封切り日の先週金曜日に座席数420ほどのスクリーンで鑑賞した。
IMAXではなく通常のシネスコープに音響はTHXだった。
本作は「原爆の父」と呼ばれたアメリカ人物理学者ロバート・オッペンハイマーの半生を描いた映画だ。
アメリカは原爆投下が太平洋戦争終結をもたらしたとか多くのアメリカ人兵士の命を救ったという見解を保持しているが、広島と長崎を訪れた一日本人としてこの映画を観ておきたかった。ポーランドのアウシュビッツも1989年に訪れている。
このアメリカの見解は映画の中でも健在だが、オッペンハイマーの葛藤がせめてもの救いだ。
最初と最期のアインシュタインとの会話が明らかになるところがこの映画で重要なところかな。
画面が白黒になったり時間が前後してわかりにくい場面もあった。
性交シーンは特になくても良かったと思うが、オッペンハイマーも我々と変わらないことへのメッセージなのか。
マット・デイモンとターミネータージェニシスのジョン・コナーを演じたジェイソン・クラークにすっかり貫禄がついてしまっていたのはびっくり。ケネス・ブラナーは年取ったけど昔の面影があった。
終わりまで気がつかなかったのがロバート・ダウニーJrだ。ついこの前までアイアンマンを演じていた人とは思えないほどの変わりようだった。
上映時間3時間の長さであるにもかかわらず、退屈することはなく、自分は腕時計で時間を見ることがなかったので、引き込まれた映画だったと思う。
プロメテウスの火、か。
星4つ。
☆☆☆☆★