山梨県の富士急行には、「フジサン特急」が走っているが、この他に、観光色を更に強くした「富士登山電車」が走っている。
この「富士登山電車」に7月に乗った時の話である。
【1】車両外観
「富士登山電車」を外から見ると、平凡な赤茶色の車両だ。凄い観光列車と思える要素は、見られないが、これは水戸岡氏がデザインした車両の特色と言える。
車内には、このようなボード↑が掲げられていた。
車両が作られたのは、1968年だから、もう47年経っていることになる。勾配はきついとはいえ、さほどスピードを出さない区間だから、問題は無い。乗り心地も、悪くなかった。
【2】列車の位置づけ
「富士登山電車」は、1日2往復、2両編成で運転される。木曜日だけは運休となる。
ほとんどの駅は通過するので、早く到着できる。ただし、眺めの良い地点で減速することもある。
指定席ではないが、着席券200円が必要となる。空いていれば、様々な席に引っ越して座ることができる。
【3】様々な座席
富士急線は、景色の良い富士山側が見えやすい席になっている。
↑テーブルがあるカウンター席。座席が富士山の方を向いており、富士山がよく見える。
富士山の反対側の席でも、富士山に向いたソファー席となっている。窓が大きいので、ここでもよく景色が見える。
一番大月寄りのソファー席。寝っころがりたくなる。ここでも、飲み物を置くテーブルが、小さいながらも設置されている。
普通のボックスシートもある。もちろん、普通の列車より、ふかふかだ。
【4】車内の設備
地元の特産品などを飾るウインドウだ↑。多くは車内販売で売っているグッズが並んでいる。
運転席の横が少し高くなっている。のぼれば、子どもの背なら丸窓から富士山が見える。
【5】7月は七夕
乗車した時期は、七夕の時期だ。期間限定で、七夕飾りが車内に飾られていた。
カウンターの前、目立つ場所だ。
乗客が、願い事を書くようになっている。
カウンターには、記念スタンプの横に、用紙も用意されている。
外国人客が多いためか、英語や中国語も目立った。
【6】車内販売
さて、お待ちかねの車内販売だ。
カゴに乗せて、車内販売がやってきた。グッズが中心だが、飲み物もある。
私は、鉛筆とサイダーと煎餅を購入。大月駅に停車中に、「この列車では、コーヒー、ビールの販売はありません。」と放送で案内されたので、やむなくペットボトルのお茶を買った。サイダーあるなら、買わなかったのに・・・。
面白かったのは、富士山の形をした煎餅。これは話のタネになる。
【7】乗車記念
観光列車だけに、乗車記念になるものが、スタンプ以外にも、用意されている。
これは↑、記念撮影用ボード。日付も入るようになっている。客室乗務員がボードを持って車内を回るが、半分以上の客が利用していた。
この日は小さな子が乗っていなかったから登場しなかったが、子ども用の車掌服も用意してある。帽子もある。
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富士急行が発着する大月には、新宿から特急で約65分。東京周辺で観光列車に乗れる路線としては、最も近い路線の一つだ。
なかでも「富士登山電車」は、西日本ではよく見られ、没個性的とも言える水戸岡車両だ。JR九州の「指宿のたまて箱」などと非常に良く似ている。とはいえ、東京の近くで、凄い観光列車に乗れるのだから、有難い。超マニアでない限りは、十分満足できる車両だと思う。