【釈 正輪 メルマガ 5月28日号】 日々是好日 | 自灯明寺

自灯明寺

釈 正輪 オフィシャルブログ


【親鸞と浄土真宗】
 先週の火曜日、義父の葬儀がありました。
享年九十五歳の大往生でした。
義父の実家は代々地方寺院の浄土真宗大谷派の檀家総代をしており、敬虔(けいけん)な門徒でした。

 宗派は違えどわたくしも自宗派の御衣を纏い参列しました。ありし日の義父とはよく仏教談議を交わし、浄土真宗や開祖、親鸞上人の話を聞かされました。そのような仏縁もあり、浄土真宗ではなく、親鸞という一人の僧侶にとても関心を抱きました。

 実はわたくし釈正輪は、浄土真宗西本願寺の僧侶資格を得ているのですが、それは平成七年に大阪府豊中市内に建立した寺院が、単立の宗教法人であるため、檀信徒の方々の仏事には宗旨宗派は問わない方針でした。
依って浄土真宗の信者が多い当寺院での法要を、わたくしがする機会も多い為に、やむを得なく資格を有したような次第でした。

 今回は、親鸞開祖の浄土真宗について簡単にご説明いたします。

 先ず浄土真宗では西本願寺や東本願寺に関わらず、浄土三部経を本経といたします。浄土三部経とは、阿弥陀経、無量寿経、観無量寿経のことです。

 釈迦の教えを書き残した経を全てまとめて一切経といいますが、その数は凡そ七千余巻といわれています。

そのお経の中でも最も大事なお経が三つあると浄土真宗ではいいます。

 一つ目の阿弥陀経は「小経」とも言われ、阿弥陀仏のいる極楽浄土の荘厳で美しい様子や、阿弥陀仏の名前の由来について説かれています。
お釈迦様が投げかけられた質問に対して答える形式のお経が多い中で、阿弥陀経はお釈迦様が自ら説いているという点が特徴的なお経です。

 二つ目の無量寿経は「大経」とも言われ、浄土三部経の中でも根本となるお経であると、親鸞は位置付けています。

 三つ目の観無量寿経は「観経」とも言われ、インドのマガダ王国の王の妃である「韋提希(いだいけ)」夫人へのお釈迦様の説法が記されています。
息子によって牢獄に幽閉された夫人に、お釈迦様は阿弥陀仏による救いについて説きました。その結果、夫人は自分に向き合い、苦しみから解放されたのです。

 その三つの経をかいつまんで言うなれば、「阿弥陀如来は、本願(すべての人を救うという誓願)を立てられた」ことを説かれているというものです。

 また日々のお勤めで読誦する『正信偈(しょうしんげ)』は、正式名称を「正信念仏偈(しょうしんねんぶつげ)」と言い、親鸞が著した「教行信証」の一部です。

お経は釈迦の説法を記録したものですが、「正信偈」は、親鸞自身が阿弥陀如来によって救われたことや、阿弥陀如来の徳を歌にして讃えているのです。そしてその内で、すべての人が自分と同じように、阿弥陀如来によって救われてほしいという願いが綴られているのです。よってお経ではないのです。

 皆が親しみ易いよう西本願寺でも東本願寺でも、この正信偈にはそれぞれ独特なメロディがあります。ただし、お経をもとに仏教の真髄をとらえた著書が「教行信証」であるため、それをさらに凝縮した「正信偈」は、お経に準ずるものであると、浄土真宗では考えられているようです。
 
 仏縁とは不可思議なものです。義父の影響もあり、親鸞の思想に触れる機会を得たわたくしに、各浄土真宗(西・東本願寺)の寺院より、説法会の依頼が来るようになりました。
先週末の金曜日の晩に永代講法話と、土曜日早朝の暁天説教会をさせて頂きました。

 煩悩による欲望や怒り憎しみ、そして無知などによる心の乱れが、苦しみを生み出します。
親鸞はこれらの煩悩に素直に向き合い、それを超える術を信心に見い出しました。
親鸞は煩悩を完全に克服するのは難しいと認めつつも、揺るぎない信心により、煩悩の束縛から解放されることができると言い切っているのです。

 自身と向き合い、豊かな精神性を育むことは、よりよい人生を歩む大切な手段であり、その道には二通りあります。
一つは、自身で厳しい修行や鍛錬といった行為が必要ですが、これは一般人にはとても困難な道です。よってこの道を「聖道門」といいます。

 親鸞は困難な道だからこそ、誰もが救われる道が必要であると説きます。
二つ目のその道は「阿弥陀仏の救済」による「他力」の道を信じ切ることだというのです。この道のことを「浄土門」と言います。

           合掌

  一切衆生は、必ず仏に成る
(すべての生きとし生けるものが仏になれる)

              愚僧 親鸞

                 釈 正輪 拜






クローバー講話会

◯6月3日(月)19時より
 東京都中央区 新富区民館
◯6月4日(火)12時より ランチ講話会
 横浜市青葉区あざみ野

どなたでもご参加いただけます。
お気軽にお越しください。

※講話会では著書【目覚めよ 日本人】を販売しております。

ちょうちょツアーのお知らせ

6月17日(月)日帰り鎌倉ミステリーツアー
7月7日(日)竹寺でのご祈祷と滝行ツアー

クローバー記載責任者

シャムロッククリエイティブ株式会社

釈正輪 秘書 赤荻由那

http://www.shamrock-creative.com

info@shamrock-creative.com