた。

 

「シクシク、見て!すごい楽しそうだよ!」


ピクピクがはしゃぎながら駆け寄ってくる。

 

「ほんとだ!どれから遊ぼうかな!」


シクシクも仮面をつけたまま明るく答えた。

仮面をつけると胸が軽くなり、少し感じていた違和感も気にならなくなる気がした。

 

シュシュが駆け寄ってきて、嬉しそうに声をかけた。


「二人とも、輪投げに行こう!すごく楽しそうだよ!」

 

輪投げゲームに挑戦したり、

食べ物を味わったりしているうちに、

シクシクの胸は祭りの楽しさでいっぱいになっていった。

 

しかしその時、ふと見上げた空には

昨日より濃くなった黒いモヤが漂っているのに気がついた。

 

「あれ、やっぱりモヤが濃くなってないかな……?」

 

シクシクが小さく呟くと、

村長エガオンが近づいてきて優しく、

しかし強い口調で言った。

 

「シクシク、そんなネガティブなことを考えてはいけないよ。」

 

「でも村長さん、あの空のモヤは……」

 

その瞬間、周囲にいた村人たちも口々に明るいがどこか強い口調で言い始めた。

 

「シクシク、気にしすぎだよ!」

 

「ポジティブでいなきゃ。村のルールを守ろうよ!」

 

その圧力を受けて、シクシクは慌てて口をつぐんだ。

胸にズシリと重い圧迫感が広がったが、必死に明るい声を出して答えた。

 

「そうだね、ごめん……僕の気のせいかもしれない。」

 

(何だろう、この苦しさ……。)

 

その後も祭りは続いたが、何かあるたびに村人同士が声を荒げる場面が増えていった。

 

「ポジティブでいないとダメだろ!」

 

「あなたも仮面がズレてる!ちゃんとして!」

 

言葉のやり取りが激しくなるたび

黒いモヤが空で渦を巻き、徐々に膨れ上がっていった。

 

シクシクも胸に強烈な圧迫感を感じるようになっていたが、必死にそれを無視していた。

 

その時、広場の中央でついに決定的な出来事が起こった。

 

「もう無理だ!こんなふうに無理やりポジティブになんていられない!」

 

一人の村人が叫んだ途端、

周囲にいた人々の仮面に一斉に亀裂が入り、

黒い霧が吹き出した。

 

村人たちは動揺し、大声で叫び始める。

 

「ポジティブにならないと村が壊れる!」

 

「無理だよ、そんなの!もう抑えられない!」

 

シクシクは胸の苦しさが限界に達して、膝をついた。

その瞬間、自分の仮面にも小さな亀裂が走る。

 

(苦しい……もう無理だ……。)

 

空では黒いモヤが激しくうごめき、巨大な竜巻のような渦を作り出した。
そしてその中心から、黒く巨大な姿がゆっくりと姿を現した。

 

「マモノだ!!」

 

村長エガオンの叫び声が広場に響き渡り、

強烈な地響きとともにマモノが完全に姿を現した。

 

広場の装飾が風に煽られ、屋台は倒れ、

人々は悲鳴を上げながら逃げ惑った。

 

シクシクはその場に立ち尽くし、

自分の中にある抑えられない感情の波に飲み込まれていた。


もう、仮面をつけていても胸の苦しさは消えなかった。

 

(どうしてこんなことになったんだろう……。)

 

シクシクは震える身体で、黒いマモノをただ呆然と見つめるしかなかった。

 

🌟 つづく!

 


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