星空


~1章 クラス替え~


気持ちよく晴れた青空に、春の香りがただよう満開の桜。

数週間ぶりに会った友達と話しながら、校門をくぐる生徒。

にぎやかな校庭に、桃色の風が吹きぬけた。


今日、この橋山小学校では、一大イベントが行われる。

そう、春休み明けの、1年に一度の___クラス替えだ。

この学校では、クラスと生徒の名が書かれたプリントを配布し、それに従って並ぶという形式のクラス替えを行っていた。

「わたし、ミキちゃんと同じクラスかなぁ~」

「今度こそ弓谷先生のクラスじゃありませんように・・・」

「ぜってぇ一緒のクラスになろうな!!」

たとえ楽しみにしていなくとも、やはり発表の瞬間は誰でも胸がおどるだろう。

騒いだり、コソコソと話しをしたりする生徒たち。

そんな中で、とうとうプリントが配られ___

「やったーー!同じクラスだぁ~~!!」

「チっ、また違うクラスかよ。」

喜ぶ生徒。まあまあ、と開き直る生徒。下を向いて悲観する生徒___

いろいろいたのだが、その中で、特になんの反応も示さない生徒が一人だけ・・・

「くだらねえ~。早く終われよ。さっさと家帰りてぇ・・・」

新6-1組、赤崎 勇真だった。


このあと、生徒たちはそれぞれの新しい教室に案内され、自己紹介などをしたあとに下校する、ということになっていた。

勇真の担任は尾谷先生。若い女の、評判のいい先生だ。

「今年で皆さんは卒業です。皆さんが残りの小学校生活を少しでも楽しく過ごせるようにわたしも頑張るので、どうかよろしくお願いします。」

先生が、教室の前方にある教卓の前で挨拶を終えた。

「それでは、皆さんにも自己紹介をしてもらいましょうか。まずは・・・赤崎くん。名前と、好きな教科と、好きな色を言ってください。」

出席番号1番の勇真が最初に呼ばれた。・・・が、しかし・・・

「赤崎?」

勇真の席には誰も座っておらず・・・


___彼は、校庭の桜の木の下で寝そべっていた。

「やってられるか。めんどくせぇ。」

何事にもやる気を見せない勇真。

これからつくられる6-1に、彼の姿はどのように映るのだろうか。


6-1  出席番号1番  赤崎 勇真



ってな感じに、これからは6-1の人達を順番に主人公にしていこうかと。

・・・題名の意味は、そのうちわかるさ。(ニヤっ(怪しっ

爆風で地面にたたきつけられる。


あわてて起き上がると、そこには勢いをま


した炎と、燃えてゆくアジトがあった。


_____少年は、どこにもいない__


「えっ・・・」


「リツル!大丈夫!?」


ナツキが声をかけてきた。他のみんなも追


いついてきた。


暗い夜空に、火の粉が舞う。本当に、この


中にユウクが___


そのとき、


「おおいっ!!」


イアルの声がした。と同時に、30人前後の


男女がいっせいに駆けてきた。


「えええっ!?何何何ぃっ!?」


「覚えてねぇーか?コイツら全員、6年ときの


クラスメイトだぜ。」


全員を集めてきたらしいイアルは、ゼェゼェと


息をしながら笑う。


「これだけいれば、すぐに見つかるだろ。」


よく見れば、みんな知っている顔。話しかけて


きたのは、クラス一の落ちこぼれだったレアキ


だ。


「ユウクと__ミカゼがいないんだよな?」


「ミカゼ?」


ナツキが聞き返す。


ミカゼもわたしたちの元クラスメイト。体は小さ


かったけど、気は強い女の子だ。


「ミカゼ、ファイアズなんだけど、逃げ遅れたらし


くて・・・」


「とりあえず、さっさと行こうぜ。アジトが燃えつきれ


ばこうして集まった意味もねぇーよ。」


誰かがそういうと、全員が無言でアジトのほうを向い


た。


この、火の館の中に仲間が__




__7年前に分かれてしまった世界。


しかし、それはわたしたちを断ち切ることはできなかった。


    仲間を救うために、簡単に集まることができるくらい

      

          あたりまえだと、誰もが思うことができるから__




「わたしたちは2階を探すから、イアルたちは3、4階


をお願い!リツルたちは1階ね!」


12、3名に分かれ、それぞれの階にわかれて探し始


めた。階段は炎と化し、使い物にならなかったが、南


側の窓のある壁が残っていたので、そこからよじ登る


ことになった。


わたしたちの担当は1階と2階の西側。炎も広がり、


一番危険なところだ。


「わたしは2階へ行くから、みんなは1階をお願い。」


「1人で大丈夫か!?」


「まかせて。」


他の11人に1階をまかせ、2階へとよじのぼる。時々


窓枠から足が外れ、落ちそうになった。


やっとの思いで2階へあがると、急いで西側の大きな


部屋へ飛び込む。


この部屋は棚やタンスはなく、テーブルとイスがなら


んでいるだけだった。ここに閉じ込められていることは


ないだろうと思い、出ようとすると、


「・・・・リ・・・ツ・・・・」


ミカゼの声だ!


「ミカゼっ!!」


まさかと思い、壁の崩れかかっているほうへ行くと、そこ


からかすかに手のひらが見えた。


これ・・・


壁が崩れてるんじゃない・・・壁と似た色のタンスが、揺


れで移動し、その間にミカゼが挟まった形になっている


だけ・・・


「いま動かすからっ!」


大急ぎでタンスを押し始めると、


「・・・・んで?・・・・・わたしたち・・・・敵・・・んか・・・」


「あんなの信じちゃダメだよ!あんな___」


「逃げ・・・・・敵に助け・・・てもら・・うなんて・・・」


「うるさい!!」


タンスが動かないので、ミカゼの手をつかんでひきずり


だそうとした。でも、タンスの重みで動かない。


「敵も味方も知らない!それ以前に、わたしたちは


クラスメイトでしょ!?こんなふざけた世界で死なせ


ない!そんなことわたしが許さない!」


バンッ___


タンスが少し動いた。同時に、ミカゼの体が自由に


なった。




炎がどんどん強くなる。その姿をみて、37人は


いっせいに3色のバンダナを捨てた。



ユウクとミカゼ、救出成功。



2020年、7つに分かれていた世界は、もとの政治


に戻り、彼らはそれぞれの道を歩き出した。

ファイア ウォーター リーフ


最終章 ~ 夢 ~  1



「ハァッ・・・ハァッ・・・」


息を切らして全速力で夜道を駆け抜ける。


もう少しで、赤のアジトに着く。


「にしても、なんでアジトが__」


カノが小さな声で言う。


「わからない・・・ウォーターズの襲撃か、な


にか兵器が暴発したか・・・」


「兵器!?」


その言葉に、ナツキが真っ先に声をあげる。


「日本に、なんで兵器が?」


「最近橙のヤツが来て、ファイアズにたくさん


の兵器を置いてったの。こんなことになった


以上、政府の決めた法律や平和を愛する掟


も、全部引きちぎられたようなものよ。」


さっきのライフルも__


そのとき、


「・・・?あれ___」


もうすぐでアジトが見えてくるというところで、


レントが立ち止まった。


「どうしたのっ!?」


「イアルがいねぇ___」


「え___」


さっきまで一番後ろを走っていたイアルが、


跡形もなく消えていた__




だが、すぐ近くで聞こえた爆発音に、全員が


前を見た。


オロオロしているみんなを置いて、わたしとナツ


キで走り出す。





林を抜けると、信じられない光景が広がっていた


ファイアズのアジトは火の館と化し、灰色の煙が


霧のように視界を曇らせる。火の粉がちる地面に


は、血の色に染まった布が落ちている。


まるで、そこだけ戦争の時代にタイムスリップしたみたいに_



その前に一人の少年が立っていた。


灰色とも水色ともいえない髪に、ボロボロの布きれ


を羽織った少年__日本人ではないことが一目で


わかる。


「キミは___」


いいかけたその瞬間、


ドォォォォォォォンッッッ__


その子のすぐ後ろで爆発が起こった。