プロレス界に求められているコミッション設立について考える | スイミングアイ

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このブログはプロレスと僕、佐野哲也の体験を含めた格闘技が中心です。
以前はDoblogで書いていましたが、こちらに引っ越ししました。

 中西政権終了について叫んだ直後なので説得力も何もあったことないですし、もとより1ファンでしかない僕の私見がどうこうってこともないですが、書いてみます。


 三沢さんが亡くなって一週間が経ちます。

 三沢さんの死について、死を悼む報道ともう一つ、活発に報道されたことがあります。

 「どうしてこうなってしまったのか」ということについて。


 三沢さんはどんな危険な技をも受けきる「受け身の天才」として知られています。僕のような一般人が受けたとしたら間違いなく大けがにつながるような危険な技を受け切り、試合を成立させ、あまつさえ勝利してしまう三沢さん。

 プロレスラーは例えどんなに危険だと知っていても、やる以上は、その技を受け切るスキルと勇気がある。

 誰に言うことでもないですが、僕の中でプロレスファンとしてプロレスラーを誇りに思っています。

ケージのてっぺんから落っこちたミック・フォーリーさん、リング上に組み立てられた足場からのD-ガイストを受け切った宮本裕向さん、三沢さんの断崖式タイガードライバー・秋山さんの奈落式エクスプロイダーを受け切った小橋さん…挙げていけばキリがないですね。

 
 三沢さんの最後の試合の映像は封印されたことから三沢さんがどのようにバックドロップに対して受け身をとったのかは分かりません。しかし、三沢さんは上記のように受け身の天才、散々なまでに頭から落とされる技を受け切ってきました。だからこそ、僕も含めプロレスファンの多くは「なぜ、受身の天才の三沢さんが…?」と疑問に思いました。
 
 三沢さんは沼津大会後に年内での引退を漏らすほど体調が悪化していました。これ以上、社長業と選手を兼ねるのは無理と判断していたようです。

 三沢さんは毎日試合をこなすだけでなく、毎回のように大会後は地域のプロモーターと懇親会を行っていたことでしょう。ある意味、社長としては当然のことでしょうが、脳天から落とされたり、顔面に打撃をもらった後の飲酒は確実に脳にはよくないことでしょうし、脳以外にも悪い影響を与えることでしょう。競技はプロレスと総合格闘技とで異なりますが、僕は12月20日THE OUTSIDERでの試合直後、前田日明さんから「2週間は酒を飲まないように」と釘を刺されました。毎日のように試合後飲酒していたとしていたら確実に悪い影響を与えていたでしょう。また、三沢さんは多忙から練習不足に陥ったことも近年の体格から推測できます。そうして、三沢さんは「俺、あんなに疲れてる人見たことない」とトモタカさんに評されるような状態になってしまいました。

 三沢さんが受け身の天才とは言え、コンディションが良くなければ反応が鈍ることは十分考えられます。受身は文字通り受動的なものであり、僕ら素人には非常に分かりにくいところではあります。

 おそらく、斎藤さんのバックドロップは僕らが観てきたような、「危険な」だけど、三沢さんなら受け切ることのできる角度のように見えたのではないでしょうか。しかし、僕らの分からない受け身のミス。体調不良によってこれが引き起こされたのでは…ないかと考えます。

 そうでないと、三沢さんがバックドロップで亡くなるなんて納得がいきませんから…ね。




 

 さて、三沢さんの死後、「どうしてこうなってしまったのか」は「もうこういうことがないようにしよう」に移り変わりました。

 その一つとして記事表題のようにコミッショナー設立が挙げられます。

 悲劇を繰り返すな!!プロレス団体「ノア」の社長兼選手として活躍した三沢光晴さん(享年46)が13日の試合中に頭を強打して死亡した事故を受け、大手3団体のトップが18日、都内の自民党本部に招かれ、文部科学部会・文教制度調査会の合同会議で再発防止策や健康管理について意見交換した。三沢さんの47回目の誕生日だったこの日、全日本の武藤敬司社長(46)、新日本の菅林直樹社長(44)、ノアの仲田龍・取締役統括本部長(47)らが、日本プロレス史上初となる「統一コミッション」の設立に協力していくことを表明した。
  ◇  ◇
 三沢さんは13日夜、広島市内での試合中に相手選手がかけた技で頭から落ち、搬送先の病院で死亡が確認された。不世出の天才レスラーを襲った悲劇-。今回の事故により、“スポーツ”という枠には収まらない、特殊な世界であるプロレスの体質に、抜本的な見直しが求められている。
 会議は「格闘技興行における事故死について」という議題で行われた。元プロレスラーで、同部会長の馳浩衆院議員は「6月18日は三沢選手が生きていれば47歳の誕生日。あらためてお悔やみする」とあいさつ。現役プロレスラーの神取忍・参議院議員や、プロレスに縁のある森喜朗元首相、松浪健四郎・衆議院議員も出席した。議員からは「プロレス業界には統一された協会がなく、コミッショナーもいない。今後、どうするのか。この現状の中で最低限のルール作りをすべきではないか」との声があった。
 90年6月の新日本・福岡大会で一時心肺停止状態となった経験のある馳会長は、健康管理について厳密に規定している日本プロボクシングコミッションを参考例として挙げ、「自主的に手を取り合って2度と事故を起こさないように取り組んで欲しい」とした。さらに「こういうルールのもとで選手を育成し、万一のことがあったらこうなる-というのがないと誰も安心して業界に入らない」と訴えた。
 3団体は「統一ライセンス発行」について今年3、5月に会合を行い、今月24日に予定されていた会合を経て7月に発表予定だった。だが、今回の事故で、さらに進んでコミッションの設立を求められたことになる。
 武藤社長は「統一的な機構ができるか、トライしていくことがプロレスのためになる」と話し、菅林社長も「統一された協会に進んでいくと思う」。仲田本部長は「1日も早く統一した協会を作らなければならない。三沢もそれを望んでいると思う」と語った。あまりにも大きな犠牲と引き替えに、プロレス界が一枚岩になりつつある。


 「JBCを参考とし、コミッションを設け、コミッショナーを据えて安全のための最低限のルール作りをする。」

 はたして、エンターテインメントスポーツであるボクシングをモデルにしたものがスポーツエンターテインメントであるプロレスにスムーズに適用されうるものなのか。これが僕にはわかりません。

 (1)たとえば、プロレスラーをライセンス制とするとしたら、受け身の技術や身体能力に応じてA級、B級、C級に選手を区分し、ライセンスに応じて、使用できる技を制限する。(例としてA級未満の相手にはドラゴンスープレックスを仕掛けない)

 (2)たとえば、興行の日程表をコミッションに提出し、スケジュールが連戦にならないように調整をする。
 
 (3)たとえば、選手の健康診断表をコミッションに提出させ、状態に応じてはコミッションから試合出場の停止を通達する。また、怪我の等級により試合出場停止を日数含めて通達する
 

 コミッションができたとしたらいずれもあり得ない話ではないかもしれませんね。

 が、(1)についてはプロレスは曖昧なところ≒ファンタジーが魅力であり、ボクシングや修斗のようなライセンス分けが馴染むとはとても思えない。ヨシヒコやハッスル等に出場する芸能人等の取り扱いはどうなるのか。(2)、(3)については団体の経済状況を圧迫しかねない(毎日のように興行をしなければ経済的に団体が成立しないかもしれないし、連日のように興行が行わなければ、生で観る機会が激減する地域も出てくるかもしれない。また、エースが出場停止になったら客も入らないし、期待したお客さんはガッカリする。)

 そしてなにより、コミッションを通さない、独立団体が確実に出てくると思います。うん、文字通りインディペンデント、インディーの。

 
 と概要もあまり見えないコミッション制について自分勝手な想像を元に書いてみましたが、正直、僕らファンにできることってコミッションに対してはないかなと思います。(実際に発足し、活動しないと何とも言えない部分もあるかと思いますが)


 
 じゃあ、何をすべきかと言えばプロレス団体に対してきっちりお金を使うことではないかなと思います。。
 チケットを買って会場で観戦しグッズを購入したり、スカパーに加入してサムライやGAORA等のチャンネルを観たり。お金を使って団体を皆で支える。そう考えることくらいしかできないですね。そうやって僕らは応援していくしかないのではないでしょうか。

 もちろん、お金をただ払うだけではなく、いい試合だったら思い切り楽しんで声援を飛ばし、ヒールにはブーイングを飛ばし…と楽しむことも同じく大事でしょうね。



 まだできてすらいないコミッションに対してネガティブなことを書いてしまいましたが、三沢さんが亡くなったことによってできつつあるものが「形」になることを、そして動いてくれることを願います。