目次
前の話
友達も好きな人もできて
概ね楽しく過ごせた中学3年間
勉強はよくわかっていなかった
定期テストの順位は
真ん中より下だったし
実力テストの点数は
5教科合計で半分はなかった
そんなわたしの高校選び
最初は市内の可愛い制服の学校に
あこがれたが
進学校で到底いけるものではないと知る
次に
高校野球が強かった商業高校が
いいかなと志望校にしたが
担任の先生に無理だと言われる
商業科に行きたいならと2校紹介されたうち
聞いたこともなかった方の学校を選んだ
その学校も制服がかわいく
とても目立つものだった
目立ちたかったわけではないが
コンピューターに興味があったので
学べる学校で
わたしが入れる学校がそこだった
中学での部活動は美術部に入り
3年生では副部長に立候補
これは小学生高学年くらいからだが
何かの役を決めるときに
『長』をやるくらいなら
『副』に立候補してしまおうという技を
いつの間にか身に着けていた
しかし絵の描けない副部長であった
ことは変わらない
あとから入ってきた絵の得意な子が
キャンバスに油絵を描いていたが
わたしは漫画ばっかり読んでいた
そしてなぜか部長と一緒に
美術準備室の掃除を頑張っていた
1.2年時の顧問が退職され
新卒の先生が顧問となったが
前から美術準備室が
ぐちゃぐちゃだったので
なぜかわたしたちは勝手に掃除を始めた
自由で気楽な部活でありがたかった
しかしその新卒先生が
美術部始まって以来の企画をもちかけた
「夏休みに市立図書館で作品展をしましょう」
部長とわたしが掃除してばかり
していたからだろうか(笑)
ちなみにこの先生は長男が中3時に
進路の先生として再会し
現在では別室教室や
スクールカウンセラーの窓口担当を
されているので
次男の件でお世話になっている
ということで
わたしも何か描かないといけなくなったのだ
絵を描けないわたしは考えて点描にした
点描とは写真などをコピーして
その上に紙を置き
ペンで点を描きなぞっていくものだ
陰影を点の量や密集のさせ方で表現していく
なので絵そのものは描けなくても
なんとかなる(笑)
夏休みの作品展では
何を題材にしたのかは覚えてないが
その後の文化祭の展示では
マイケルジョーダンのダンクシュート
を題材にした
それはもちろんバスケ部に
好きな男子がいたからだ
その子に見てほしい一心で作品を作った
その男子に私は告白した
靴箱に手紙を入れておくという方法だった
しかし返事はない
3年生で同じクラスになったが
普段から話すわけではなかったし
その子は自分からいろんな子に
話しかけるタイプでもなかったから
まぁ放置になってもおかしくはない
と今は思うが
当時は
返事はちゃんとするものでしょ
と思っていた
それにその告白方法だと
もしかしたら彼に手紙が届いてない
のかもしれない
ちょうど美術部部長が
彼の家と近所に住んでいたので
電話番号をゲットしてくれた
たしかその部長と付き添いのもと
家に電話をかけて返事をくださいと言った
彼は黙っていた
本当に困っていたのだと思う
うわさでは隣のクラスの大人びた女子
のことが好きとか
同じクラスにわたし以外に2人彼のことを
好きな子が居て
そのうちの一人とは
よく仲良く話している姿を
みんなが見てるから
2人は両想いという話もあった
結局返事はあやふやのまま
でも断られたという感じで
わたしの恋は終わった
のだが
卒業式後に学ランのボタンは
もらったのである(笑)
ただし『第二ボタン』ではない
たぶん『第一ボタン』だったと思われる
それは当時『第一ボタンは勉強のボタン』
と言われていたから
彼は頭がよく
当時進学できた公立高校の中で
一番賢い高校を受験したのだった
両想いになることはあきらめていた
わたしだが
思い出としてボタンはほしかった
第二ボタンは
同じクラスで彼と一番話していた
あの子がもらいに行く
と宣言していたので
それに乗じて
「わたしは第一ボタンが欲しいから
一緒に行こう」
と言ったと思う
高校に進学後
彼とわたしの通う高校は
同じ市内だったので
たまに電車内で見かけることがあったが
遠くから目の保養として見ていた
目の大きなキツネのような彼だった
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