アトラクションの待ち時間ですら楽しい。
どんなことを話したかなんて覚えてないけど、とにかく楽しかった。
寒いな…
段々寒さが増す季節。
スカートは冷える。
「手ー貸せ。」
え?
「いいから。」
私は左手を差し出した。
すると、冷えた左手を彼の右手が覆い、そのまま彼のポケットへとしまわれる。
…ドキドキする。
寒いはずなのに、左手から徐々に暖かくなる。
なんだか急なことで、恥ずかしさが倍増し俯いてしまう。
「嫌なのかよ。」
急いで彼の顔を見ると、そっぽを向いて口を尖らせている。
見間違いかもしれないが、少しだけ赤い顔をしていた。
嫌なわけないよ!
暖かくなってきた!
有り難う。
嬉しさで顔が綻んでしまう。
「おー。」
アトラクションに乗っている間も、手を繋いでくれた。
おかげで、アトラクションどころではなく、乗っている時の記憶が曖昧だ。
ただ、ジェットコースター系では、彼が若干表情が固かったのは覚えている。
今日は有難う。
帰り際、ゲートを出て、駐車場に向かうとき、さりげなく御礼を言った。
「いいえ。楽しかった!」
と無邪気に笑う彼。
つられて笑顔になる。
「…やっぱり、おまえの笑顔はヤバい…」
顔を背け、口元を手で覆う。
や、ヤバい!?
どういう意味?
「だから…子供みたいに屈託なく笑うから…可愛い。」
今度は私の顔を見ながら、そう微笑んだ。
一気に顔が熱くなる。
「…ヤバい!俺、カオルコが好きだ!!」
…!?
…突然の告白に驚きを隠せない。
「初めて会った時から、カオルコが気になってた。」
「もっと笑顔が見たいって思った。」
「俺の隣で笑っとけ。」
そう、微笑んだ。
「…泣くなよ。」
え?
いつの間にか涙がこぼれていた。
嬉しくて嬉しくて…
「…。」
優しく抱き締められた。
…暖かい。
…私、潤さんの傍にいていいの?
「カオルコがいいの。」
また、涙が出た。