ガマズミ

赤い実は豊年の象徴

 



ガマズミ


レンプクソウ科ガマズミ属の落葉高低木。

山野の林緑に多い。

ガマズミ(葉は荒毛)と同種のミヤマガマズミ(葉表無毛)を区別せずガマズミと呼ぶ。

佐渡方言はガナズミ・ガナズンビ

・アカママ・ベン・ベンノキ・コバン(ムシカリの方言 大判 に対して)。

花は白色で散形につく。

果実は赤色。

果実は生食。

果実酒。

実の黄色のキノミガマズミ(品種)も自生するが稀産。

 

 



 

秋の夕映えの中で輝くガマズミの実。


それは神の与えてくれたまばゆいばかりの真紅の実である。

ガマズミを「神つ実(かみつみ)」とした古代人の思いが心に伝わってくる。
「ガマズミが赤く沢山付いた年は豊作」

と小佐渡の山村、

小倉の村人は言う。

虫に食われず赤い実がタワワについた年は、

確かに豊作である。

稲作も良かった。


ヤマブドウも
ヤマナシ(ナツハゼの実)も栗も豊作だった。

これを象徴するように、

ガマズミの真紅の実がタワワに房となり輝くのである。

 

 

{佐渡史}1816年に
「山中自生にガマズミあり 

秋月実を結ふ 

南天の実より観つべきものあり 

山家の小児熟するを待て採り食ふ」

とある。
江戸時代だけでない。

明治・大正・昭和の”小児も熟するを待て採り食ふ”たのである。

 

 

うまい物がママ(飯)である。

子供達にとって生食したイワユリの球根がユリノママであり、

アマナの球根がムギノママであり、

ガマズミの赤い実がアカママ(米郷の方言)である。

ガマズミは「カガツミ」すなわち「赤く輝く実」から由来した名でも有るという。

 

 

二見ではこの木をベンの木(紅の木)実をベン(紅)と呼ぶ。

赤く熟れた実は甘酸っぱい。

かつて子供達はベラ(舌)をベン(紅)色にさせてよく食べた。

 

 

山菜料理、

果実酒づくりの活動をつづける畑野町小倉婦人学級の学級員の

中村厚子さんによれば

 

「ガマズミ酒は真っ赤で輝くような美しい酒。

霧のかからない赤い実よりも霧のかかった、

採るとくずれるような熟して赤黒い実で作った酒は、

とろけるような味となる。」と。
 

 

「佐渡山菜風土記:伊藤邦男」

(1992)
より引用させていただきました