廊下で、石川さんとすれ違った。
その瞬間、眩暈がした。
気付くと、、、
私は見慣れた部屋にいた。
あれ?
いつ帰宅したんだっけ?
全く記憶にない・・・
「目が覚めた?」
声のする方に目をやると、石川さんが!!
『ど、どうし・・・』
慌てて起き上がろうとするが、身体に力が入らない。
「いいから、いいから、ゆっくり寝てなさい。ね?」
優しく微笑む。
「会社で倒れちゃったんだよ?しかも俺の目の前で。産業医は、寝不足と貧血って言ってたよ。とりあえず、ゆっくり休みなさいってさ。まあ、医務室で寝ると落ち着かないかな?と思って、俺が家に運んできたってわけ!!」
『石川さん、仕事は??てか、なんで私の家を知ってるの??それと、どうやって運んで・・・』
矢継ぎ早に、石川さんに質問。
途中で遮られた。
彼は私の唇に、彼の人差し指を当て、
「コラ。そんなに無理してしゃべらないの。ね?」
と、また優しく微笑む。
「・・・てか、お腹空かない?もう、15時だし。」
『・・・もしかして、ランチ食べてないんですか?』
「うん。カオルコちゃんと一緒に食べようと思って、ね!」
この人は・・・どこまで優しいんだろう。
「勝手にキッチン使わせてもらったよ?ちゃんと料理してるんだね、色々揃ってる。」
『料理が好きなんです。』
「えー!?今度、ごちそうしてね??」
と無邪気に笑う。
石川さんは、ベタだけど、お粥を作ってくれた。
とっても美味しくて・・・
色んな優しさが胸に沁みて、涙が出そうだった。。。
「泣くほど美味しかった?」
・・・涙がでそう。
ではなく、既に泣いていた。
『・・・美味しいですよ。それに、石川さんの優しが有難くて・・・そしたら、、、』
「俺じゃダメ?」
そう言って、彼に抱きしめられた。
突然の展開で驚く私。
抱きしめられても、振りほどく力は無い。
それに、嫌じゃなかった。
とっても暖かくて心地良かった。
「俺、カオルコちゃんの事が大好き。実は、あの焼き肉を食べに行った時にも告白したから、2回目だね。」
更に驚く私。
「しかも、この部屋で告白したんだよ。でも、君は眠ってしまったみたいで、、、」
苦笑する。
『あの日、私は、石川さんに送ってもらったんですね?』
「うん。好きな人が居るけど、きっと進展するような恋じゃないから。って泣いてたんだ。そんな泣いてるカオルコちゃんを1人にはできないでしょ?だから、送って来た。」
『ありがとう・・・ございます。』
「・・・てかさ、俺、告白したんだけど。。。」
まだ私は彼に抱きしめられている。
「状況分かってる?・・・よね?」
『分かってます。なんだか、安心するんです。石川さんに、こうしてもらってると・・・』
「コラコラ。ドキドキの間違いじゃない?」
『・・・・(笑)』
「もう!カオルコちゃん、緊張感なさすぎ!!」
そう言って、私の身体を離し、そっぽを向く。
珍しい・・石川さんが拗ねている・・・
なんか可愛い。
『私、兄が居るんです。石川さんの雰囲気って、私の大好きな兄に似ている気がして。だから、安心する。』
「・・・はあ。俺は、兄貴止まりか・・・。」
膝を抱え込み、項垂れる。
そんな姿も可愛くて・・・
思わず、頭を撫でてしまった。
「ちょ!カオルコちゃん!!・・・・・もう。。」
顔を赤らめている石川さん。
「もしも、、、もしもじゃなくて、、なんていうか何かある前に、俺に相談してよ。力になるから。」
私に頭を撫でられながら、そう言ってくれた。
『はい、有難うございます。』
「・・・俺・・・さ、、、、カオルコちゃんに救われたんだよ。だから、君の力になりたいんだ。」
『私に?』
「うん。君がくれた言葉と、君の笑顔に救われたんだ。もしも、君を泣かすような男だったら、その時は俺が君を奪うからね?」
『・・・はい。』
2人で笑った。
私のどんな言葉で救われたと思ってくれたのかは分からないけど・・・
私の方こそ、あなたの言葉と笑顔で救われてる。
いつもタイミングよく現れて、助けてくれるんだ。
こうやって、また笑顔を取り戻してくれた。
ありがとう。。