JR東日本の新幹線で、ホットコーヒーの販売が再開されると発表されました。
2019年から「はやぶさ」「こまち」「とき」「はくたか」「かがやき」等の新幹線では、ホットコーヒーの販売が打ち切られていましたが、再開されます。
↑写真は廃止直前の2019年3月に「やまびこ」で飲んだホットコーヒー
【1】2019年3月に車内販売大幅縮小
JR東日本の車内販売は、2019年3月のダイヤ改正と同時に、大幅縮小されてしまいました。
《1》「やまびこ」で車内販売廃止
運転本数が多い「やまびこ」で、車内販売が打ち切られました。
これで車内販売をしているJR東日本の新幹線は、「はやぶさ」「こまち」「つばさ」「とき」「はくたか」「かがやき」だけになりました。
収支も考える必要がありますし、販売員の確保も簡単ではないですから、「やまびこ」の車内販売廃止は一応理解できました。
《2》ホットコーヒー、弁当、アイスの販売打ち切り
取扱品目の大幅縮小に踏み切ってしまいました。
ホットコーヒー、弁当、アイスの販売が無くなったのです。
★やや手間はかかるものの、売れ筋商品で利幅が大きい「ホットコーヒー」
★売れ残りのリスクはあるものの、乗客の空腹を満たす「弁当」
★暑い時期に体温調節の役目もある「シンカンセンスゴイカタイアイス」
★小さくて売れ残りを気にしなくてよい「鉄道グッズ」
こういった品が、一気にワゴンから消えてしまいました。
詳しくはこちら↓
とりわけ、ホットコーヒーの販売停止は疑問で、車内販売を安楽死させるのか!と疑いたくなりました。
需要が多く、原価率が低いホットコーヒーです。収益が上がるうえに、客の満足度も上がるのです。
特に航空機との競合区間なら、「遅いけど快適だから新幹線!」という客が、100人の中に1人くらい航空機に移る可能性があります。
【2】試行販売
乗客からの声や、現場の販売員からの反発もあったのでしょう。
私は内部の人事などの情報には全く詳しくありませんが、一般的な大手グループ企業なら「車内販売の大幅削減」を決めたトップが、定年退職や他の部署に異動するのに3年くらいかかります。
「俺が決めたことに文句つけるのか」と言う人がいなくなったころなら、「ホットコーヒーの再開の声が上がってますので、試行販売してみま~す」というのは抵抗ないでしょう。
そして、現場の販売員が無理ないか、収益は上がるか等を確認できたハズです。
ホットコーヒーの試行販売は、7月8日から上越新幹線「とき」で行われました。
私が乗った「とき」では、残念ながらホットコーヒーは品切れでしたが、なぜかアイスを買うことができました。
いろいろ試して、無理がないか、売れるかを確認したようです。
これとは別に、特別な有機栽培コーヒー390円も販売していた「はやぶさ」もありました。
【3】ホットコーヒー販売再開
試行販売を経て、JR東日本の新幹線で、ホットコーヒーの販売が再開されると10月5日に発表がありました。
★東北新幹線「はやぶさ」・・11月1日開始
★北陸新幹線「かがやき」「はくたか」・・10月7日開始(一部列車は11月1日)
★上越新幹線「とき」・・現在も販売中で、延長する模様
欲を出せば、「つばさ」「こまち」も、とは思いますが、ここまででも有難いです。
驚いたのは、価格が250円と安い点です。
2019年に廃止した際は320円でした。
他社の車内販売でも、300~350円程度ですから、この安さは魅力です。
売り切って食材の無駄を減らす発想なのか、何でしょうね。
公式発表はこちら↓
https://www.jresc.co.jp/pdf/20221005.pdf
販売列車の詳細はこちら↓
https://www.jresc.co.jp/pdf/service/coffee.pdf
深夜帯など無い列車もあるので要注意です。
【4】この先、どうなる?
公式発表で目についたのは、次の表現です。
「他の線区、列車への拡大についても検討してまいります。対象列車や販売線区を拡大する際は J-Creation ホームページでお知らせいたします。(https://www.jresc.co.jp/)」
→→「他の線区、列車への拡大」は、狭くとらえると「こまち」「つばさ」での販売も検討、でしょう。
広く解釈すると「あずさ」「ひたち」での販売も考えている、という意味かな。
「アイスクリーム等のご要望の多い商品についても、今後販売線区の拡大を検討してまいります」
→→アイスも、ホットコーヒーほどではないですが、売れる商品だと思います。
冬期はともかく、来年の夏には多くの路線で買えることを祈っています。
鉄道グッズは可能性あると思いますが、弁当はリスク大ですから、再開は厳しい気がします。
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