京都市内の出町柳から走っている叡山(えいざん)電鉄。
路面電車のような短い電車が、1両または2両編成で走っています。
この叡山電鉄に、2種類の観光客向けの電車が運行されています。
「ひえい」と「きらら」で、運賃だけで乗車できます。
■「ひえい」
先頭も窓も楕円の形をしている車両です。斬新なデザインをした新しい電車です。
比叡山のふもとを走るところから名付けられたようです。
濃い緑色の「ひえい」は、1両で運行されます。
出町柳から八瀬比叡山口の間を運行しています。
窓は縦長の楕円です。新しい車両だけに、周りの光を反射して、うまく撮れません。
平成30年に改造されましたが、元の車両は昭和63年に作られたとのこと。
ローレル賞受賞の車両ですか。
車内は落ち着いた雰囲気です。
ロングシートですが、席の区分けがハッキリしています。
楕円の窓からは、京都市内の風景を見ることができます。
出町柳付近は住宅地ですが、自然豊かな地域も走ります。
優先席もあり、その前のつり革は色が異なります。扉にも、大きな窓がついています。
車椅子・ベビーカースペースがあり、一部の席をたためます。
車両の中央には、座席の無いスペースがあります。
ここは、立ちやすい場所です。扉の横に立つ門番さんは、ここに立ってほしいです。
旅行者が大きな荷物を置くスペースにもなりますね。
運賃表と次の駅の案内です。
液晶ディススプレイで表示され、見やすいです。
■きらら
展望列車「きらら」は、出町柳から鞍馬の間を走ります。
ただ、鞍馬・貴船口付近は現在土砂崩れで運転休止しているため、出町柳駅と、鞍馬駅の手前の市原駅の間を走っています。
「きらら」は、外観はおとなしいのですが、大きな窓が特色です。
車両の中央部は、かなり高いところまで窓が設置されています。
先月に乗った際は、オレンジ色の塗装で運転されていました。
車内ですが、2両編成の2両とも、独特の座席配置となっています。
最大の特色は、車両の中央の8席が、窓の方向を向いていることです。
紅葉の時期は、全面が美しい景色になるようです。
1人掛けの席も並んでいます。転換クロスではなく、向きが固定されています。
上の方には空が見渡せる窓がありますから、網棚はありません。
網棚は、展望に支障がない一部の席だけとなっています。
扉付近には、2人掛けの席もあります。
多様な座席配置が魅力の車両と言えます。
座席のシートを拡大して見ると、このような模様です。
もみじの柄ですね。よく考えられています。
新型車両を導入すると何千万円(場合によっては何億円)もの費用が必要です。
それで、乗客が増えるなら増収になりますが、一部の鉄道ファンが乗りに来るくらいで直接の収益につながるか微妙なところだと思います。
それでも、特別な料金を全く取らない新型車両を導入するのは、素敵だと思います。
「メンテナンス費用」とか「行政からの補助金」といった専門的なことには詳しくありませんが、マスコミに報道されて注目を浴びる、社員のモチベーションが上がるといった様々な効果があるのではないかと、勝手に推測しています。
▲他の車両
叡山電鉄の車両の多くは、普通の車両です。
特別なデザインではない車両が、多くの地域住民を運んでいます。
ラッピング車両も走っていました。
▲グッズ販売
叡山電鉄の出町柳駅では、各種グッズを販売しています。
たとえば、こんな品が。
ピンバッジ400円、鉄した400円、プラレール1300円、キーホルダー1300円など。
鉄道ファンの心を揺さぶります。
わたし? 車内で買えるのなら買いましたけど・・・。
叡山鉄道に乗ったのは、朝の8時頃です。上りは通勤客で混雑していました。
昼の方が空いていそうですが、このあと「しまかぜ」に乗り、そのあと「のぞみ」で都内に帰り仕事が控えているため、朝に出かけました。新型車両に乗り慣れている地域住民の中で、鉄道マニアの私は浮いていましたけど・・・。