混雑を予測して対応する~特急草津~【26】 | 車内販売でございます。

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車内販売を15年半で11000回を利用してきた「車内販売大好きな乗客」が書くブログです。 多数の観光列車に乗り鉄しています。

 私は数多くの特急列車に乗ってきた。当たり前だが、私は空いている列車が好きで、大混雑する列車は嫌いだ。確実に座れるなら、1本見送って、1時間後の列車にすることもある。

 実は私は、この20年間、通路まで立ち客多数で、車内販売のワゴンが通れない事態に遭遇したことは一度もない。(長時間立つのが大変だから、乗らずに見送ったことはあるが)



 先日、久々にワゴンが通りにくい列車に乗った。

 土曜日に、始発の上野から特急草津に乗った。私は発車10分前に、上野駅に着いて自由席に並んだ。すぐ扉が開いて、1号車自由席の窓際の席に座れた。車掌は、指定席は全部完売だから、指定席への変更はできない、と放送していた。

 驚いたのは、発車5分前に、後ろからワゴンが進んできたことだ。

 発車と同時にワゴンが進むのは、何度か見たことがある。また、普通列車グリーン車なら、発車前に車内販売を始めるのは珍しくない。しかし、発車まであと5分あり、ホームの売店まで買いに行ける時間帯に、ワゴン販売が始まったのは、初めて見た。

 私はこの時、私の隣に座ろうとしていた子連れの夫婦に窓際の席を譲り、前の席で弁当を食べ始めた人の隣の通路側に移っていた。私は小さい子どもは大好きだが、小さい子の隣で弁当は食べにくい。それに混んでくると車内販売が使いにくいから、むしろ通路側の方が便利という事情もある。



 ワゴンが私の横に来たのは、発車3分前。販売員さんは、なぜか急いでいた。早くワゴンを進めないといけないというような雰囲気を出していた。

 私は、体に優しそうな「たけのこおこわ弁当」900円と、「山形さくらんぼソーダ」170円を買った。この販売員さんは、弁当の写真をパッと取り出し、スムーズに選択肢を示してくれたから、こちらも選びやすかった。




 バーコードの読み取りをしている時に、私は言った。

「発車前にワゴンが来るなんて、早いですね」と。

すると販売員さんは、答えてくれた。

「いえ、どんどん混雑してくるので、今でないとワゴンが通れなくなるかもしれませんので」


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 特急列車が、どの程度混雑するかは、ある程度予測できる。特急草津のような観光地に向かう列車なら、土曜日は混雑しそうだと予想できる。この日は指定席が完売していることからも、指定券が取れなかった客が、自由席に流れてくると予想できる。この予想は、個人でもできるし、仲間の間で伝え合うこともできる。

 この販売員さんは、自由席がかなり混雑すると予想したのだろう。といって、自由席を全く回らないわけにはいかない。売り上げアップを目指さなくてはならないし、車内販売を待っている客もいるからだ。

 そして、全部の車両を回るためには、途中で立ち客が多数出てワゴンが通れなくなりそうな自由席1号車2号車を、真っ先に回るという判断をしたわけだ。

 販売員さんの予想は的中した。

 上野発ギリギリに乗った人は、席が埋まって座れなかった。赤羽、浦和でも少し乗ってきて、大宮からは大勢乗ってきた。自由席1号車だけで立ち客が約20人になってしまった。この混雑では、ワゴンが通るのは無理だ。


 私は高崎まで行く予定だったが、熊谷で降りた。私の席は、温泉旅行に行くと思われる老夫婦が座った。車内販売の弁当を食べたから、新幹線に乗り換えることにした。


 ワゴン販売は、グリーン車が先で、自由席はあとのことが多い。高い料金が必要なグリーン車の客に、1段上のサービスを提供するという発想から、「グリーン車の客に待たせない」「主に弁当の品切れを避ける」ためだと思われる。

 確かにもっともだが、時と場合によって、臨機応変に対応したい。

 たとえば、今回の草津のような7両編成なら、真ん中4号車グリーン車から車内販売を始めると、こういう順番になる。

 4号車→5号車→6号車→7号車で折り返して→6号車→5号車→4号車→3号車→2号車→1号車

 これを下りの先頭7号車からスタートさせると

 7号車→6号車→5号車→4号車→3号車→2号車→1号車

 これだと全部の車両を一通り回るのが早くなる。今回のように、1号車自由席から始めても、最短距離で一回りすることができる。

 絶対にこの順番が良いというのが決まってているわけではないが、混雑度などの条件を考えて、決めたい。

 これとは別に、複数の販売員がいるなら、1人は単品販売を始めることもできる。東海道新幹線で見たのは、カゴにコーヒーと朝のサンドイッチだけを載せた車内販売だ。数多くの品を載せたワゴンより、単品販売の方が2倍くらいのスピードで進むことができる。混雑しても、ワゴンよりは通りやすい。

 

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 この日の特急「草津」ワゴンも、新幹線の3段ワゴンより一回り小さい2段ワゴンだった。

 車両は、昔の「スーパーひたち」車両。


 古い車両ではあるが、座り心地は悪くない。下の写真は、この日は大混雑だったので、別の日に撮ったもの。


 「草津」の車内販売は、上りも下りも上野~高崎間だ。

 今回のような、腕が良くて創意工夫ができる販売員さんなら、気分よく車内販売を利用できる。

 温泉旅行の初めと終わりに携わる車内販売員さんは、良い旅行の思い出になるように頑張ってほしい。  


≪追加≫今日は3月11日。東日本大震災に関する記事は、こちら。

大震災後のグリーン車運行

http://ameblo.jp/syanaihanbai/entry-11599920552.html

被災地に足を運んだ時の話

http://ameblo.jp/syanaihanbai/entry-11748403189.html

http://ameblo.jp/syanaihanbai/entry-11938709938.html