京阪千林駅の改札を一歩出ると、そこはすでに世界に名だたる千林商店街の一角である。

あまりの広さに迷子になるかも知れないが心配は要らない。至る所に『おばちゃん』がいる。彼女たちに尋ねれば、角の薬局のおやじの中学時代のあだ名から隣の家の晩ご飯のおかずまで、何でも教えてくれるに違いない。ましてや商店街のことなら知らぬことなどないはずだ。行き先を告げれば、どんな場所でもおばちゃんネットワークを駆使してたちどころに案内してくれることだろう。(たぶん)


さて、駅を出たなら、迷わず正面にそびえる丼屋とうどん屋の間の路地に入り、商店街よりもさらにディープな千林を左右に感じながら奥に突き進もう。やがて右手にこの地にピッタリな電飾看板が現れる。


これだ。

Like cool,man,cooool!


なんと言っても『おもしろPUB』である。

いかがわしさ満点だが大丈夫。

本当に面白い。このお店。


店の外観はこんな感じ。

Like cool,man,cooool!


階段を上がると入り口の前にはテラスがあり、テーブルとイスが並べてある。そこは園芸用肥料の香り漂う喫煙所でもある。

そう。基本的に店内は禁煙なのだ。(7月のライヴの時は店内で喫煙したような気がするが・・・)


ドアの内側からは、嗚呼これまたこの地によく似合う演歌が漏れ聞こえてくる。

ご近所の紳士淑女が、真面目に歌唱の上達を願い、また競い合う神聖な場所である。

しかし千林だからと言って演歌だけとは限らない。ここは守口が生んだ世界のスーパースター、ミラクルヴォイスの絢香も高校時代に通っていた店なのである。


『あなたも絢香と同じステージに立ってみませんか?』

などという陳腐な宣伝文句を謳わないところがこの店の良いところ。

でも気になるに違いない。いったいどんな店内なのか・・・。


というわけで早速店内を紹介しよう。

奥がステージである。

Like cool,man,cooool!


これはステージから見た客席。

Like cool,man,cooool!


はっきり言ってカラオケ喫茶のレベルではない。

ステージはライヴハウス。客席はラウンジである。我々のような爆音系バンドが演奏しなければ、ゆっくりくつろげる空間であるに違いない。

ぜひともここでデューク・エイセスを観て(聴いて)みたいものである。(もちろん千林商店街のテーマソング)


お店のマスターとママ(と呼んでいいのか?)は、もうめちゃくちゃフレンドリー。

あれ?この店、子供の頃から通ってたっけ?という錯覚に陥るほどである。

ちなみにここ、カラオケとバンド演奏だけではなく、レコーディングに利用される方も多いとのこと。

照明も凝ってるし、演奏中はミラーボールがキラキラ輝き、スモークがもくもく。

もう利用方法はあなた次第。日本一安いと評判の商店街で買い物した帰りは、ここでちょっと一服。


「あなたも一曲いかがですか?」

「あら、そう?じゃあ遠慮無く」

感謝の礼をしたあとは、さあそのステージはあなただけのもの。陶酔するのはあなたの勝手。思う存分弾けよう。


ひとときのスター気分に浸ったあとは「さ、晩ご飯の準備しよ!」ってな感じで家路を急ぐなり、買い物の続きをするなりお好きにどうぞ。


このように生活感バリバリの商店街で、思いもよらぬ非日常性を満喫してみるのもお勧めのプランだ。



ではSWINGMASTERのライヴの模様で、ステージの演出を紹介しよう。

もちろん静止画である。


出だしはこんな感じ。おとなしめに・・・。

Like cool,man,cooool!


だんだんと妖しい雰囲気が立ちこめてくる。

この頃にはもうステージから客席がほとんど見えない。
Like cool,man,cooool!


か、火事か!?いやスモークだ!カクテル光線が突き刺さるぜ!

Like cool,man,cooool!


こんな感じ。


ほんと、楽しいお店。






                               Like cool,man,cooool!





基本的にエレクトリック・ギターの音は、アンプ(スピーカ含む)とピックアップで8割方決まるんじゃないか、と思う。

弾く人の個性で仮に10%程度の差が生まれるとしたら、ギターの木材や弦やその他のパーツで変わる要素なんて、たかだか10%でしかない。いや、現実には数%程度かも知れない。

もちろんこれは仮の話であって、人それぞれ感じ方や考え方が異なるので絶対的な事実ではないが、出音を視覚化(例えば周波数特性のグラフ等)したら、実際にそんな程度の差なのではないだろうか。

もしそうなら、我々ギタリストは、たかだか5%のために、日頃四苦八苦していることになる。

だが、実はその5%の差というのは、とてつもなく、大きい。

どれくらい違うか、説明するのが難しいが、たとえば


放送部の部室で聞く、ザルの上を転がる大豆の音と

愛しい彼女と初めて訪れた夜の海岸で、肩を抱きながら聞く波の音ぐらい違う。


あるいは


駅のトイレで横に並んだ見知らぬおっさんの屁の音と

愛しい彼女が吹くトランペットの音ぐらい違うのだ。


これぐらいの差が、5%の中に凝縮されているのである。


さて、パーセンテージの話は、どうせ適当なのでこれくらいにして、ギタリストの拘りについて書いてみよう。

先日、書店で立ち読みした本に、土屋昌巳さんのインタビュー記事が載っていたのだが、彼の音に対する拘りの凄さに驚き、ついつい最後まで読み切ってしまった。(買わなかった。ちなみに私は土屋昌巳さんの音を知らない・・・)

そのインタビューでは、主に金属パーツについての拘りについて語られているのだが、土屋さん曰く、使用する線材を選ぶのなんか当たり前の話であって、ハンダの種類や量、コンデンサー、ネジの締め具合で音が激変するとのこと。(数値化するとたぶん1%・・・)

また、50年代60年代のギターに使用されている金属パーツは、現在のものとチタンの含有量が異なるため、同じ音が出ないらしい。(きっと0.1%・・・)


その辺の拘りについては、こちら でも熱く語っておられるのでご参考に。


特にフェンダー系の繊細なサウンドでは影響が大きいのかも知れない。私も塗装で音が激変した(2~3%か?)覚えがある。



私自身はパーツにまでは拘らない。

ギターも一度買ってしまうと、出来る限りその1本を使い続けたいタイプ。ただし改造はよくやる。

ピックアップに関しては「その1」で書いたかどうか記憶にないが、ハムバッカー派である。しかもほとんどフロントPUしか使わないし、ボリュームもトーンもたいていフルアップ。

アンプのセッティングも適当である。全部フルアップか全部真ん中へん。それで好きな音の出ないアンプは、私の場合まず使えない。

セッティングは適当なクセに、アンプにはものすごく拘った。(敢えて過去形)

現在所有しているアンプは、Peavy(S),Boogie(T),Roland(S),Fender(T),Electro-Plex(T)と買い換えて、6台目となるJC-90である。括弧内のSはソリッドステート、Tはチューブを意味する。

何故JCなのか?という問題はさておき、5台目のElectro-Plexのアンプは、7~8年前に自分のギターを抱えて大阪中の楽器屋を試奏して廻って出会った店頭展示品の中古アンプだ。その名もROCKET90。店で鳴らしてみてぶっ飛んだ。倍音響き渡る爆音とバケツに入れた割れたガラスを引っかき回すようなクランチサウンドに一聴惚れして即決した。20万円したが借金しまくって買った。電源部からパワーアンプまでオールチューブの手作りアンプである。

その勇姿が、これだ。



Like cool,man,cooool!

Tubes #1,3~5 12AX7A

#2 12AT7

#6~9 5881
Speakers CELESTION  G12T-75 (16Ω) ×2
Size W670×H477×D267
Weight 32Kg
Output Power 90W(rms)



残念ながら、今はもうないROCKET90・・・。続きはその3にて。


原付以外で、私が初めて乗った単車は、友人に借りたKH400。
言わずと知れた、2ストローク3気筒エンジンを搭載した、KAWASAKIの名車である。
あの非対称のマフラー、音、加速、煙。
全てが格好良かった。
当然の流れとして、天下無敵のじゃじゃ馬マシン、500SS マッハⅢに憧れた。
(乗ったことはない)
そんなわけで、高校生の頃、私にとってエンジンと言えば2ストロークであった。アイドリングでカンカラカンカラ鳴って、走り出すと煙がもくもく出る。これこそがエンジンだと思っていた。

しかしその後、DOHCエンジンのメカとサウンドの美しさに魅せられ、20代の頃はツインカム4バルブでなければエンジンではない、とまで言い切っていた。


さて、現在では2ストローク車なんて単車も含めて、ほとんど目にすることが無くなってしまったが、当時のバイクレースの世界では、2スト対4ストという議論が盛んであった。
私見だが、あの頃HONDAが4ストに拘らなければ、片山敬済は500ccでもチャンピオンになっていたのでないかと思う。

2ストロークエンジンは、構造がシンプルであり部品点数も少なく済むため、軽量化・高回転化が容易であるが、トルクが細く、オイル(煙)をまき散らすという難点がある。また、燃費が悪く、冷却行程が少ないため(かどうか知らないが)熱に弱い。
(と思う)
それに比べ、4ストロークエンジンは部品の軽量化やバランス取りを極限まで極めないと高回転化が難しいが、トルクが太く、扱いやすいうえ、燃費に優れ、目に見える煙はほとんど出ない。
(と思う)

エコ、環境という観点からすると、2ストには勝ち目がないが、エンジンサウンド(エグゾースト・ノイズ)は単に好き嫌いの問題である。
私は2ストの音も好きだが、やはりツインカム・エンジンの音がたまらなく美しいと思う。


これは2ストロークエンジンのサウンド。(もうちょっと回転を上げて欲しいところだが)



続いて4ストロークエンジン。



これはもう究極。フェラーリのV12。



と言うわけで、のっけからギターと無関係な、正しいかどうかも怪しいエンジン比較論を展開しかけてしまったが、実は当時(20代の頃)から、シングルコイルとハムバッキングの関係が、2ストと4ストの関係に似ていると思っていたのだ。
実は私と同じような意見を誰かが書いているのを見かけて、悔しい思い(?)をした記憶もある。(ギターマガジンだったか・・・)
もちろんシングルコイルが2ストで、ハムバッカーが4ストである。何がと言うことはないが、単に私の思いこみである。構造やサウンドの特徴も共通点があると思う。

だから?

いや、別にだからどうと言うことはない。
単に私が魅せられた二つのもの(ギターとエンジン)への思い入れを無理矢理まとめただけである。
次回こそはギターサウンドについて書いてみようと思う。

最後に、現在渦中のルノーF1チーム「歌うエンジン」の紹介。歌うはクイーンのWe Are The Champions



これは何でスロットルを制御しているのか知らないが、近所を走る暴走族の中にも音感のいいやつがたまにいて、走りながら排気音で演奏して行くのだが、あまりにも上手で笑ってしまう。
そんなとき私はチャリンコで追いかけていって、そいつにこう言うのだ。
「お前、ウチのバンドでトロンボーン吹かへんか?」
(冗談)