この春のダイヤ改正で、「スーパーおおぞら」で車内販売が廃止されてしまった。
年々、車内販売無しの列車が増加しているが、更に廃止が進んだわけだ。乗車時間が1時間程度ならともかく、長時間乗る特急で、車内販売が無いのは、非常に辛い。
「車内販売無しの長時間特急」と言えば、少し事情を知った鉄道ファンの多くが思いつきそうなのは、北海道だ。昼の「北斗・スーパー北斗」だけ残して、車内販売はほとんどなくなってしまった。
北海道で最も長時間走る特急は、「オホーツク」だ。車内販売は無い。
「オホーツク」は、5時間28分で、車内販売無しの特急の中では、第5位となった。
(定期列車のみ。何本か走る場合は最長時間の列車とする)
◆第5位「オホーツク」網走~札幌、5時間28分(上り)、347.5km
北海道で最も長時間走る車内販売無しの特急は、5時間28分の「オホーツク」で、これが第5位となった。旭川と遠軽で3分停車しかない。自動販売機の飲み物を買うのがやっとかなあ。
ここで問題! 5時間28分走る「オホーツク」よりも長時間走るのに、車内販売が無い特急が、4つもある! 何だかご存じだろうか。
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◆第4位「こだま748号」博多南~新大阪、5時間29分、622.3km
オホーツクより1分だけ長いのが、山陽新幹線「こだま」。
岡山で「のぞみ」通過待ちで26分停車するなど、停車駅でホームに降りて、弁当を買うこともできる。さほど困らないとは思うけど。距離の622.3kmは、カーブが多い在来線の営業キロだから、実際はもっと短い。 それよりも、博多南~博多間も含めるのは反則と感じる人もいるかな。
◆第3位「にちりんシーガイア7号」博多~宮崎空港、5時間46分、411.5km
博多から、小倉、大分を経由して宮崎空港まで走る。大半の特急は、「ソニック」と「にちりん」を大分で乗り換えとなり、6分乗り継ぎの時に、飲み物くらいなら買える。「にちりんシーガイア7号」は、小倉2分停車、大分4分停車で、弁当を買うのはリスク大だ。
25年ほど前に、博多から宮崎まで日帰りで往復したことがあるが、グリーン車でもしんどかったことがある。今は、宮崎から博多に行くなら、宮崎~新八代はバス、新八代~博多が新幹線というコースがJRおススメだから、わざわざ通しで乗る客は、鉄道ファンだけかもしれない。
現在の「にちりんシーガイア」は、ハイパーサルーン車両。(写真は「みどり」)
◆第2位「サンライズ瀬戸」高松~東京、9時間44分(上り)、804.7km
◆第1位「サンライズ出雲」出雲市~東京、12時間17分(上り)、953.6km
反則と思う人もいるかもしれないが、残された唯一の定期夜行特急「サンライズ瀬戸&出雲」が1位2位となった。飲み物の自動販売機はあるとは言っても、たとえば上り「サンライズ出雲」は、始発の出雲市を18:51に発車する。弁当を買って乗り込んたとしても、もっと何か食べたくなるものだ。
2015年4月に、私は「サンライズ瀬戸」に高松から乗った。ハンバーガー2個だけ買って乗ったため、腹が減ってきた。岡山で連結のため11分停車の時間を利用して、岡山駅の改札内にあるセブンイレブンで食べ物を買ったことがある。岡山で食料を調達できなかったら、東京まで飢餓状態だった。この時の話はこちら↓
http://ameblo.jp/syanaihanbai/entry-12039730358.html
★★★★★★★
上位5つを紹介したが、6位以下も、参考までにまとめる。
◆第6位「スーパーおき4号」新山口~鳥取、5時間24分、378.1km
2両編成の特急だ。車内販売をするのは困難と納得できる列車だ。途中の最も長い停車は、米子の3分だ。残念ながら、写真はない。
◆第7位「宗谷」稚内~札幌、5時間11分(上り)、396.2km、
この春から、3往復のうち2往復は、旭川発着の「サロベツ」となった。旭川では約10分の乗り換え時間があるから、売店に寄ることも可能だ。皮肉にも、札幌~旭川間廃止によって、車内販売廃止の影響が抑えられることになった。
◆第8位「くろしお10号」京都~新宮、4時間47分、315.5km
京都発着の「くろしお」は、本数は少ないが、京都~新宮だと5時間近く車内販売無しになってしまう。白浜で6分停車があるのが救いか。
写真は以前走っていたもの。
◆第9位「スーパーおおぞら9号」札幌~釧路、4時間35分、348.5km
この春に車内販売が廃止されてしまった。4時間以上、車内販売なしの状態になる。トマムなど、駅前では食料の調達が難しい駅もあるのだが。
◆第10位「南風24号」中村~岡山、4時間31分、294.4km
南風は、丸亀~琴平間で車内販売があるが、昼間限定となっている。朝と夜は車内販売を実施していない。「南風24号」は午後7時ごろだから、車内販売なしになってしまう。ただ、高知駅で14分停車があるから、売店に行ける。
◆第11位「ひだ25号」大阪~高山、4時間25分(平日)、296.5km
大阪発着の「ひだ」も、長時間走るのに、車内販売が無い。ただ、岐阜で15分停車して、名古屋からの列車と連結作業が行われる。この間に買うこともできる。
◆第12位「はまかぜ5号」大阪~鳥取、4時間21分、264.9km
「はまかぜ」のうち、1往復ある鳥取発着だと、4時間超える長時間列車になる。
姫路で13分停車するから、食料の調達も可能だ。
写真は撮ったのは間違いないが、出て来ない。
◆第13位「こだま683号」東京~新大阪、4時間0分、552.6km
大半の東海道新幹線「こだま」は、3時間56分で走るが、この最終便は4時間かかる。
「のぞみ通過待ち」で5分停車が多く、売店に駆け込むくらいはできる。ただし、東京19:26発と遅いので、時間的に閉店している駅が多いかもしれない。
◆第14位「北斗3号」函館~札幌、3時間59分、318.7km
「北斗」の中でも、単線区間の通過待ち合わせが多い列車は、約4時間かかってしまう。「北斗」と「スーパー北斗」は、車内販売がある列車が多いが、朝と夜の一部では実施していない。
◆第15位「サンダーバード15号」大阪~和倉温泉、3時間56分、327.1km
「サンダーバード」の中で、1往復は和倉温泉発着の約4時間かかる列車だ。
金沢で一部車両の切り離しのため14分停車があるから、実質大阪から金沢まで2時間44分となる。
★★★★★★★
15位までの中でも、のぞみ通過待ちで頻繁に5分待ちがある「こだま」は、飲食物が無くて困ることはほとんどない。途中で5分以上の停車があれば、買えるわけだ。
もちろん、非常に深刻な列車もある。
何といっても北海道の長距離特急は、深刻だ。
(1)乗車時間が長時間になる
(2)駅で食料を買えない小さな駅もある
(3)途中で5分以上の停車がほとんどない
他の地域の特急だと、途中売店に行けるくらいの停車時間があることが多い。
「スーパーおおぞら」「オホーツク」「宗谷」、そして朝夜の「北斗・スーパー北斗」の車内販売廃止は、本当に残念だ。
参考までに、普通列車では岡山発下関行が、7時間33分かけて走る。徳山での33分停車もあるが、普通列車なら、混み具合によっては弁当食べるのは厳しいから、覚悟は要りそうだ。