乗客に手を振る | 車内販売でございます。

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車内販売を15年半で11000回を利用してきた「車内販売大好きな乗客」が書くブログです。 多数の観光列車に乗り鉄しています。

 車内販売員など様々な人たちが、列車と乗客に対して、お辞儀をしたり、手を振ったりする光景が、観光列車を中心に見られる。

 今回は、気分が良くなる「お辞儀」と、「手を振る」光景の話。


【1】お辞儀をする

 新幹線が東京駅のホームに滑り込んでくる。この時、列車に深々とお辞儀をする人たちがいる。

 列車の掃除をするために待機しているクリーンスタッフ、ワゴンと共に乗り込む予定の車内販売員だ。

 普通列車グリーン車のアテンダントも、列車が入線した時には、列車に対してお辞儀をする人が多い。


 次の写真は、今年の2月に、博多駅の新大阪行「さくら」を見送るJR九州のアテンダントさんたちだ。「さくら」は鹿児島中央から博多までがJR九州の担当で、博多からはJR西日本と交代する。博多まで乗務した列車と乗客に対して、深々とお辞儀をしていた。

 4人そろってのお辞儀は、すごくカッコ良かった。



 東京周辺の普通列車グリーン車では、東京駅の総武線快速ホームでよく見られる。総武快速が東京駅に到着すると、横須賀線に直通する。アテンダントさんも東京で交代する。

 このため、列車が入ってくる時は、これから乗務するアテンダントさんが深いお辞儀をする。発車を見送りお辞儀する人もいる。

 お辞儀する光景は、見ていて非常に気持ち良い。


【2】お辞儀と手を振るの違い

 「手を振る」というのは、実はかなり大きなハードルがある。

 新幹線や普通列車グリーン車のアテンダントさんが、乗客に手を振ることは、小さい子ども相手の時を除いて、ほとんどない。なぜか。

 1人の客にアテンダントさんが手を振る光景を、他の客が見たとする。仕事中なのに、個人的な知り合いに手を振ってるのか?と思われ、気分良くはないだろう。アテンダントさんは、簡単に手を振りにくい面があるのだ。

 私だって、顔見知りのアテンダントさんに、お辞儀はできるが、手を振ることはまずない。近くに人がいて、立場上迷惑になるかもしれない。こちらから手を振って、スルーされるのも怖い。


【3】職員が旗を振る

 次の写真は「越後Shu*kura」が折り返す長岡駅。職員の人たちが、観光列車が発車する時に、旗を振っている。

 運転士や車掌と顔見知りの職員も多いようで、照れたり仕方ないという表情だったりする人はいなかった。

 もし「手を振る」のが照れくさいなら、「旗を振る」のも良いと感じたのだった。




【4】販売員が手を振る

 八戸線を走る観光列車「リゾートうみねこ」。この中で、車内販売と観光案内をしてくれた「うみねこ おんで隊」の二人。種市駅で降りてからも、列車に向かって大きく手を振ってくれていた。 

 私も乗車していたが、二人の約一時間の丁寧な案内に対して、むしろ乗客たちが感謝の気持ちを込めて積極的に手を振っていた。そして、それに応えているように見えた。




【5】観光協会の方が手を振る

 会津若松駅では、観光キャンペーンをしていた。列車の発車にあわせて、太鼓、ゆるキャラも登場。観光協会などの幹部も出席して、手を振っていた。






【6】地域の住民が手を振る

 「伊予灘ものがたり」が通る五郎駅では、たぬき駅長の看板や着ぐるみで、観光客を歓迎してくれる。




【7】「おもてなし」の方から手を振る

 くまがわ鉄道の「田園シンフォニー」に乗ると、地元の方からの「おもてなし」で停車する。お茶のサービスをした後に、列車と乗客を見送る地元の方々。

 お茶のサービスにふさわしい着物を、わざわざ着るだけでも、大変だったと思う。そういう点でも、気持ちがうれしい。



【8】小学生が手を振る

 「指宿のたまて箱」に乗ったら、途中で小学生が手を振ってくれていた。小学校の校舎の2階からで、非常にうれしかった。




【9】観光客が旗を振る

 「伊予灘ものがたり」が通る線路の近くに大洲城がある。少し遠くて、手を振っても見えにくい距離だから、旗を振って歓迎してくれる。

 面白いのは、旗を振るのは観光客という点だ。観光客が、自ら旗を振る体験をする参加型イベントなのである。




【10】乗客が乗客に手を振る

 バッチリ写ったキレイな写真がなくて、ごめんなさい。

 JR九州の観光列車「あそぼーい104号」と「SLひとよし」は、共に熊本到着が17:14となっている。

 この2本の観光列車は、ダイヤの乱れがなければ、熊本到着直前は並走する。横並びに走って、同時に到着するのである。

 熊本到着が近くなると、客室乗務員は「プラカードを持ってくれる人はいませんか」と案内がある。子どもにプラカードを持たせて、大人の人にも手を振りましょうと呼びかける。

 以前は「あそぼーい」から「SLひとよし」の客に、『あそぼーいにも、のりにこんね』という文字が並んでいた。



 

 山手線をはじめとする通勤電車で、手を振るのは、通常考えられない。

 羽を伸ばして観光路線に乗っていると、手を振る乗客がいる。それが楽しそうで、自分も手を振りたくなる。これが、非日常の解放された気分になるのだと思う。