4月に東京から帰ってきてからの一ヶ月、死ぬほど長かった…
大人になってから、こんなに体感時間の長い一ヶ月は初めてかもしんないくらい長くて、気分的にはもう半年(は大げさかw)くらい経った気分。
ようやっと待ちに待った5月25日、朝一の飛行機で東京に飛びました。
いつもなら自家用車なんですけど、今回は3泊4日という長めの東京滞在で、その間愛しのハスラーちゃんを見知らぬ土地に放っておくのはしのびなく、飛行機を選択。
そのおかげで荷物を詰める時に重量オーバーにならないようにバタバタしたりしたんですが、それはまた置いといて……
一ヶ月ぶりのレミゼは素晴らしかった!!!
千穐楽が近いのもあってか、どのキャストさんもめっちゃ熱量上がってて、4月も素晴らしかったですけど、更にその上を行く素晴らしいパフォーマンスを見せてくれました。
そんな5月のキャストは、やっぱり相葉アンジョ固定で、
25日ソワレ:福井バル・伊礼ジャベ・二宮ファンテ・昆エポ・三浦マリ・小南コゼ・KENTAROテナ・朴マダム
26日マチネ:吉原バル・川口ジャベ・知念ファンテ・昆エポ・海宝マリ・生田コゼ・じゅんテナ・森マダム
28日マチネ:吉原バル・伊礼ジャベ・知念ファンテ・昆エポ・内藤マリ・生田コゼ・KENTAROテナ・森マダム
振返ってみると、今回、帝劇でびっくりするくらい駒田テナと海宝マリ観てないんですけど…屋比久エポと斉藤テナ、ほのかマダムなんかは影も形も……
相葉アンジョ、やたらと三浦マリとの組み合わせ多いし、なんか全体的に偏ってんな~(^^;
まあ、それはともかく。
25日の福井バル、なんか神がかってた気がした。最初の独白からすごくて、あそこで泣いたの久々な気がします。
なんていうか、バルジャンの心の変遷が凄くよく分かる歌唱で、神の慈悲に恐れおののき逡巡しながら「善き道を歩もう」とあがく様が手に取るように見えて、泣けて泣けて……
「名乗れば牢獄、黙っていても地獄」って歌詞も1回目と2回目では全然色が違っていて、ああ、悪魔の誘惑に負けそうになりながらも司教さまの教えの通り「正しい人」になるための決断をしたんだな、というのがはっきり分かって、茫然とするほど。
前楽でこれなら、楽はどんなんだったんだろう。観てみたかったなぁ。
しかしながら、伊礼ジャベ、初見の狂乱っぷりが少し静まってて、少し残念。バルジャンに逃がされて以降の狂いっぷりが好きだったんだけどな。
あとのキャストさんはまあ、安定かなって感じでしたね。……三浦マリも棒演技じゃなくなってたし。帝劇の終わりでこれかぁとは思ったけど。もうちょっと進歩しててほしかった。なんていうか、彼の場合、コゼットと恋に落ちたのも偶然の産物って感じで必然性が全くないというか、別にその役、ジョリとかプルベールとかでも良かったんじゃない?って感じになるのがなんともかんとも……
今期、やたらと相葉アンジョと組みになってることが多くて、どうしても観る回数多くなりがちなんだけど、選べるなら他のマリウス選ぶよねって感じです。もうチケット取っちゃってるから今更だけどさ。来期に期待、していいのかなぁ。
KENテナと朴マダムは相変わらずの美男美女夫婦。ほら、よくいるでしょ。若い時、結構イケテル兄ちゃん姉ちゃんで、やんちゃ仲間の内じゃ一目置かれてたぜっていう元ヤン夫婦。あんな感じのテナ夫妻で、私は割りと好き。なんたって、KENテナは歌が上手いし、朴マダムは色っぽくて演技が上手い。
駒田・森組のいつもの感とはまた違ってて、その違いが面白い。
明けて26日。
吉原バルにわざとらしさが消えてた!
2019の吉原バルは、より優しく慈愛の人みたいに変わってたのが初見の衝撃だったんだけど、それがヤンバルを彷彿とさせたりもしたんだけど、なんとなく板についてないというか妙なわざとらしさみたいなのが感じられて、イマイチだなと感じたのが4月。
それが、微妙に2017寄りに修整されたというか、2017ほど孤独でも厳しくもないけど、自身の凶暴性をどこか持て余しながらも優しくあろうと努力する人、みたいになってて、ずっと素敵なバルジャンになってた。
こういうのがあるからレミゼは侮れないんだよな~としみじみ。吉原さんほどのキャリアのある人でも、こんな風に深化して変わっていくんだもんな。だから何度でもリピしたくなるんだよ~!
変わったといえば、この日が初見の海宝マリ!
2017ではアンジョと並んでABCのツートップみたいなマリだったのが、それとは全く違うマリで、びっくり。若いのに凄い役者だなぁ、海宝くん。
いや、噂には聞いてたんですよ。恋への依存度が高くなったとか、革命に全く積極的でないとか、云々
それにしても、3期目でこれだけ違う色を打ち出して、なおかつ整合性のある演技が出来るって、流石だわ。
今回の海宝マリ、アンジョとツートップどころか、革命には全く乗り気ではないし、闘争心もあんまりない。この不正な世の中をなんとかしなくちゃとは思ってるけど、学生仲間たちとはなんとなく違和感があって、どうしようか迷ってるところに恋に落ちたもんだから、全ての行動原理がコゼットというか恋になってる浮かれポンチ。だからこそ、自分だけが生き残ったことに深い深い傷を負って、傷を抱えたまま生きていくマリウスになってた。
海宝マリについて書きたいこと、まだまだあるから、後でキャストの印象書くときにいっぱい書こう(笑)
この日初見だったのは、もう一人、じゅんテナ。じゅんさんに関しては賛否両論なんだろうとは思う。
なにせ、レミゼでも「いつものじゅんさん」だから。
ベガーズでジャベと部下に捕まったときの「被害者なしなら帰っていいね」のシーン。ジャベに睨まれて、ピャッと元の位置に戻るのはどのテナもしてるけど、わざわざ警棒喉元に当てさせて「いつの間に!」とかやっちゃうんだもんな。
けど、そういうとこが私は好きなので、仕方ない。じゅんさんはいつでもじゅんさんなんだ、どんな大舞台でも同じなんだ、というのはファンに取ってはある意味安心でもあります。
ちなみにこの日はじゅんさん、帝劇楽だったのでご挨拶がありましたが、さすがにその時は神妙でした(笑)
そして28日、千穐楽。
いやもう、素晴らしかった。今現在においては、あれはベストアクトだったと思います。
レミゼってそういうとこ凄いよね。舞台によっては楽は役者に力が入りすぎて肩透かし食らうこともままあるのに、レミゼはそういうの全然ないもの。常に楽が最高。
この日特に出色だったのは、内藤マリ。内藤マリは2017の延長上にあるっていうか、子犬っぽい可愛さのあるマリで、けど今年の演出なのか、学生達からちょっと距離があったりするマリ。けど、ワンデイモアで「私は戦おう」とアンジョに並んだ後は、ちゃんと戦う意志を固めてるマリで、そう歌いながら覚悟が固まってない海宝マリとは、そこが違う。
で、その内藤マリなんだけど、カフェソングで、戦うと決めたはずなのにどうして自分だけ生き残ったんだっていう悔恨が凄かった。加えて、歌の途中に死んでいった学生たちが姿を現してろうそくを吹き消し去っていく演出、あそこで彼らの姿が実際に見えてるんだっていうのが分かってやっぱり泣いた。
特に最後まで残ってるアンジョと見つめあうシーン。あそこ、相葉アンジョは無の表情なんだよね。相葉さんは命のないものを演じてる時はすべての表情を消す癖というか傾向があるんだけど、あの人、ただでさえ綺麗で端正な顔立ちだから、その表情されるとますます人間離れして見えるんだよね。
で、そのアンジョの顔を見ながら、内藤マリは何を思っただろうと思うと、いたましくてならないわけですよ。
死者は語らず、ただ生者だけが想いを引きずるのみ……
いや、あのシーン、素晴らしかった……
そんでもって、我が愛する相葉アンジョ。
4月は喉を大事にしてか上げずに歌っていた「自由を」を上げてきました!
疲れも溜まっていくだろうに、ちゃんとコンディションあげて、声の張り、伸び、力強さ、全てが更に更に向上していて、カリスマ性半端なかった!
どんなに騒いでいても、相葉アンジョが一言声を発した途端、皆がシンとして聞き入るのが当然だと思える「首領」っぷり、素晴らしかった。
それと、バイトで出てても声が分かるっていうね。「一日の終わりに」の「今日から明日」とか、めちゃくちゃはっきり聞こえてきて、ああ今日も好調だなぁと。ファンとしてはうっとり聞きほれるしかないわ。
あと、今期はコンブ&クルフェと三人の信頼性とかがよくわかる演出で、新たな世界の扉が開いた感じです。
だって、何か行動を起こす前や決断する前には必ずコンブに視線を送るし、アンジョが決断した途端クルフェが行動起こすし、そんなのが見えると、うわ!ってなるしかないでしょ。
まあ、その分、グランへの興味が若干薄れたんですけどね。
……というか多分、私、あんまり川島グランが好みに合わないんだと思う。
私の友人はアンジョとグランの関係性がとにかくエモいっていう人もいて、彼女らは川島グランも大好きみたいなんだけど、私はそこまで肩入れできないわ。
聞いてみたら、全然解釈が違ってて、そりゃそうだよな~と納得。
私が一番譲れないのは、アンジョルラスという存在は誰かから影響を及ぼされることなどありえない、っていうところなんだよね。思想的には誰かとの討論を通して多少の変化を見せることはあっても、芯の部分ではありえないと思っているわけで。
つまり、どれだけ苦境に立っても、どれだけ苦しい想いを抱えても、誰かに呼びかけられて我に返ることはあっても、誰かから支えられるとか影響されるとか、ありえない、というのが私のアンジョルラス像で、そこが一番譲れない部分。
それもあって、周囲のグラン好きさんとはちょっと相容れない部分があるのかも。