車の中では、私の好きな音楽がかかっている。
『リスト、、、』
「うん。昔から好きなんだ。」
私も大好きな作曲家。
『この曲聞いてると・・・落ち着く。』
目を閉じる。
この曲を聴くと遥介を思い出す・・・
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『遥介!これ何て曲!?』
「愛の夢。第3番。気に入った?」
遥介が微笑む。
『うん!!綺麗な曲だね。・・・なんか気持ちが落ち着く。。』
「俺も。フランツ・リストの曲なんだ。実はね、歌詞があるんだよ。」
おお、愛しうる限り愛せ
おお、愛しうる限り愛せ!
その時は来る その時は来るのだ
汝が墓の前で嘆き悲しむその時が
心を尽くすのだ 汝の心が燃え上がり
愛を育み 愛を携えるように
愛によってもう一つの心が
温かい鼓動を続ける限り
汝に心開く者あらば
愛のために尽くせ
どんな時も彼の者を喜ばせよ
どんな時も悲しませてはならない
言葉には気をつけよ
悪い言葉はすぐに口をすべる
「ああ神よ、誤解です!」と嘆いても
彼の者は悲しみ立ち去りゆく
遥介が歌詞を教えてくれた。
『・・・なんか難しいね(笑)』
「うん。。。最初歌詞を見たとき、俺もよく分からなかったよ(笑)でも、、、俺もそうやって生きていきたいと思うんだ。」
柔らかい笑顔で、私の頭を撫でる。
・・・恋人への愛を謳ったものだと思っていた。
しかし、恋愛ではなく、、、人間愛(宗教的なもの)を謳ったものだと後に知った。
この歌詞の意味を何となく理解できた時、、、
大切な人達を、ずっと愛して行きたい。
と思った事を思い出した。
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久しぶりに遥介を想った。
きっと、この曲を聴いたから。
「歌」は不思議だ。
想い出の歌を聴くと、あの時感じた気持ちや情景を思い出すことが出来るから。
・・・少しだけ胸が切なくなった。
「カオルコちゃん?」
石川さんが心配そうに顔を覗き込む。
『ごめん。なんか、ボーっとしてた・・・(笑)』
私の言葉に、石川さんは優しく微笑んだ。
ひどく懐かしい感覚が甦り、同時に柔らかい雰囲気に包まれる。
石川さんの纏う空気のおかげなのか・・・
それとも、、、
「もうすぐ到着だよ。」
目の前に広がる景色は・・・
東京タワーだった。