富山県の氷見線・城端線を走る観光列車「べるもんた」。
前回の車両と寿司の記事の続き。
【1】観光ボランティア
この日に乗車した氷見線「べるもんた」には、観光ボランティアが乗車していた。
ふたりのオバチャンが、観光客に車窓と地元をPRしてくれた。
テンション上げて、観光客を引きつける。
その口調は見事で、みんな注目していた。
天候によっては景色が見えにくい日もあるから、写真も用意してある。
こうすると天気が悪くても「また見える日に来よう」と思う人も、いるのでは?
富山県の高岡は、万葉集に関わった大伴家持ゆかりの地。
翌日には、新元号が「令和」になると発表された。
万葉集から採られて注目を集めている現在、どんな説明をしてくれるかな。
車窓と合った和歌をいくつか用意して、解説してくれる。
【2】海が見える
氷見線では、海岸沿いを走る区間がある。
この日は、曇り時々雨だったが、穏やかな海だった。
キレイな岩が、海に浮かんでいるのが見える。
この岩というか島というか、海に浮かぶ盆栽のような島の近くでは、一旦停止して、観光客が写真を撮りやすくしてくれる。
車両の揺れが無いから、撮りやすくなって助かる。
これは風流で、見ごたえがある。
【3】リサイクル会社
氷見線の沿線に、日本総合リサイクル株式会社の敷地がある。
バスや鉄道車両の解体・リサイクル・輸出等をしている会社だ。
この日、この会社の敷地に、こんな車両が置かれていた↓。
何だ?見たことのある車両の気がする。通称「食パン」かな。
帰りに注意してみたら、ハッキリ見えた。
現在は運転されていない気がしたから、逆に言えば、まだ残っていたの?と感じる。
【4】氷見駅の少し手前
氷見駅の手前で、観光ボランティアのオバちゃんが、「パンダがいるよ、注目~っ!」と案内があった。
すると、地元の皆さんが、待っていた。
地元の皆さんが、1両編成の「べるもんた」の客のために、手を振りに来てくれているのである。
小さい子を抱っこしたお母さんもいる。近くで仕事している人が汽笛を聞いてかけつけることもあるそうだ。
足場を作って、これはすごい。
そして、パンダの着ぐるみを着た人も、のぼりを持って、歓迎してくれた。
私も、「大きな手」を振り返した。
私が振った「大きな手」は、こちらだ↓。
小さい子の注目度は抜群だ(笑)
ちなみに、うちわを改造した「手」は、複数の観光列車のアテンダントさんが、私以外でも作って振っている人がいたと言っていた。
どんどん多くの人に広がって良いんじゃないですか。(私が知る限り、大きな手を観光列車に振る原形は肥薩線の真幸駅だし)
【5】氷見駅到着
私は氷見駅に降りて、すぐ発車する次の「べるもんた」で折り返した。
氷見駅には顔出しパネルがあった。
列車の写真が、そのまま顔出しパネルになっているのは、かなりシンプルだ。
【6】記念撮影ボード
「べるもんた」の車内には、記念撮影用のパネルが置いてある。
ただし、あまり活用はされていない。
何しろ、乗車時間が短く、観光ボランティアによる案内が充実している。そして寿司を食べたり、日本酒の注文を取って回ったりするため、ゆっくり撮影する時間が無い。車内を端まで歩きにくい。
だから、自分から撮ろうとしないと、時間が取れない。記念乗車証のスタンプも同様で、いつのまにか押さずに終点になってしまうあこともあるので要注意。
【7】高岡駅構内入れ替え作業
「べるもんた」が氷見線を走る際は、高岡駅を2度発車する。
氷見線は高岡から氷見まで走るのだが、始発駅は高岡ではなく新幹線の新高岡駅になっている。
新幹線の客が便利なようにという配慮だろう。
すると高岡駅のホームは、氷見線と城端線が離れているため、一度高岡駅を発車して数百メートル先まで進んで、また戻る作業が必要となる。
スイッチバックとも言えるのだが、もっとイベント色が強くても良いような気がする。
「四国まんなか千年ものがたり」では、坪尻駅のスイッチバックでは、「運転士を拍手でお迎えください」と呼びかけがあるが・・・。
全体的に見て、1両編成でよく頑張っているという印象だ。
たった1両だから、満席でも観光客の数は限定的だ。
それなのに、地元の自治体・観光協会・住民の皆さんは、かなり力を入れているように思う。
食事が出るのに快速扱いで、収益はたいして上がらないのに、JRも頑張っていると感じる。(深読みすると、新高岡まで新幹線で来てくれればJR西日本は儲かるのだけど)