幻のパン~~北条鉄道 | 車内販売でございます。

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車内販売を15年半で11000回を利用してきた「車内販売大好きな乗客」が書くブログです。 多数の観光列車に乗り鉄しています。

 車内販売を行っている各地の私鉄・第三セクターは数多いが、ほぼ8割は利用した。

 残っているのは、たとえば津軽鉄道のストーブ列車がある。冬の本数限定の列車だが、時間さえ確保できれば、今度の冬にでも乗車して、車内販売の利用はできそうだ。



 こんな中で、攻略したいが困難を極めているのが、兵庫県の北条鉄道だ。北条鉄道は、加古川線の粟生駅から北条町駅までの13.6kmを、ディーゼルカーで約22分で走っている第三セクターだ。

 8月末に乗りに行ったところ、1両編成でのんびりと走っていた。気分がのんびりした理由は、車内に「すず虫のカゴ」が置いてあったことが大きい。網棚の上から、すず虫の鳴き声が車内に聞こえる。すず虫の声をBGMに田園地帯を走る・・・これは気分良い。



 実はこの北条鉄道、2011年までは、土曜休日限定で、車内販売を実施していた。車内では、チョロQ、ピンバッチ、マグカップ、おせんべい、はちみつを販売していたそうだ。

 当時の公式ブログ↓では、車内手販売が行われていた様子が分かる。

http://ameblo.jp/hojorailway/entry-10760768295.html

 しかし現在は、車内販売が行われなくなった。車内販売のマニアにとっては、残念だ。



 と、ところが・・・・

 北条鉄道の車内では、別の種類の車内販売が、完全に不定期ではあるが行われているのである。

 売られているものは、他の路線ではまず見られない「パン」である。

 北条鉄道の駅の一つ「法華口(ほっけぐち)駅」の駅舎には、パン屋さんが入っている。「駅舎工房モン・ファボリ」という米粉パンを焼いて販売する店が、入居している。

 1時間に1本で1両編成の路線だから無人駅なのだが、その駅舎でパン屋を営業して、パン屋さんの方がボランティア駅長になっているのである。列車が発着する時は、手を振ってくれて、地元では名物になっている。

 背筋を伸ばして列車と乗客に手を振る女性のボランティア駅長さんは、とてもカッコ良い。

 私が出かけたのは、地元関西のテレビなどでも取り上げられた直後の夕方だったため、すでに客が大勢来た日だった。パンが完全に売り切れて、1個も買えなかった。残念無念だ。(このためパンの写真は撮れず・・・検索すればフェイスブックには写真がある。「法華口 車内販売」で検索できる)

 このパン屋さんを目当ての観光客も来ていたが、その多くは自動車の利用で、北条鉄道を利用しないで帰って行った。確かにマイカーの方が便利かもしれないが・・・。



 このように、北条鉄道と密接な関係にあるパン屋さんなのだが、何せ小規模で小回りの利く鉄道だ。

 パン屋さん「駅舎工房モン・ファボリ」が、「今日、車内販売をしたいのですが・・・」と北条鉄道にお願いすると、許可が出るとのこと。

 すると、気まぐれで、パンの車内販売が始まる。毎週何曜日などと決まっていれば、パンの車内販売に合わせて出かけられるが、決まっていないわけだから、攻略は難しい。

 わたしは関東の住人だから、年に2回くらいある関西に出かけた際に、ついでにダメ元でフラッと寄ろうと思う。そしてすごく運が良ければ車内販売を利用できるということになる。また出かけるぞ!

 この「幻の車内販売」、利用できる日は、いつのことだろうか。