しなの鉄道の「ろくもん」に乗りに行った。
5か月前の2016年1月は、「ろくもん2号」で和食を食べて、感激して帰って来た。もう一度、乗りたくなって、今回は「ろくもん1号」で洋食を食べに行った。
今回も、素敵な接客に感激して帰ってきたのだが、まとめるには時間がかかる。そこで、今回の内容は、全く想定していなかった部分に感激したという話。
「ろくもん1号・2号」は、食事が楽しめる観光列車だ。最速で目的地に着くのではなく、時間をかけて運転する。
だから、普通列車が軽井沢から長野まで、1時間半で走るのに対して、「ろくもん1号」は2時間25分かけて、のんびりと走る。そのため、途中の田中駅で、「ろくもん」は普通列車に追い抜かされるダイヤになっている。
この田中駅では、10分ほど停車する。
パンフレットには、こう書いてあった。『駅外側にお越しください。海野宿の特徴である、「うだつ」と「海野格子」を模した駅舎との記念撮影はいかがでしょうか』
私は駅舎を撮るつもりでいたが、それどころではなくなった。
なぜか?
小さい子どもたちからの、あたたかい「おもてなし」があったからだ。
田中駅の少し手前の線路際に、保育園がある。アテンダントさんが、車内の乗客に案内を始めた。
『左側を御覧ください。保育園の子どもたちが、手を振って歓迎してくれます。』
保育園の前で、大勢の保育園の子どもが、「ろくもん」に手を振ってくれた。
徐行しているとはいえ、すぐ通り過ぎてしまった。個々の表情までは、分からなかった。
一旦停車して欲しかったな、と思っていると、アテンダントさんからの案内によると、田中駅のホームにも、保育園の子どもたちが来ているとのこと。
ホームに列車が滑り込むと、いた!いた! 30人くらいの子どもが、ホームに整列していた。真田の赤のかぶとを作って、かぶっている子もいる。かわいいなあ♪
私も大きく手を振って応えたが、少し緊張した表情でこちらを見つめていた。
あとで気づいたのだが、普通の保育園児に、初対面の人に対して、笑顔で接しろと要求する方が無茶だ。緊張した表情になるのも無理がない。 でも、何度も会っているお姉さん(アテンダントさん)には、自然な笑顔が出ていた。
一人の先生が、二人の子どもを連れて、車内に来た。何か乗客に渡している。私の席に来て、緊張感の固まりの男の子から、贈り物を渡された。渡されたものが、これ!
ろくもんのしおりだ!
子どもが塗った「ろくもん」の塗り絵か入っている。塗り絵を、ラミネート加工して、しおりになっている。これは、気持ちがこもった品物だ。
裏は、こうなっている。読みにくい文字だと、もらっても困る乗客もいると思う。だが、これなら子どもの手作りであり、完成度もある。
本来、小さい子をホームに立たせるのは、万一のことを考えて避けたがる傾向があると思う。
でも、鉄道会社と地域の人たちが、一緒になって「ろくもん」を支援しようという気持ちから、実現したのだろう。本当にありがたい。
なお、この小さい子による出迎えは、毎回ではなく、たまにしか行われないようだ。
「ろくもん1号」の食事と接客については、近いうちにまとめる予定。