ファルは辛そうな顔を一瞬見せた。

ユナは、

「なぜシオンとそっくりなの?あなたは私に言ったわ。シオンを止めてって。でも、止めてほしいのはジーンの事?」

リークは

「キルア、時間がない。ラディストが滅べばまた戦争になる。」


「人界がどうなろうと、私には関係ない。」

「そんな!それならなぜ!私に予言させるの?この世界を救うためじゃないの?」

キルアの目に涙が落ちる

「私とジーンが閉じ込められ、この世界は豊かになった。なぜかわかる?」

ファルは

「キルアとジーンは人界のものには神だからだ・・・・」

リークが続けて言う

「神を地に閉じ込めればその大地は潤う。そして、人々は繁栄した。だが、ジーンの憎しみは徐々に膨らみ、世界の半分は闇となった。ラディストが光の国でいられるのは、キルアが花の精霊王だからだ。ジーンは竜王の弟だ・・・」

ロバートが不思議そうに

「そもそもなぜ、二人は閉じ込められたんだ?それにユナ姫に予言させるその意図は?

なにも、ユナ姫に予言させなくても、キルアに会いに来れば、済むことなんじゃ?」

ユナが突然座り込んだ

天界での出来事が頭の中に入り込んでくる

「キルア・・・・貴方は・・・・」

ユナが頭を抱える。

「ユナ姫!」ファルは近寄り

「ファル・・・・貴方はキルアを守って死んだ火王の後継者・・・・」

ビクッとするファルに

「見える・・・・伝説の光の王はケンタじゃない・・・」


靴音が響く

「誰だ!」

リークは皆を守るように前にでた。

そこには目の前の像にそっくりな男が立っていた。

「ジーン!」

「シオン!」

キルアとユナは顔を見合わせた

自分を見ているようだ。

「闇が近づいている。ジーンがくるわ。やっとあの人に会える・・・」

「キルア、ラディストが滅びてしまう。闇が包み込めば、人々も生活できなくなってしまう!」

ファルが、必死に訴えるが


「そこにいる男は、リークあなたの後継者?」

「そのつもりだ。まだ、承諾は得てないが」

にやりと笑うリークに

「なに勝手に決めてんだ!」

思わずロバートは叫んでしまった。

部屋中に響き渡り、

「そんなに大きな声を出さなくても聞こえるわ。」

「あ・・す・すみません・・・」


「ユナ・・・本当の覚醒はしてないのね。シオンはもう覚醒したわ。ラディストは滅びる。」

リークは

「キルア、なにか方法はないのか?」

そういうと、お茶を入れ始めた

クスっと笑うキルア

「リークのお茶は美味しいわ。私好きよ」


ロバートは我慢できずに

「なぜ、ラディストが滅びる!キルアだっけ?何か方法があるなら教えてくれ!」

「シオンをとめることができるのは、ユナだけ。でも、シオンが覚醒した時点で遅かったのね。それに、私は、ジーンに会いたい。もういいでしょう?何千年もここに閉じ込められ、前の戦争で私は解放されるはずだった。なのに、私は、また閉じ込められたのよ。」

「キルア、あのとき、もし、ここからでていたら、天地戦争まで、勃発していた。仕方なかったのだ。」

ロバートが、

「ジーンて誰?いったいなんの話をしている?」

ファルは

「ロバート様、後で全てお話します」


キルアは立ち上がり、正面の男性像のところに歩いていく

ユナも一緒に歩いていきその像をみて愕然とする

「シオン!」

「違うわ・・・・これはジーン・・・私の愛する人」

「リーク様、ようこそいらっしゃいました。他の方3名確認取らせていただきます。」

そういうと、1人にひとつずつ、近づいてくる

「ファル様、ユナ姫様ようこそ」

少し時間たって、

「リーク様、もう1人の方は?」

「私の後継者だ。キルアに報告に来た」


にやりと笑うリークに

「なに勝手な・・・・!」

ファルが、口に人差し指を当てる

それをみたロバートはリークをにらみつけながらしぶしぶと黙った。

ユナ姫があっけにとられていると、人型の水は

「いいでしょう。どうぞお入り下さい」

4つの人型をしていた水は、ひとつにまとまり、門の形になった。

門が開くと、そこは大理石の城だった。

4人の靴音だけが響く

他の音などなにもしない

長い廊下の先に広い部屋がある

左手に池が、正面には、なにか人をかたどったものが見える

右手にベッドやテーブル、必要なものが並べられていた


「ファル・・・・リーク・・・何しに来たの?」


ユナは、動けずにいた。

夢に現れた女性はこの人だ!

「ユナ姫大丈夫ですか?」

ロバートの声も耳に入らない


ファルとリークの影からユナが現れた

「ユナ・・・・やっときたのね・・・・・」

はかなげな女性。強く抱きしめると壊れてしまいそうな・・・

ユナとそっくりなのに、こんなに違う


「もう運命は廻った。もう遅い。シオンはここに来たわ。」

「シオンがここに?」

キルアに近づくユナ

ぽかんとみているロバートに

「おまえは勝手についてこい」

「なんだとぉぉ!」

「ついてこれるかな?」

皮肉に笑うリークに

「ファル!精霊王だかなんだか知らないが、なんだこいつは!」

「ロバート様、早くいかないと、置いてかれますよ」

ファルも笑いながら、リークの後を追う

「ファルまでなんだよ!」

そういうと、リークの後を追いかけた。


第8章 ラディスト国の崩壊


「ここは・・・白亜の城だわ。」

「そうです。ここにキルアが閉じ込められているのです。前王は、お優しい方でした。

キルアが淋しくないようにと、ここに城を立て、いつも王妃と共にいたのです」

倒れこむように、ロバートが着いた。

「ゼェゼェ・・・なんつ~早さだ・・・ハァハァ・・」

「これくらいで、息が上がってるようじゃまだまだだな。今まで訓練してたのか?」

あざ笑うようにリークに言われ、ロバートは

「な・・訓練・・・ゴホゴホ!」

息が上がってまともに話せない

「あははは。だらしないな。それじゃユナ姫を守れないぞ」

あきれたようにファルは

「リーク・・・あまりロバート様をいじめないでくれ」

ちらっと、ファルを見るが、リークはとても楽しそうだ。

「キルアにあうのは久しぶりだな。ユナ姫、キルアに会っても驚かないように」

「わ・・わかりました」

おもわず緊張する。


白亜の城から見える、湖は少しのにごりも無く透明度は最高だ。

城と繋がっている橋が途中で途切れている。

途切れているところまで近づくと

「リーク頼んでいいか?」

「いいだろう。・・・・・風王リーク、他3名と共にキルアに会いにきた!」

湖から、人の形の水が4つ浮かび上がってきた!

「ファル、私いってくるわね。リーク殿、席を外しますが後でお話しましょう。」

「ユナ姫、あなたは、いかなくて良いのですか?」

なんとなくぎこちないロバートに、ユナも

「あ・・私は・・と・・とにかく、結界をなんとかしなければ・・・」


ファルとリークは、目を合わせ

「キルアのところへ行きましょう。ケンタ様が目を覚ましたとはいえ、まだ、動けないと思いますから、結界をはることはできないでしょう」

「キルア?キルアって誰だ?ユナ姫に危ないことさせるんじゃないだろうな!」

「これはまた、ずいぶん、活きのいい若者だ」

リークは、じっとロバートを見つめている


「ファル!こいつはいったい誰だ?」

敵意をあらわにするロバートに、リークはなぜか微笑んでいる

「これは失礼しました。私は風王リーク。」

丁寧に挨拶をするリークに

「風王??精霊王がなぜここに!?」

「ファル、この青年はなかなかいいかもしれん」

ユナは、3人の様子を見ていたが

「あ・・・あの!話してる場合じゃないでしょう?ロバートも結界張るのを手伝ってくれますか?闇がそこまできているの」

「それはもちろん!俺ができることなら!」

気に入らない目でリークを見たが、ユナ姫のためなら仕方ない・・・


リークが、ロバートに近づき

「ふむ・・・ずいぶんと風の恩恵を受けているな、それに地の恩恵もだ」

「な・・・!なにするんだ!ぺたぺた俺の体にさわるな!」

「ファル、探していたものが見つかったようだ」

にっこり笑うリークにファルは、ゾクッと寒気がした

「まじかよ・・・」


ユナは何がなんだかわからない顔で

「あの!キルアのところへ行きましょう!」

リークは、白虎になると、ユナのそばに座った

「どうぞ、お乗り下さい、ユナ姫」