「カオルコちゃん?」
石川さん・・・
久しぶりに聞く優しい声。
「今、家に着いたよ。」
電話の奥で微笑んでいるだろう彼を想像する。
『お疲れ様でした。』
「ん、ありがと。」
『・・・・。』
「・・・どうしたの?」
そう、石川さんは私の異変に気付いた。
「泣いてるの?」
涙がこぼれる。
彼の声を聴き安心したのか、とめどなく涙が溢れてくる。
「・・・今から行ってもいい?」
『・・・・・・め!!』
涙のせいで、上手く言葉に出来ない。
・・・帰国したばっかりで、、疲れているに決まってる。
そんな彼に来てもらう訳にはいかない。
・・・潤さんと言う存在が居て、私に好意を持っている石川さん。
普通に考えて夜中に彼氏以外の男性と会うのは可笑しい。
でも、この時の私は、、、
そんなことを考えられず、ただ石川さんの疲労が心配だった。
『ダメ!』
ようやく声になった。
『い、石川さん疲れてる・・・から、、、今日は来ないで。。?』
やっと伝えられた。
「・・・そんな泣いてるカオルコちゃんを1人には出来ない。・・・彼氏は・・・・傍に居ない?」
『い、いない。』
「今から行くよ。」
どうして拒否しなかったんだろう。。。
こんな状況可笑しい。
私は石川さんに何を望んでいるの?
30分程して石川さんが来てくれた。
石川さんは、部屋に入ることはせず、私を彼の車へと連れて行った。
・・・石川さん、
スーツのままだ。
本当に帰宅したばっかりで私からの電話があって、急いで来てくれたんだ・・・
余計に涙が出た。
泣いている私の頭を優しく撫でる。
・・・徐々に涙は治まっていく。
石川さんと居ると安心する。
「・・・話せそう?」
『ん。ごめんなさい。』
「え?」
『仕事で疲れてるのに、来てもらって。。。』
「あー。そんな事・・・。気にしなくていいよ。俺が会いたかったんだから。」
そう言って優しく微笑む。
・・・私は何で泣いてたんだろう?
よく分からなかった。
潤さんの事を思って泣いたのか。
それとも・・・・
『・・・石川さんの声が聴きたくて。。。聞いたら涙が出て来た。自分でもよく分からない。ごめんなさい。』
私は正直に話した。
意味不明の私の言動を聞き、石川さんは右手で口元を覆い笑った。
少し顔が赤くなっているのは・・・気のせい・・・?だよね。。。
「そっか・・・。なんだか嬉しいな。」
ニッコリ微笑む。
笑ってくれた。
私の意味不明な言動を許してくれたの?
『だから、泣いてるわけなんて分からなくて。。くだらないことで呼び出してごめん。』
「ううん。くだらなくなんてないよ。・・・ちょっと、俺に付き合ってもらえるかな?」
『うん、私は平気。・・・でも、、大丈夫??』
「ん?飛行機の中で沢山寝たから大丈夫!」
『でも・・・』
「たまには俺のオネガイも聞いて欲しいな?」
『うん・・』
こんなに優しくしてもらう資格は私にあるんだろうか・・・
でも、嫌じゃない。
むしろ嬉しかった。