ライバル誕生 | ボクシング原理主義

ボクシング原理主義

ボクシングの原理原則に則っとりながら技術論や方法論を分析考察。技術や意識の向上を目指したい、いちボクサーの見識メモ。
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real二階級制覇を成し遂げたウォード。


採点や評価に関しての個人的な意見。


ライブで観た時は、
ドローか僅差でコバレフ。

見直すと、
中差でウォード。


コンピュボクスでは、

ジャブを当てた数でウォード。

総数を当てた数でコバレフ。


バイアスをかけないようにみてもコバレフのパンチに効果があるように見えたようにナチュラルな体重という凄みと、パンチを実際は相手よりも効果的に当てていたのにイマイチ効き目を誤魔化されたウォードとの勝負所の違い。



お互いがそれぞれの土俵での闘い(ウォードはコバレフのパワーを能動的に奪いコバレフはウォードのテクニックから自分のボクシングを護る)に徹して、両者共にほぼ成功した。


具体的にコバレフはジャブの内に相手を入れない事が明確にあり、ウォードはそれをどうするか。



結局、出ても引いても差してもと空間を如何様にも制したウォードだった。が、いつものように相手自体を征して料理するまでには後一歩及ばず。


コバレフの王者として挑戦者の攻撃の有効性を巻き込むリングジェネラルシップとその行使による有効性、更にそれを補助する行為の有効性との重ね掛けによる確立感を前に、ピュアリスト的観点以外(以上というべきなのかもしれない)の総合的な観点からするとコバレフの正面から受けて立つ火力に比べて説得力で落ちるというのがあった。


限定され崩されていたのは紛れもなくコバレフだったが、その彼の相手のパンチをあまり意に介さないというという態度がウォードのやっている事の効果をない事にするという作業であり、初めから明確な意図を見せながらカウンターでダウンも取り常にリング中央にあった分、試合を通して自分の攻勢があるように見せる事ができた。


結果としてお互いがボクシングの教科書の違う項目を実践する形となり、クロフォード対ポストルをみればこれが如何に崩れやすい均衡であるかわかるように、二つのリングジェネラルシップがこのレベルで介在するという稀にみれるかというような大人のビッグマッチだった。







本当に良い試合でした。







おまけ


ロマチェンコはコバレフ支持
ウォータース戦楽しみです。