私が初めてグランクラスを利用したのは、グランクラスが連結されてから1年以上たってからだった。それまでは、料金が高いのと、満席のことが多いので、なかなか利用することがなかった。
2012年の5月に初めてグランクラスに乗る機会が来た。
テレビで南三陸町の合同庁舎が解体される予定だと報道された。これを聞いて「解体される前に手を合わせたい」と思い、現地に向かうことにした。
始発の東北新幹線の自由席で仙台に。そしてバスで南三陸町の中心部に向かった。バス停から降りると、壮絶な光景が広がっていた。
大震災から1年たっており、すでにガレキは撤去されていた。しかし、橋や道路の工事関係者しかいない。その一帯には合同庁舎以外はほとんど何もない。異様な雰囲気だった。
観光バスが合同庁舎前に到着した。多くの人は静かに手を合わせていたが、笑顔でVサインで写真パシャという人もいて、めげた。
被災した志津川駅の様子。よく見ないと、ここが駅だったと気づかない。
2時間後の次のバスで帰るつもりだったが、2時間もいたら気がおかしくなりそうな気がして、30分後のバスに急遽変更した。
ここまでは前置き。
こんな気分で、帰りの東北新幹線の指定券を買おうとした。仙台駅で指定券券売機を操作した。
神妙な気分になったため、豪華なグランクラスを利用しようとは思わなかった。高価なグランクラス料金を払うには、やや短い距離だったこともある。
指定券券売機を操作したところ、驚いた。次のグランクラスはほぼ満席だが、1本あとだと完全に空席になっていた。北海道方面からの白鳥の接続がないからなのか不明だが、完全に1室独占できる・・・。乗ることを決断した。
あと1席直前に売れたようで、私の乗ったグランクラスは乗客2人だけ。仙台から東京まで、洗練されたサービスを受けられたのだった。短時間で高価だったけど、もったいないとは思わなかった。
丁寧な接客、自然な笑顔・・・・・さすが最高峰のグランクラスだと感じた。
サービス内容は、こちら↓
http://ameblo.jp/syanaihanbai/entry-11683113741.html
グランクラスに乗って、合同庁舎の姿は悲惨で強く脳裏に残ったが、気分が沈むだけでなく、その後の元気が出てきたのはありがたかった。