札幌と帯広を結ぶ特急が「スーパーとかち」だ。石勝線経由で約2時間50分かけて走る。
5両編成で、1号車がグリーン車、2~4号車が普通車指定席、5号車が自由席だ。自由席は1両だけだが、これは帯広・札幌間を往復する客は指定席往復割引切符(Rきっぷ)の方が安いという事情もあり、これでほぼバランスは取れている。
自由席は、チケットホルダーがない等ややグレードは落ちるが、リクライニングシートでテーブルつき。十分くつろげる。
グリーン車は、こちら↓。
3列座席でゆったりしていて快適だ。高い料金が必要なだけのことはある。
グリーン車には、飲み物の無料サービスがある。私はホットコーヒーを頼んで、おしぼりと共に渡された。
今回、北海道に出かけた最大の理由は、「スーパーとかち」で車内販売を利用するためだ。
2014年10月末で、「スーパーとかち」のワゴン販売は、終了してしまった。そして来年1月1日からは、完全に車内販売は廃止される。
この11月12月の2か月間は、移行措置のような扱いで、規模を縮小して、1号車で売店の営業をすることになっている。
「廃止される前に一度は『スーパーとかち』で利用したい」のに加えて、「珍しい売店営業は今しか見られない」という2つの想いがあり、今回出かけることにした。
缶ジュース、ホットコーヒー、ビール、弁当、サンドイッチ、お菓子など、ワゴンより品数は少なめだが、一通りそろっている。雑誌やグッズも置いてある。
売店は、グリーン車横の1号車にある。車内販売の準備室のような場所で、売店の営業、公式な表現は「待受販売」をしている。
「スーパーとかち」5号車の自由席から、1号車は本当に遠い。
もともと、JR北海道の客室乗務員は、車内販売をする仕事と、グリーン車の乗客に飲み物・おしぼりなどをサービスする仕事の両方をすることになっている。だから、グリーン車横に客室乗務員が常駐するのが便利なのだ。
今年の5月に乗った「スーパーおおぞら」は、客室乗務員が2人でワゴン販売とグリーン車サービスを行っていた。1人だと、両方をするのは困難なため、待受販売になったようだ。
帯広行に乗って、新札幌と南千歳のちょうど中間で、売店に行った。すると、グリーン車の客に飲み物を用意していて、上のような表示がされていた。
『おしらせ 大変申し訳ございません。只今グリーン車サービスを行っておりますので、少しの間、お待ちくださいませ』
私は10分ほど離れたデッキで待って、ようやく売店が開き、買うことができた。客室乗務員一人だと、大変だ。
この2日間で、私は「スーパーとかち」に5回乗った。そして売店を、全部で4回利用した。
★1回目はポカリスエット(130円)
札幌行に、南千歳から乗ったら、売店は閉まっていたが、「飲み物なら良いですよ」と言ってくれた。
★2回目はサンドイッチとコーヒーのセット(680円)
ホットコーヒーを、揺れる車内で1号車から5号車に持っていくのは、正直きつい。
★4回目は、カフェオレデニッシュパン180円。グリーン車だったので、無料のコーヒーつきだ。
今回、待受販売(売店)を利用して感じたことは、次の2点だ。
【1】待受販売は、不便
すぐ隣の車両ならともかく、3.4.5号車から買いに行くのは、やはり不便だ。特にホットコーヒーを買いに行くのは、揺れる車内では無理と言える。
放送による案内も少しだけで、実際に利用者は少なかった模様だ。
【2】車内販売廃止で、スーパーおおぞらとの格差が拡大。
特にグリーン車は、同じ料金払うのに、飲み物・おしぼり・毛布などが無しというのは、痛い。グリーン車を普通車にした方が良いと思う。先頭車で切り離すわけにいかないから、普通車に改造するか、スーパーとかちグリーン車限定の割引切符で利用拡大を目指すかの、二者択一ではないだろうか。