20250304





あれからずっと、俺はオコジョのままだ。



スマホはタッチペンで何とか操作出来るけど、ペンが重くて疲れるから、あまり長々と触ってはいられない。



もう慣れたけど、不便だし面倒な事は山ほどあるし、なのに雅紀とエッチも出来ないしで、俺はストレスを抱えて苛立っていた。



そこに、獣医の二宮和也ことニノ先生がやって来た。



「翔さん?雅紀君から頼まれて来たんですけど」



鍵を開けて入って来たから、鍵は雅紀に借りたのだろう。しかし俺の事はどう説明したんだ?



『……ニノ先生、俺はここだ』



とてとてとて(足音



「こんにちは、翔さん。いやあ、聞いてはいたけど、オコジョってめちゃくちゃ可愛いですね。触ってもいいですか?」



『いいけど……』



ニノ先生は指先で俺の頭をそっと撫でる。ほほう、なかなか気持ちいいぞ。何ならもっと撫でて欲しいぐらいだ。



「ん?翔さん?もっと撫でて欲しそうですね。抱っこしてもいいですか?」



『ん?ああ、いいよ』



うっとり答えた俺を手のひらに乗せ、先生は俺の顎の下を撫でる。くすぐったいのと気持ちいいのとで、俺は先生の指先に頭を擦り付けた。



「翔さん、猫みたいですね。あ、そうだ。俺、雅紀君に翔さんの健康診断を頼まれて来たんですよ」



『健康診断?』







「えーっと、身長18センチ。ぷっ、ごほん!体重265g。バスト15センチ、ウエスト15センチ、ヒップ15センチ」



『すげえ寸胴……おい、笑うな』



「聴診器を当ててもいいですか?」



『聴診器?いいよ。健康診断なんだろ?』



こうして、滞りなく健康診断は終わって、俺は無事「異常無し」と診断を受けた。



帰り際にニノ先生から、「うちに来て僕と暮らしませんか?」と誘われたことは、俺の胸にしまっておこうと思う。





おしまい💛