本日午後３時、ボスから署の全員に
連絡がはいった。
「マズル刑事、失踪！
現在、連絡不可能状態！
連絡がついたものは、すぐに
私（ボス）に知らせること」
署内で報告書を書いていたマドンナも
潜入捜査先のサーカスにいた
ミケット刑事も、
有給をとって、北海道に行っていた
たまさんも、驚いた。
出張で、広島に来ていた署長まで
目を丸くした。
「失踪！」
「失踪っていうか、誘拐？」
「こんだけ長く刑事をしてたら
恨みも買ってるさ」
「まさかもう、、
山の中！？」
「いったいいつから？」
みんな各所で、不安を募らせる。
連絡しなきゃいいのに
ミケット刑事が
「もしかしたら、
和菓子屋の親父さんなら知ってるかも」
と、和菓子屋にまで連絡してしまったから
町は大騒ぎ。
「なんだって？
マズルちゃんが、誘拐！？」
「大変だ！マズルちゃんが！」
「お父さん、町の人に」
「だな、畳屋の息子が、消防団だ！」
「おとうさん、、マズルちゃんになんか
あったら、、涙、、」
「馬鹿野郎！泣くんじゃねえ、、
まだ、マズルちゃんが
殺されたとは、限らない！」
「殺されたって、、おとうさん、、
そんな、、、、ああああ」
「馬鹿野郎！例えばだ」
「そんな例え、いらないよおお
ああ、、、マズルちゃん、、」
この親父さんの、
息子同然のマズル刑事が、
誘拐されたかも！の話は、
町中を駆け抜け、
隣の町の消防団まで、駆けつけた。
「こんな時な、警察は当てになんねえ、、
前に隣町の子が迷子になった時も
見つけたのは、うちの町の
消防団の皆さんだ、、
頼んだぜ」
「任しといてください、
親父さん、草の根かき分けたって
探し出します」
「あれだ、、猟銃やってるだろ。
撃ち合いになったら、
恒さん、あの仲間も、必要じゃないか？」
「いや、それくらいになったら、
警察が動くだろ、、」
「マズルちゃんは、刑事だから、、」
「馬鹿野郎、マズルちゃんは
自分になんかあっても、
SOSとか出すような男じゃないんだよ。
だ、か、ら、こっちが先回り
してやらなきゃ、、、」
もう、町内は、大騒ぎ。
そして夕方。
ミケット刑事を始め、
署のみんなにボスから連絡があった。
「マズル刑事と連絡ついた。
何回も緊急！と連絡してるのに
返事がないから、、、あいつ
署にスマホを忘れて行ったから
連絡がつかなかったんだ。
今、本人から、俺に電話があった。
今から、スマホを取りに来るそうだ」
「え！」
「誘拐じゃないの？」
ミケット刑事はマドンナに連絡。
「やばい、大げさにしすぎた、
誘拐でも失踪でもなく
スマホを署に忘れただけだった」
「ええ！もう、今、街で、
和菓子屋さんが、ビラを配ってるわよ」
「えええええええええ」
サーカスショーの時間になって
動けないミケットの代わりに、
慌てて、和菓子屋に向かったマドンナ。
「すいません、
ミケット刑事と私が早とちりして」
「マズル刑事と、連絡取れました」
「え！」
「マズルちゃん、無事なのかい？」
「お父さん！、、
マズルちゃん、無事だって、、」
「あああ、、、よかった、、
くそお、、涙が溢れて
前が見えねえ、、」
マドンナは、穴があったら、
入りたい気持ちになった。
その頃マズル刑事は、、、
よかった、スマホなくしたのかと、、
よかった、、よかった、、
と思いながら、１本の映画を思い出した。
「グラントリノ」少年と軍人の心温まる
物語。血の繋がりより、深い絆、、
そういえば、和菓子屋の親父さんと
俺は、血は繋がってないけど、
深いつながりだな、、と頭に浮かぶ。
親父さんの店に寄ってみるかな、と
ふらふら現れ、
店を開けたとたんに
二人に喜ばれるのであった。
そしてその頃、、
町の人たちは、、、
「和菓子屋の親父さんの
息子同然のマズルちゃんを探すぞ！
見つけるまで探すんだ！」
「オーー！！」
「オーーー！！」
まだ、探しているのであった。
（お気の毒すぎる）
...........マズル刑事のオススメ映画..............
「グラントリノ」
単調な毎日を過ごす元軍人のウォルト。
妻を亡くし子供とも疎遠な彼が、
愛車グラントリノが、ギャングに
盗まれそうになった事をきっかけに、
モン族の少年と出会う。以来交流
続くが、少年はギャングとの諍いに
巻き込まれる。少年の未来を守るために
ウォルトがとった行動とは。
男の生き様が渋い
ヒューマンストーリーに、
マズル刑事も涙ポロン。
お騒がせの刑事！！彼の
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あ、、！！！
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