西武「52席の至福」・【車両編】 | 車内販売でございます。

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やっと乗れました!

西武鉄道のレストラン列車、「52席の至福」の席が取れて、乗ってきました。
 
【1】52席の至福とは?
関東の大手私鉄・西武鉄道が、昨年2016年4月から走らせている観光列車が「52席の至福」です。
『区間』・・・基本的には池袋から西武秩父の間。
特急レッドアローだと1時間20分で走るところを、2倍の時間をかけて、食事をしながら、ゆったりと走ります。日によっては、西武新宿発になるなど、運転区間が変わります。
『本数』・・・土曜休日だけ1往復するのが基本です。
平日の運転は原則ありません。中には、日曜でも運転されない日もあります。
『料金』・・・気になる料金は、ブランチ10000円、ディナー15000円です。
指定席券料金も含まれています。運賃は、西武線の1日券もついています。正直言って安くはないですが、満足して帰ってきました。
『人数』・・・2人から4人の人数での申し込みとなります。
1人で申し込むのは、できません。(これは痛いです。)予約状況を見ると、2人より4人の方が、若干申込しやすくなっています。
『予約』・・・西武鉄道のホームページから予約できます。
ただし、座席数が限定で人気が高く、満席続きです。特に、比較的安い(?)ブランチ、それも2人席は、空きを見つけるのは大変です。

『4両編成』・・・「52席の至福」は、4両編成。

4両のうち、座席は2号車と4号車の2両だけです。だから、52席しかありません。1号車は多目的車両、3号車はキッチン車両です。

 
では車両の紹介をします。
【2】多目的車両《1号車》
1号車は、多目的車両です。
みずいろの車両に、芝桜と長瀞の桜が描かれていてアクセントになっています。

車両の中は、列車内でイベントができるように作られています。この日は通常の運行で、イベントが無かったため、このような状態でした↓

所沢駅に運転停車中の様子。ガランとしていますが、入ることはできました。

イベントに使えるように、ビデオモニターと音響機器が設置されています。秩父の観光PRなどが流されていました。

この「52席の至福」は、4両が季節に対応しています。1号車が春、2号車が夏、3号車が秋、4号車が冬です。1989年に作られた車両が、2016年に改造されたのが分かります。
 
【3】キッチン車両《3号車》
秩父連山の紅葉が、車体に描かれています。
キッチンからは、車窓が見える必要はないので、片側の窓はふさがれています。4両ですと、扉は8か所ありますが、乗客が乗り降りできる扉は、2号車と4号車の2か所だけてす。
キッチン車両は、料理を出す車両です。
通路側からは、ガラス越しに調理の様子を見ることができます。
ここから、アテンダントさんは、隣りの車両に料理を運びます。
かなり広くて、使いやすいのではないかと思います。
写真は、池袋駅に停車中の様子。
カウンターでは、前菜の準備が進んでいます。
ビールなどの酒は有料ですが、コーヒーやウーロン茶などの飲み物は無料です。
コーヒーは、こちらの機械から出されます。
キッチン車両には、手を洗う設備があります。
これは、料理を運ぶアテンダントさんが、主に利用するようです。
 
【4】客席車両《2号車》
2号車は、乗客の座席とテーブルがあります。
今回、私が座った席がありました。
みずいろを基調にしてその上に、秩父の山の緑が描かれています。季節は夏を表しています。

この車両の写真は、芦ヶ久保駅で13:14から13:49まで停車した時に、撮影したものです。

柄を見ると、みずみずしい川の水には見えるが、秩父の山の緑には見えにくいなあ。

車内は、テーブル席が設けられている。

写真↓の左は2人用席、右は4人用席が配置されています。凝った配置の観光列車がある中で、シンプルな配置となっています。

こちら↓が、2人用席です。

豪華さを追求しているわけではなく、実用性を重視しているように思えます。

座り心地はまずまずですし、掃除もしやすいように見えます。

4人用席は、こちら。2人用とは、テーブルの大きさが違うくらいで、基本的に同じつくりになっています。

こちら↓は、2号車の天井。

渋柿和紙を使った天井になっているそうです。間接照明と組み合わせて、奥行のある天井になっていると感じます。

 

【5】客席車両《4号車》

もう1両の客席車両が、4号車です。

あしがくぼの氷柱が、車両に描かれています。

 

4号車の席とテーブルは、2号車と同様です。。

ただし、天井だけは違います。

西川材の格子天井になっています。

角度を変えると、天井はこう見えます。

なお、既存の車両を改造した関係で、一部の席は窓枠で、車窓がやや見にくい席もある。

ちなみに、西武線は飯能駅で進行方向が反対に変わります。3時間の行程のほぼ真ん中ですから、どちらが上座というわけではなさそうです。

ですが、後の席との間が空いていて、余裕があるのは、52席に絞ったメリットでしょぅ。

 

【6】様々な工夫
★テーブルの灯り
テーブルには、灯りが設置されています。
今回は、昼間に走るブランチに乗車しましたから、特に必要はありませんでした。でも、夜に走るディナーに乗ったら、雰囲気が出そうです。
★コンセント
そのライトの電源は、テーブルの下から取っています。
廃線配線がむき出しになっていますが、結果的にスマホの充電が可能になって、むしろ有難いとも言えます。(おっと「配線」と書くところを「廃線」と変換してしまいました(^_-)-☆わざとじゃないですよ)
★のれん
車両の端には、伝統的なのれんがかけられています。
雰囲気が出ます。
★トイレ
トイレは、1号車の多目的車両にあります。
車椅子対応のトイレ1か所、男性用小トイレ1か所だけです。東吾野駅でも12:40~12:51に運転停車して駅のトイレも使えるようにしていますが、並ぶこともあります。
JR四国の観光列車「伊予灘ものがたり」でも、定員50人で2時間強走りますが、トイレの増設を行いました。
★半自動扉
東吾野駅では駅のトイレに行けます。芦ヶ久保駅では、降りて駅前で買い物ができます。この時には、ボタンで開閉する半自動扉です。
 
【7】おとなしい車両
西武「52席の至福」の車両に乗って感じたのは、あまり派手さが無いということでした。
えちごトキめき鉄道「雪月花」をはじめ、豪華さを売りにする観光列車が目立ちます。
その点で、「52席の至福」は、外観も内装も、さほど派手さはありません。もちろん、地元の木材を使うなど至る所で工夫が見られるのですが。
この車両をデザインしたのは、2020年の東京オリンピックで使われる新国立競技場をデザインした隈研吾氏です。
意図はよく分かりませんが、車両が主役ではなく、料理や車窓を引き立てるのを主眼に置いたデザインなら、納得できます。
 
多くの観光列車に乗ってきた者にとっては、「車両」でもっと驚く要素があると思ったが、案外地味で、拍子抜けしたのは事実です。逆に言えば、出しゃばらずに落ち着いた内装ですから、悪いわけではないですけど。
でも「食事」と「接客」は、さすが西武だなと感じた次第です。
続きの食事の話などは、こちら