観光列車には、記念撮影用のボードが用意してある列車が多い。
以前、観光列車の「記念撮影プレート」には、様々なデザインのものがあると、まとめた。
かなり前になってしまったけど・・・。その時の記事は、こちら。
その中でも、特に印象に残っていて、感激したものが2つある。
今回は、この2つの「記念撮影プレート」を紹介する。
【1】わたらせ渓谷鉄道
栃木と群馬を走る第三セクター「わたらせ渓谷鉄道」。
この路線には、観光列車「トロッコわっしー号」が運転されている。
この「トロッコわっしー号」には、撮影記念プレートがある。
これだ!
切符に似せた撮影記念プレートが用意されている。
2017年に行った時↑も、2014年に行った時↓も、デザインは変わっていない。
日付は変わっているが、右の車体の写真とわっしーが少し違っているけど。
ちなみに、裏面は、こうなっている。
こう見ると、特別美しいデザインでもなければ、凄い仕掛けがあるわけではない。
何に感激したかというと、
「わたらせ渓谷鉄道」のファンが、このプレートを寄贈したからだ。
3年前に記念撮影をすすめてくれた車掌さんによると、何度も乗りにきた「わたらせ渓谷鉄道」の大ファンが、記念撮影プレートを作って、「わたらせ渓谷鉄道」に寄贈したとのこと。これを受け取って、大切に使い続けているのは、素晴らしいことだと感じる。
地元の住民にも支えられているが、鉄道ファンにも支援されているローカル線は、素敵な路線だと思う。
(トロッコわっしー号の外観↑)
【2】JR九州「かもめ」
2015年2月に特急「かもめ」に乗った。
当時の「かもめ」には、客室乗務員が乗っていて、車内販売をしていた。
「かもめ」は観光列車とは扱われていないが、車内販売をしている客室乗務員が、おもてなしをしてくれた。
この時私は、長崎行「かもめ」のデラックスグリーン席に乗っていた。
デラックスグリーンは私だけ、グリーン席も他には3人ほどで、かなり空いていた。
正確に言うと、新幹線の新鳥栖から長崎への乗り鉄だ。デラックスグリーンに新鳥栖から乗ると2670円、佐賀からだと1650円だから、料金をケチって佐賀まで13分だけ自由席、佐賀からデラックスグリーンにした。
新鳥栖から自由席に座るとすぐ、車内販売のワゴンが来た。コーラを買った。
佐賀に着いて、デラックスグリーンに移動した。
すぐ客室乗務員が来て、「ご乗車ありがとうございます」という挨拶とともに、「先ほどはコーラをお買い上げいただきありがとうございました」と御礼。覚えてくれたのは、嬉しいのと同時に、料金をケチったのがミエミエで、ややカッコ悪いような気分にもなった。
でも、この客室乗務員は凄かった。できることは何でもしようという姿勢だった。
おしぼりの配布、アメ玉の進呈は基本としても、ひざかけも持ってきた。
2月とはいえ、コートを脱いでネクタイにスーツ姿の男に、「ひざかけは御入用ですか」と尋ねてから持ってくることはあろう。でも、持ってきて「いかがですか?」だ。
景色の良い地点では、観光案内を1対1でしてくれた。
そして!感激したのは「記念撮影プレート」だ。
これだ!!
表は「かもめ乗車記念」と書かれた白い車両。
裏は「つばめ型車両」だ。停車駅も入っている。
このプレートは、下敷きのように薄くて小さい。ラミネート加工したものだろう。他のボードと比べると、「しょぼい」かもしれない。
しかし、私は非常に感激して、記念撮影をお願いした。
実はこの日「かもめ」に乗る前に、「おれんじ食堂」と「指宿のたまて箱」に乗車して、素敵な接客に感激しっぱなしだった。
九州新幹線「さくら」の車内販売もすごく素敵だったけど、何せ強豪「おれんじ食堂」と「指宿のたまて箱」の後である。九州新幹線「さくら」は、普段なら印象に残るハズなのに、さほど感じなかった。
でも、この「かもめ」の客室乗務員には、ものすごく感激した。
なぜか。
本来は「撮影記念ボード」は、「かもめ」には無い。
でも
出来ることは何でもしようという姿勢に感激したのである。
金属製の本格的なものは、予算の関係もあって簡単にはできない。そこで、個人でもパンフレットを切り貼りした原稿を作ることは可能だし、飲食店のメニューで使われるラミネート加工のビニールは1枚10円前後だ。機械は、メニュー作成で使っている飲食店から借りればいい。(買っても3000円前後だ)
おしぼりはグリーン車に乗ればもらえるとしても、ここまでしてくれた。
「おしぼり」・・・途中駅からの乗車でもキチンと配布
「スリッパ」・・・持ち帰り可能なグリーン車用スリッパを渡してくれた
「ひざかけ」・・・寒くはなかったが、一度使いたくて、貸してもらった
「新聞雑誌」・・・新聞雑誌を持って来て「いかがですか」
「あめ玉」・・・JR九州の定番、ここでも配布があった。
「ゴミ回収」・・・長崎が近づいて、絶妙のタイミングで、ゴミ回収に来た
「観光案内」・・・観光列車ではないのに、車窓の解説をしてくれた。
できることは何でもしようという姿勢の延長に、「記念撮影ボード」があると思うと、感激せずにはいられなかったわけだ。(この「かもめ」に乗った話はこちら。)
感激するのは、モノではなく、気持ちなのだと改めて感じた次第だ。