車内販売ワゴンの「回送」 | 車内販売でございます。

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車内販売を15年半で11000回を利用してきた「車内販売大好きな乗客」が書くブログです。 多数の観光列車に乗り鉄しています。

新年1本目の記事です。

今回は、車内販売のワゴンが、営業運転でなくて回送する話。

 

■ワゴン販売は、減っても存続

東海道新幹線ではワゴン販売が打ち切られました。

とはいえ、JR東日本の「はやぶさ」「こまち」「はくたか」「つばさ」「とき」「あずさ」「ひたち」、山陽新幹線の「博多のぞみ」などでは、車内販売のワゴンが巡回しています。

ワゴン販売は、減ってきたものの、現在も続いている路線があります。

 

■後ろからワゴンが来ると呼び止められない

ワゴン販売の利用で、よく耳にする話があります。

「ワゴンが高速で通過するので、呼び止められなかった」

特に後ろから車内販売のワゴンが来たら、秒速で「コーヒーください」などと言わないと通過してしまいます。

私のように「必ず買うぞ!」という決意をしていても、呼び止めることができない時があります。

不慣れな一般の若い人でしたら、利用は難しくなります。

 

■腕の良い販売員は、後ろからでも伝わる

実は、腕の良いベテラン販売員でしたら、通過して買えなかったということは、まず起こりません。

その理由ですが、

(1)腕の良い販売員は、「車内販売でございます」と声を出して比較的ゆっくり巡回する

車内販売が来たと気づいてから、5秒くらい考えてからでも十分間に合う。

(2)90度近く首を振って、左右を見ながら巡回するため、2m先に進んでも買いたい客に気づいて戻ってくる

軽く手を振ったり、大きく表情を変えて販売員を見つめるのに、気づいてもらえる。

また大きく首を振って「後ろも見てますよアピール」しているので呼び止めやすい。

とはいえ、凄腕販売員を大勢揃えるのは難しいのが現実です。

それどころか、「普通の販売員」であっても人手不足で、車内販売廃止の理由の1つになるほどです。

 

 

ところが凄腕販売員でも、後ろから無言でワゴンを高速移動させている時がありました。

「いま呼び止めないで!オーラ」全開で、ワゴンを移動させていたのです。これが「ワゴンの回送」とでも言うべき現象です。その理由は何種類かあります。

 

【理由1】乗降の妨げを予防する

多くの人が乗り降りする停車駅の前後では、ワゴンが通路にいると乗客が通りにくくなります。

たとえば東北新幹線下りでは、仙台駅に到着する6~7分前になると、後方1号車などの自由席の乗客の一部が、3号車4号車の通路を通って階段に近い扉から降りようと移動を始めます。

ですから、仙台駅到着の10分くらい前になると販売員は、デッキの開かない方の扉前にワゴンを置いて待機するものです。

でも、ある1両で何人もの乗客に数多くの品物を販売していると、1両だけで15分かかることもあり得ます。そんな時は、1両の真ん中までしか進んでいなくても、一旦ワゴンをデッキに避難させるのです。

デッキに避難させる「回送中」に、「コーヒーください!」と言われても、「また参ります、しばらくお待ちください」と答えるしかありません。声をかけにくいように、ややスピードを上げて無言でワゴンを動かすのです。

↑デッキに待機していたワゴン(東海道新幹線2017年)

 

 

【理由2】品物の積み込み

5年前よりは大きく減りましたが、停車駅で品物の積み込みがある特急があります。

数年前ですが、広島駅や仙台駅では、弁当の積み込みがありました。ホームに待機している職員から弁当を受け取る仕事がありますので、到着時刻には必ず準備室前にいなくてはなりません。

近ごろ見かけたのは、上り「はやぶさ」が、大宮駅に停車する際に、積み込んでいた弁当を降ろす光景です。

首都圏の駅の弁当店で、東北地方の駅弁が買えるようになっているのは、「はやぶさ」で輸送している場合があるのです。

↑新大阪駅での積み下ろし(販売員も交代ですから本文の趣旨とは若干異なります)

 

 

【理由3】品物を取りに準備室へ

これは、普通列車グリーン車の車内販売で、比較的よく見かけます。

首都圏の普通列車グリーン車では、二階建て車両という事情もあり、カゴに飲み物を入れて巡回します。

でもカゴに載せられる品物は、多くありません。

缶コーヒー、ビール、お茶など1本ずつしか基本的に載せません。

2人連れがチューハイ2本を頼んだら、準備室に取りに行くしかありません。

また、追加料金が不要と勘違いした外国人が、グリーン車の座席に座っている時もあります。

そんな時は、普通車に《御案内》します。「2階建てでないグリーン車の平屋部分に、続けて勘違いして座るのを防ぐ」のと「普通車に行け!と言うと冷たい印象があるので丁重にご案内する」の両方ありそうです。

この普通車への《御案内》中に、「お茶ください」と言われると、《御案内》を中断させるわけにもいかないので、お茶の車内販売を後回しにすることになります。

そのため、話しかけられにくいように気配を消して、回送状態になるわけです。

 

以上の例のように、ワゴンが速くて呼び止められなかった場合でも、仕方ない理由かもしれないと御理解いただければと思います。

別に私は関係者でなくて、利用者の一人ですけど。

 

 

 

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