球根は胃癌卓効
ヒメヒオウギズイゼン
アヤメ科ヒメトウジョウブ属の多年草。
園芸名モントブレチア。
南アフリカ原産。
ヒオウギズイセンとメトウショウブの交雑種。
日本には明治の中頃、
佐渡には大正時代渡来。
庭に植えられるが人里に野生。
夏、
枝先に緋赤色の小花。
佐渡方言キンギョソウ。
薬効
胃癌に著効。
一回量は球根、
大1個を米粒大に切るか、
すりおろして180㏄の水に入れ、
弱火で沸騰したら火を止め飲む。
一日3回煎服。
鹿児島県川内市東向田の渡辺内科医院の老医師の渡辺国象先生。
梅雨の頃、
同病院を訪れた患者の一人が、
庭に咲いている一株の赤い花を指して、
「あれは”癌の花”ですね」と言ったのにヒントを得て、
その球根を胃癌の患者に飲ませたところ、
3週間ほどで治ったというのが最初の治療例。
この記事は日本農業新聞の昭和59年2月に搭載されたが、
全国からの問い合わせが相次ぎ、
その後「痛みがとれた」、
「腹にたまった水がなくなった」などの、
癌の特徴的な症状が柔らげたり、
治ったりした例が数多く寄せられているという。
さて「癌の花」と呼ばれる花は、
庭に良く植えられているヒメヒオウギズイゼンという園芸花である。
南アフリカ原産。
佐渡には大正時代に渡来し、
庭に植えられたが、
今は野生品も多くみられる。
7・8月に枝先に緋色の6弁のジョウゴ形の小さな花を多くつける。
花は赤い金魚にそっくりで、
佐渡ではキンギョソウと呼ぶ。
今年(平成4年)の6月25日の日本農業新聞に、
次の投稿文が掲載された。
「母が末期の胃癌で、
日夜激痛に悩まされています。
ヒメヒオウギズイゼンの球根が効くとのことで服用させましたところ、
3日目位から痛みが薄らぎました。
手元に球根わずかしかなく、
球根お譲りくださる方、
どうぞご一報ください」と。
新潟県新潟市加藤さんの投稿である。
この投稿をみた金井町中興の江口さん、
早速球根を送品した。
加藤さんから江口さんに礼状が届けられたが、
ご了解を得て紹介させて頂く。
「全国の皆様より、
球根、
薬草、
励ましのお手紙等、
150件にも及ぶ心尽くしをいただき、
ありがたく深く感謝致しております。
本来ならば皆さまにお逢いし、
直接お礼申し上げるべきでございますが、
なにぶんにも多くの皆様のご厚情、
又、
母の看病に明け暮れておりますためそれもかなわず、
失礼をいたしておりますことお許しくださいませ。
おかげ様で、
嘘のように痛みから解放され、
穏やかに会話もできるようになり、
病院内を散歩できるまでに回復いたしました。
本当にありがとうございました。
私たちもこんなに回復の早い母の病状に狐につままれたような驚きと、
母の命に希望がもてることに大変喜んでおります。
尚、
服用の仕方のおたずねが多くありますのでお知らせ致します。
球根一個(大)を米粒大に切るか、
すりおろして180㏄の水に入れ、
弱火で沸騰しましたら火を止め、
冷ましてから、
そのままか、
胃の弱い方はガーゼで固く絞って飲ませます。
一日に3回位飲ませてよいそうです。
飲みにくいものではありません」。
「佐渡薬草風土記:伊藤邦男」
(1993)
引用させていただきました