2018年12月刊 文藝春秋
発売以来、半年が経つけど、
いまだに地元の本屋のベストセラーの10位以内に入っているから驚き。
みんな彼女の生き方に共感しているんでしょう。
全身がんであることを公表してからも、
むしろそれまで以上に精力的に活動する希林さんに、
「本当にがんなの??」と思ったのは私だけではなかったようで、
「『死ぬ死ぬ詐欺』って言われてますよ」と本人も語っている。
しかし、本当に亡くなってしまった。
この方の自信に満ち溢れたあるがままの生き方には
すがすがしさを感じ、いいなあと思ってもいたので、
非常に残念な気持ちである。
そんなわけで、
ふだんはあまり他人の言葉を聞かない私だけど、
希林さんの言葉をまとめたこの本をぜひ読んでみたいと思った。
100本近いインタビュー記事から希林さんの含蓄のある言葉を取り出し
「生きること」「家族のこと」「病いのこと、カラダのこと」「仕事のこと」「女のこと、男のこと」「出演作品のこと」の6つのテーマに沿ってまとめている。
一つひとつ、味わい深い言葉が並んではいるのだけど、
残念、
インタビューの前後の部分がカットされているので、
あっちこっちから切り抜いて貼り合わせたような感じ。
その言葉の背景が今一つわからない。
というか、その言葉、その境地に至る彼女の生き方を知りたいのに、
それがわかれば、もっと言葉に重みが加わるのに。
ということで、
こういう言葉の断片ではなくて、
それぞれのインタビュー全編が読みたいものだと思ったのでした。
しかし、最後に添えられた
一人娘・也哉子さんの「喪主代理のあいさつ」、
とてもいい文章で、
これだけで「母として」「妻として」そして「人として」
希林さんがどんな生き方をしたのか、
すべてわかった感じになりました。