『ストレスで増加するホルモン「コルチゾール」と糖尿病の関係とは』
(http://糖尿病の治療と予防ナビ.com/%E6%B2%BB%E7%99%82%E3%81%A8%E4%BA%88%E9%98%B2%E3%82%B3%E3%83%A9%E3%83%A0/%E3%82%B3%E3%83%AB%E3%83%81%E3%82%BE%E3%83%BC%E3%83%AB%E3%81%A8%E7%B3%96%E5%B0%BF%E7%97%85/)
糖尿病に関係するホルモンにはインスリン(血糖値を下げるホルモン)、グルカゴン(血糖値を上げるホルモン)だけでなく、コルチゾールという主にストレスに関係する副腎皮質ホルモンも大きく関わっています。
このコルチゾールは普通は毎日一定量が分泌されます。ですがストレスを受けた時に更に過剰に分泌されるホルモンなのです。コルチゾールを過剰分泌させない事も糖尿病患者が血糖値コントロールをする為に必要という事です。
ストレスと言えば、大抵心理的にショックを受けた等の外的・環境的なものを想像してしまいがち。
実はここに糖尿病患者が大きな間違いをする落とし穴があるのですね。
「糖尿病ネットワーク」でも、次のような記事があります。
『ストレスが糖尿病治療を難しくする ストレスをコントロールする方法』(http://www.dm-net.co.jp/calendar/2013/020998.php)
確かにストレスホルモンと言われる「コルチゾール」は、心理的ストレスに晒されると過剰に分泌されます。それを防ぐ為にリラックスすることは勿論大切なのですが。
ですが、外的なストレスだけでなく内臓がストレスを受けた場合も過剰に分泌されるのです。特に脳。それが「脳にブドウ糖が足りないと判断されるストレス」です。脳へのブドウ糖供給不足は言わば脳のストレスと理解すれば分かりやすいと思います。
では、こちらのサイトを何度も読み返して欲しいと思います。
『睡眠やうつ病にも関係するストレスホルモン「コルチゾール」とは』(http://www.human-sb.com/cortisol.html)
糖新生の促進・血糖値の上昇(抜粋)
糖新生とは、筋肉中のタンパク質をアミノ酸に分解して、肝臓でグリコーゲンに変えて、グリコーゲンをブドウ糖に合成する働きです。ブドウ糖は脳の活動エネルギーとして使用されており、ブドウ糖が不足するような絶食時や飢餓状態には『糖新生』が起こって筋肉が分解されます。
また、絶食時や飢餓状態で、脳が栄養不足に陥いることで生命維持が困難になるのを防ぐため(脳が効率的に糖分を使用出来るようにするため)、コルチゾールは脳以外の組織でブドウ糖の使用されるのを制限し、血液中の血糖値を上昇させます。
更に、
睡眠中の分泌(抜粋)
人間の体は睡眠中でも活動しており、常にエネルギーを消費し続けます。睡眠中は肝臓に蓄えられたグリコーゲンや、体内の脂肪などを分解してエネルギー源にしています。睡眠中に脂肪の分解を行うのが、成長ホルモンやコルチゾールです。
深い睡眠とされるノンレム睡眠時は成長ホルモンが、浅い睡眠とされるレム睡眠時はコルチゾールが、それぞれ体のエネルギー消費を支えるために脂肪を分解するために分泌されます。
こうして、脂肪の分解や栄養素の代謝を行うことから、コルチゾールは睡眠中のダイエットにも効果のあるホルモンであると言われています。
体内時計と同調して分泌(抜粋)
コルチゾールの分泌量は、体内時計や自律神経系の働きと同調しており、一般的にコルチゾールは一日のうち、朝(起床直前から起床後一時間程度の間)に特に多く分泌されます。これは、起床と共に交感神経を刺激して、血圧を上昇させることで、体が素早く活動出来るようにさせるためと考えられます。
起床後、コルチゾールの分泌量は日中の活動が活発な時間帯は高値をキープし、夕方から夜になるにつれて分泌量は下がっていき、就寝前に最低値になる、一定のサイクルを刻みます。
ところが、不規則な生活を続けたり、過度のストレスを受け続けると、体内時計や自律神経系の働きは乱れ、コルチゾールの分泌も過剰になってしまい、副腎疲労を起こす原因となります。
これらをまとめると、糖質制限ばかりでなく体内時計を乱す朝食抜きもブドウ糖供給に一番敏感になっている朝の時間帯にブドウ糖が不足するので糖新生が起こりやすく、筋肉は削られ血糖値も上昇するという事になります。Ⅱ型糖尿病患者が朝食抜きをしては非常に都合悪いのです。
糖質制限を妄信すると絶対よくありません。
出来るだけ血糖値を上げたくないので朝食を抜く
(ブドウ糖が不足しコルチゾールが体内で過剰分泌されるので無意味、糖新生が起きれば血糖値が上がるので無駄なだけ。
↓
朝の糖新生を避けようと夜食を摂る(無理に食べ物を胃腸に残そうとする)
(結果睡眠不足等、体内時計に逆らってどんどん食生活が乱れていく)
これでは体に良いはずがありませんね。
しかもコルチゾール過剰分泌による糖新生は膵臓のインスリン分泌を抑制する為にインスリン抵抗性を強めるので、Ⅱ型糖尿病患者には泣きっ面に蜂状態です。健全者でもⅡ型糖尿病のリスクを高めるだけです。
Ⅱ型糖尿病患者の糖質制限やMECの実践ブログを見れば一目瞭然。中には上手にコントロールしているブロガーもいますけれど、大抵が朝食を抜くか飲むだけ。
最早有名ですが、毎朝MEC儀式の油脂飲みをして暁現象を起こしているアホなブロガーもいる始末。
尚、脳はブドウ糖でなくケトン回路でも栄養を摂れると勘違いしている糖毒バカが多いのですが、コルチゾールがケトン回路までチェックしている確固たるエビデンスは今のところありません。脳が栄養不足かどうかを判断するのはブドウ糖の量だけです。
Ⅱ型糖尿病患者の血糖値コントロールというのは、単に血糖値を下げればいいというものではなく、耐糖能を向上させつつ、代謝改善をするのが本来の目的です。
インチキな糖質制限で血糖値を下げても代謝改善に繋がらなければ苦労が水の泡ですので。
糖尿病の教育入院で血糖値を上げる白米を食べさせる本当の理由が分からないまま、富山のおばはんのように「なんちゃって糖質制限」に逃げ、最早手遅れで合併症の恐怖に怯えながら余生を全うする状態になってしまうのは余りに悲惨でありまする。
さて、ダイエッターとしては気になる記述がありましたね。
「脂肪の分解や栄養素の代謝を行うことから、コルチゾールは睡眠中のダイエットにも効果のあるホルモンであると言われています」
糖新生を起こすと、それだけ無駄に脂肪を燃焼する為の筋肉を減らします。これを避けてコルチゾールの特性で睡眠中に効率良く脂肪燃焼させるにも、朝食が欠かせない事になります。今回はⅡ型糖尿病患者向けネタでしたが、健全者向けとしてまたの機会に。
実は私が朝食から高糖質(デンプン質)全開なのはこれも考慮しているんですね。では。