1961年から1962年まで「トムとジェリー」は、アートアニメや人形アニメで有名な
チェコスロバキアに渡ったアメリカ人、ジーン・ダイチによって監督されました、
総製作数は13本と少ないし、その前後期である、ハンナ&バーベラ作品(1940~1958)や
チャック・ジョーンズ期(1963~1967)に比べると、「知らない」という方が多いかもしれない
僕がこの作品にひかれるのはシュールなタッチの絵、チャカチャカした動きの手足
テープ音声回転の早回しや、おおげさなエコーを使った音響効果のユニークさがある
今回紹介するのはジーン・ダイチによる13本の作品の1本目に公開された作品
「猫はワンワン犬はニャーオ」(1961)である、現在この作品は、DVDの1~10を
揃えた人のみ申し込みの出来た限定版「特典DVD」(非売品)でしか見ることが出来ない
僕は10巻揃えたにもかかわらずこの「特典DVD」を申し込まなかったので、
今回は20年近く前にビデオテープに録画したものを紹介します
これを録画してくれたのは「20年前の日記」にもよく出るO氏です、
高校、浪人、一緒の大学へ行きました、卒業して広島に帰ったのですが
その頃から重い病気にかかり、14年ほど前に20代中頃の若さで亡くなられました
当時は珍しかったパソコンを使ったインデックスで丁寧に僕の為に編集してくれたビデオです
宝物を超えた”かたみ”となってしまいました、改めてありがとう、やっと日の目をみたよ
↑これが懐かしいと思うアナタ!テレビの再放送もよかったですね~
版権の問題でこのバージョンの再放送は望めませんが、、、、、まずナレーションです
「天も割れんばかりの大嵐、もう長いことこの山にこもって町から猫をさらってきちゃ
それはそれは恐ろしい実験をやってる・・・」(ここでナレーション切れる、恐らく差別用語のため)
ナレーションは谷幹一です、やっぱりこの声でなきゃあね、こんちトムさんってね(笑)
山奥の城という設定からして東欧的です、画面が全体的に暗く、mad scientistも不気味、、、
↓この絵だけで見ると、どことな~くヨーロッパのアニメという感じがしますね
この博士、動きが早い早い、しかも声は不気味な笑い声だけ、気味悪いです
ジェリーはこの博士の助手のようですね、今日も実験に使う動物を選んでいます
選ばれた「猫」と「犬」は、博士の機械によって入れ替えられてしまいます
いかにも人間が真似た猫や犬の声に大げさにエコーがかけられ気持ち悪い
トムさん、さらわれた馬車から逃げられたものの、結局たどり着いたのは城でした
↑この顔と↓この顔のギャップが好き!
早速ジェリーを見つけて捕まえるのですが、そこにはさきほどの実験によって
「犬」にされてしまった「猫」がいました、トムはここがどういう場所なのかわからないのです
「山わけといこうぜ、きょうだい」声は八代駿です、やっぱトムの声はこの人でなくては!
「きみねえ、僕は国際ネコ連盟の事務総長なんだぞ、ネコはネコらしくしなくちゃあねえ」
八代駿って「系」で言えばメガネ系やモグラ系の声が多かった印象ですね(笑)
でも、なんといっても八代駿の代表作はくまのプーさんの吹き替えではないでしょうか
TV放送時におけるトムの吹き替えは、ハンナ&バーベラ期とジーン・ダイチ期は八代駿でしたが
チャック・ジョーンズ期のトムの声は高橋和枝だったんですよ!皆、故人となってしまいました
なんか様子がおかしい、わけがわからずトムさん、しだいにこの城の正体がわかり始めます
あれ?この象さん、ジーン・ダイチのテリートゥーンズ時代の
象のシドニー↓に似てますね!
後のトムジェリのエピソードにもこの象さんが出るのでおたのしみ!
犬は「ニャーオ」と鳴いています、これ、さっきの実験の犬ですね
そして極めつけ、ジェリーはMGMのライオンになっています(笑)
巣穴にMGMの輪がかけてあるの(笑)ここが唯一のパロディですね
「ARS GRATIA ARTIS」とは「芸術のための芸術」
ジーン・ダイチ作品にはハリウッド作品という表記は入りません
このTV放映版はオープニングが基本的に全てカットされています
だからTV再放送を見ていた当時はこれがジーン・ダイチ作品とか
共産圏で作られた作品というのは当時は全くわからなかった
エピソードガイドもLD(レーザーディスク)を買って初めて知った
ハンナ&バーベラ期(1940~1958)は114作品
ジーン・ダイチ期(1961~1962)は13作品
チャック・ジョーンズ期(1963~1967)は34作品あります
次回もジーン・ダイチ作品を紹介しますね
↓珍しいコレクションがたくさんありますよ
↓地元のBlogも面白いですよ!