新しい職場で働き始めた。
病院とは違うけど、毎日楽しく働いていた。
職場で友達ができた。
総務課で働いている、ミドリさん。
私より少しだけお姉さん。
シングルママとして、毎日仕事と育児をこなしている素敵な女性。
ほぼ毎日、ミドリさんと社食にてランチを取っていた。
「カオルコちゃん、企画開発の石川さんって知ってる?」
いや、知らない。
女?男?
私は医務室か、総務課にしか出向く事がないため、他部署の方々は全く知らない。
「今通るから見てみて!!」
…あの人?
「違う!あっち!」
え?
どこ!?
「あー、行っちゃった!!」
結局、石川さんは見ることが出来なかった…
で、石川さんとは何者?
「女子社員の憧れの男性なんだよ!身長高いし、かっこいいし、楽しいし!!しかも、高収入!!なんで独身なのか不思議!!」
へー。
「…興味なし?」
あんまり…
てか、オジサンは…
「いやいや!オジサンじゃないし!確か30歳位だよ!若いのに仕事も出来てー!もう、付き合って欲しい!!」
興奮ぎみなミドリさん(笑)
そんな完璧な人間が世の中にはいるんだねー。
そういえば潤さんってどんな仕事してるんだろ?
サラリーマンって言ってたけど…
こういう一流会社で働いてるのかなー?
「…で、アンタ彼氏いるの?」
へ?
いない、いない!
…でも、好きな人はいる。。
「ふーん?だから、石川さんには興味ないわけかー!」
私も女だ。
興味がないわけじゃない。
ただ、今は潤さんが好きすぎて、他の人が全く見えてない…
恋は盲目…
本当にその通りだ。
この日、医務室には私しか居なかった。
産業医も私以外の保健師・看護師は出張に出掛けていた。
「失礼しまーす!」
元気な声が医務室に入ってきた。
はい。
声のする方を見ると…
なかなかの男前が立っている。
モデルさんみたい。
…潤さんには負けるけど。
「あの、体調悪いんで、ベッド貸して?」
とニッコリ微笑む。
なんか元気そうなんですが…
それと、、なんか笑顔がわざとらしい…
無理に笑ってる感じ。
体温・血圧を測定するが、、基準値だ。
…でも、目の下にクマが。
それと、よく見ると顔色も宜しくない。
残業による過労かも。
少し休んだ方がいい。
休養室に案内する。
あ、そういえばお名前は?医務室を利用されたかたは、カルテに記入しなければならないので。
「企画開発の石川です。」と、またまたニッコリ。
やっぱり作り笑顔。
具合悪いときくらいは営業スマイル封印したらいいのに。
あ!
この人が噂の石川さん!
女子が騒ぐのも分かる気がする。
上着を脱ぎ、ベッドに横になる。
大丈夫ですか?
「うん、大丈夫。少し眠いだけ…」
すぐに眠りに落ちた。
よっぽど疲れてるんだろーな…
2時間位仮眠をとり、休養室から出てきた石川さん。
少しはスッキリしました?
「うん、ありがとう!!」
あの、これどうぞ。
非常食のカロリーメイト。石川さんにあげます。
「え?あ、あー、ありがとう。」
あんま無理せず、ですよ!ちゃんと食事と睡眠はとってください。
あと、しんどいときに無理に笑ったりしなくていいですから。余計疲れますよ?
最後に、眠くなったらまた休みに来てください!
「…。」
無言でうつむいた。
なんか失礼なこと、言ったかな?
ぷ…
あはは!
急に笑いだす。
え!?
なになに!?
「カオルコちゃん?だっけ?ありがとう。また来るよ。」
と微笑んだ。
自然で優しい笑顔。
本当の笑顔の方が素敵。
…サラリーマンって大変。
それが私と石川さんのファーストコンタクト。