昨日、都をどりを観てきた。
都をどりとは、毎年4月の一か月間に京都の祇園(祇園甲部)に所属する芸舞妓が行う舞踊公演のことだ。
花見小路の祇園町入り口。観光客、特に外国人が多い。
会場の歌舞練場。昨年は改装中だったので南座で開催されたが今年は元通りここで。記念すべき150回目の都をどりだ。観光バスも駐車できる敷地の広さがある。実際3台ほど駐車していた。
開演は14時30分だけど、お茶もいただくので一時間前に到着。お茶をいただく人は違う建物から入った。
舞妓さんの肖像画がある部屋や、こんな風に記念写真が撮れる部屋もあった。本物の舞妓さんと記念撮影できればもっと嬉しいと思うのは罰当たりか。
それからお茶席の待合室に。待合室には庭園が広がる。この建物は、見覚えがある。三年前に来て舞妓さんの短い舞を観た(なんと500円!)練習場の建物っぽい。
それにしてもすごい数の人だ。待合室にパイプ椅子を何列にも並べて100人はいる。外国人は白人だけでも2、3割ぐらいいるんじゃないか。
スタッフは片言っぽいけど英語も話せる。
売店もあって期間限定のお菓子も売っていたが、英語でも紹介したら売れると思う。
しばし待ってお茶席へ移動。
そのお茶席会場が広かった。
自分の列の先頭ではあったけど、先の列があってその列が舞妓さんに一番近い列で一杯になってしまった。
こちらへ、と言われ、あーはずれの席だと思ってがっかりしたら左折するように言われて左折したら、舞妓さんの周り三方に座れるようになっていてその角だった。つまり、最前列。
舞妓さんは斜めに座ってお茶を入れていたのでまさに舞妓さんの真正面!距離は3メートルなかった。
これは泣きたいくらい感激!
着物姿で自分より年上風の姐さんたちが着席の手伝いをしていた。この人たちも仕込みから舞妓芸妓を経験をしてきた人たちなのだろう。花街のルールでは結婚すれば花街を去らなければならないそうなので、一生を祇園で過ごす人たちなのだろう。
最初にお菓子。
洋装の若い女性(祇園の人ではないと思う、アルバイト?)がお皿に載ったお菓子を配りに来た。
赤いお皿が欲しかったので赤いお皿が欲しいと頼んだが、順番に配っているということでかなわず。
数年前まで祇園甲部では撮影可だったが撮影禁止になってしまったので舞妓さんはおろか、お茶もお菓子も撮影できないのはちょっと残念。
隣の二人が外国人カップルだったので、お皿はお土産に持ち帰ることができると英語で教えた。
やがてもう一人の舞妓さんがお茶を持ってきてくれた。
お茶は八坂何とかという説明が待合室であったので味わいながらいただく。
小学生のころ煎茶を習っていた母親の練習相手をたまに務めた程度だったので、怪しいながらそれなりに作法に近づけていただいた。
お茶を飲み終わり、お皿を持ち帰ろうと思ってお皿持ったら、姐さんがササっと寄ってきて、その下にある紙袋に入れてくれようとした。これには感激。この姐さん、たった数分のお茶席でなにかと気を遣ってくれる。まさに一期一会。外国ではこんなにやってくれることはまずないのでさすが日本女性、いや祇園女性。おもてなしに心がやすまった。久しぶりに海外と日本の違いを知る経験になった。
ネットではお茶席の残念な意見もあったが、少なくても自分はよい経験をさせてもらった。千円上乗せして良かったと思う。
ところで、お皿はこれだった。(洗ってあります)
このお皿、会場出口の売店で600円で販売していた。赤色買って帰ろうかとも思ったが、実際にお茶席を経験したこのお皿のご縁が良いと思って買わなかった。お茶をいただいた話で金銭の話は無粋だが、お茶とお菓子をいただいて600円で販売しているお皿を持ち帰られることを考えると、お得に感じた。
無粋な金銭の話を許してほしいが、デンマークのロイヤルコペンハーゲンのクリスマスのイヤープレイト(皿)のように、年(今年なら令和6年あるいは2024年)を入れたら記念に買う人が増えるかも。
さて、お茶をいただいて都をどり会場へと移動。
トイレがウォシュレットになっていて便座が暖かく、おいど(京都弁でお尻の意味)が暖かかった。改装でウォシュレットになったのだろうか。観客はお年を召した方もいるのでまだ十分暖かくない四月にウォシュレットはやさしいと思う。
準備万端、会場へ。
正面はこんな感じ。(終演後に撮影、開演前と終了後は撮影可)
西側はこんな感じ。(終演後に撮影、左側下の舞妓さんの出口に黒子さんが写っている)
東側はこんな感じ。(開演前) 右側に写る廊下を「都をどりはヨイヤサー」と言いながら舞妓さんが小走りに入り開園する。
今回の席。記念に撮ってしまった。端の席だが舞妓さんの出口前。
いよいよ開演。
コロナ禍で都をどりは三年間中止された。去年から開催されたが、三年間の中止の影響で、去年は舞妓さんの6割が都をどりの経験がなかったという。今年は去年の都をどりを経験している舞妓さんが多いはずだ。
定番の「都をどりはヨイヤサー」の掛け声で始まった。
舞妓さんの出口から1メートルほどなので、最後にたった一席残っていたこの席をとることができて本当に良かった。メインステージばかりか西側の舞妓さんの顔も判別できるくらい。
お座敷とは全く無縁な庶民の自分だが、こういう直接目に触れる機会があると日本の伝統文化だなぁと自分がつながっている感じがする。
上演中は舞妓さんのみならず、演奏している芸妓さんの姿を見ると、舞妓は芸妓の以前の姿で、芸妓は舞妓の将来の姿で両者は別物ではなくつながっていることがわかる。まだ中学生で一生の進路を決断し15歳でこの世界に入り、手抜きをしない芸の世界で生きていくのは、迷いに迷って世界をふらついてきた自分にはできないな、と思った。
ちょうど150回目と重なり、思い出になる都をどりだった。宝くじ4等一万円と5等三千円を一度に当選したお金でこの都をどりを観て良いお金の使いみちだったと思う。お皿を見るたびに思い出すだろうな。
飾られていた舞妓さんの衣装。祇園甲部は青色の着物を着用する。
使用カメラ:
SONY RX100(一枚目を除くすべて)
NIKON D800E(8枚目)
使用レンズ:
Carl Zeiss Distagon2.8/25mm ZF.2.(8枚目のみ)