JR九州では、3月14日のダイヤ改正以降は、車内販売が続くのは観光列車と九州新幹線だけとなる。「ソニック」と「かもめ」の車内販売は、廃止となる。
2015年2月上旬に、「ソニック」と「かもめ」の車内販売が廃止される前に、最後の利用をしようと九州に出かけた。
「ソニック」に乗った話はこちら↓
http://ameblo.jp/syanaihanbai/entry-11991319074.html
昨年3月に「かもめ」に乗った時の話はこちら↓
http://ameblo.jp/syanaihanbai/entry-11816581189.html
この2月上旬には、新鳥栖から長崎まで「かもめ」に乗った。一番豪華な787系車両で、長崎まで往復することにした。
アラウンド九州切符利用だから、自由席は追加料金不要だ。でも今回は、デラックスグリーン車に乗った。「かもめ」のグリーン車は、かなり空いていて、ワゴンの写真を撮らせてもらったり、いろいろ話をしたりしやすいからだ。
グリーン車利用といっても、セコイことをした。デラックスグリーン料金は、新鳥栖~長崎は2670円で1時間41分、佐賀~長崎は1650円で1時間27分。たった14分で1020円増しは、もったいない。そこで、新鳥栖から佐賀まで自由席に座って行った。
【様々な座席】
普通車でも、他の特急車両より、座席は快適だ。私は「885系白いかもめ車両」「ハイパーサルーン車両」「883系ソニック車両」の3種類よりも、787系つばめ型電車の方が、座席も外観も好きだ。
普通車の車両↓
普通車でも、4人掛けコンパートメントの部分が一部あった↓。改造して普通の座席になったと思っていた。
グリーン車は、豪華な座席だ。空いているから、更に気分が良い。昔は「ドリームにちりん」のグリーン車で連泊したが、足腰は何とかもったのは、この余裕ある座席のおかげだ。
グリーン個室もある↓。せっかく個室があるのに、使われているのを見たことがない。
実はJR九州のクリーン個室は、2人分の料金で4人がグリーン個室に乗れるのだが、案外知られていない。博多~長崎間だと、4人でグリーン車に乗ると、普通車自由席との差額は、一人1570円×4人=6280円だ。その一方で、4人でグリーン個室に乗ると、自由席からの追加額は3140円で済む。
【DXグリーン】
今回乗車したデラックスグリーンの座席↓。さすがに超豪華だ。グランクラスと張り合えるレベルだ。
下の写真では、リクライニングの角度を最大にしたのが手間の座席。電動で座席が倒れるが、角度が大きくて熟睡できそう。
デラックスグリーンは運転席に面した車端の3席だけだから、3人分の壁がある。ハンガーが用意されていて、服がかけられる。
車内販売で、買ったコーヒーの写真がこれ。注目すべきは、背景に写っているコンセントだ。私はスマートフォンの充電器を差し込んで、充電した。デラックスグリーンなら、携帯電話の充電や、パソコンの電源確保が席で可能だ。
客室乗務員さんに、もらったのが「使い捨てスリッパ」だ。造りは簡素だが、くつろげて有難い。20年前に、九州グリーン豪遊券で、グリーン車を乗り始めた時には、グリーン車にスリッパがあることに驚いたものだ。
【車内販売】
3月14日のダイヤ改正で、車内販売がなくなるから、この往復で最後の利用となる。
往きの長崎行き「かもめ」では、残念ながら弁当が品切れだった。車内販売以外は一切飲み食いしない「車外断食中」だったから、腹が減っていた。そこで、定番の「焼きドーナツ」と「竹輪」とビールを買う。
帰りはギリギリ弁当にありつけた。肥前路弁当830円を買った。本当は、去年食べて感激した同じ弁当店の「シウマイ弁当」が良かったのだが、1種類しかないから仕方ない。車外断食中だから、弁当があつただけ有難い。
【客室乗務員】
往きの「かもめ」に乗務していた客室乗務員さんは、もともと仕事のレベルが高い客室乗務員が多いJR九州の中でも、1.2を争うほどの立派な仕事っぷりだった。
私は新鳥栖から佐賀までの14分は、自由席に座っていたが、ワゴンが来たから、コーラを買った。佐賀駅で、DXグリーンに移動したが、おしぼりを私に来た時に、先ほど自由席でコーラを買った客だと覚えていた。外観は平凡な会社員風の客の顔を覚えているのには、驚いた。
DXグリーンは私だけ、グリーン席は他に約3人だけと空いていたが、サービスの内容は、可能な物すべて実施していた。
「おしぼり」・・・途中駅からの乗車でもキチンと配布
「スリッパ」・・・持ち帰り可能なスリッパを渡してくれた
「ひざかけ」・・・寒くはなかったが、一度使いたくて、貸してもらった
「新聞雑誌」・・・新聞雑誌を持って来て「いかがですか」
「あめ玉」・・・JR九州の定番、ここでも配布があった。
「ゴミ回収」・・・長崎が近づいて、絶妙のタイミングで、ゴミ回収に来た
「かもめ」は観光特急ではないのだが、私が鉄道マニアだと察して、「お仕事ですか?」などと話しかけてくれた。周りに客が少ないから、気兼ねせずに話ができた。
更に、乗車記念の写真を勧められた。
観光列車では撮影用ボードがあるが、下敷きくらいの大きさで、「かもめ」の写真が入った手作り感ある撮影ボードを利用できた。
長崎駅で降りる時も、見送りをしてくれた。
ホームで列車の写真を撮っていると、また話しかけてくれて、私は「長崎で観光せずに、また戻ります」と言った。すると「私もまもなく博多行で戻ります」と答えてくれた。
本音を言うと、凄腕の客室乗務員さんの仕事っぷりを、帰りもまた見たかった。しかし、まさか改札付近で待ち伏せていて、「よしっ、あの客室乗務員さんが列車に乗ったぞ。みどりの窓口にダッシュしてグリーン券を買おう!」という訳にはいかない。格好悪いし、ストーカーと疑われてドン引きされかねない。
私は予定通り、次の博多行に乗った。別の客室乗務員さんだったが、この方もなかなかのものだった。
時代の流れとはいえ、温かくて立派な仕事をする客室乗務員さんの活躍の場が狭まるのは、本当に残念だ。
最後に「かもめ」の車内販売を利用できて、満足できた。感謝したい。