川村元気「四月になれば彼女は」 | applejamな休日

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せかせか暮らしてるのに、気が付けば何もせずに一日が終わってる…
ゆっくりとジャムでも煮ながらお休みの日を過ごしたいなぁ…
大好きな韓国のドラマや音楽、その他もろもろについて書いてます

文芸春秋  2016年11月刊

 

 

 

4月、はじめて付き合った彼女から手紙が届いた。

そのとき僕は結婚を決めていた。

愛しているのかわからない人と―。

 

天空の鏡・ウユニ塩湖で書かれたそれには、

恋の瑞々しいはじまりとともに、

二人が付き合っていた頃の記憶が綴られていた。

ある事件をきっかけに別れてしまった彼女は、

なぜ今になって手紙を書いてきたのか。

 

時を同じくして、

1年後に結婚をひかえている婚約者、彼女の妹、職場の同僚の恋模様にも、

劇的な変化がおとずれる。

 

愛している、愛されている。

そのことを確認したいと切実に願う。

けれどなぜ、恋も愛も、やがては過ぎ去っていってしまうのか―。

 

失った恋に翻弄される、12カ月がはじまる。

 

(「BOOK」データベースより)

 

 

 

秋なので、しみじみとして、

心癒されるような恋愛小説が読みたいなー、と思いました。

で、図書館で見つけたのがこの本。

 

出版された時に、

派手に新聞広告が出てたから、

何となく記憶に残ってたのかな?

 

印象的なウユニ湖の写真が表紙に使われていて、

それも印象深かった。

 

帯に書かれた惹句にも心惹かれた。

 

ということで、この作者の作品は初めてですけど、

読んでみました。

 

 

 

 

かつての恋人からの手紙と、

男性主人公の目線から語られる過去と現在とが、

かわるがわる登場してストーリーが進みます。

 

それにしても、最近の流行りなの?

時間軸が行ったり来たりして、

物語の背景をもったいぶった感じで

後から「実は…」みたいにネタばらしするの。

 

非常に映像作品的な世界なのかな?

ドラマ化、映画化を念頭に置いた作品みたいで。

 

ストーリーそのものは期待通りのラブストーリーだったんですが、

主人公が男性だからか、

作者が男性だからか、

(多分その両方)

ちょっと共感できないなー、と思うところもあって。

 

でも、面白く読めましたよ。

おしゃれで軽い感じがするけれど、

終盤、もうちょっとで泣かされそうになったし…

全270ページですけど、

3時間あったら読めるんじゃないかな?

 

 

 

 

 

 

ところで、カッコいい「四月になれば彼女は」というタイトルは、

この曲にちなんでつけられています。

 

サイモン&ガーファンクル、"April Come She Will "、

邦題が「四月になれば彼女は」です。

 

Simon & Garfunkel - April Come She Will (from The Concert in Central Park)

アート・ガーファンクルのきれいな声…

まさに、秋にぴったりだなー

 

小説の中で、歌詞について触れる部分もあり(p.243~)、

ストーリー作りのヒントになったのではないかな、と思われます。

参考までに、歌詞も載せときます。

 

 

April come she will
When streams are ripe and swelled with rain
May she will stay
Resting in my arms again
June she'll change her tune
In restless walks she'll prowl the night

July she will fly
And give no warning to her flight
August die she must
The autumn winds blow chilly and cold
September I remember
A love once new has now grown old


Written by Paul Simon • Copyright © Universal Music Publishing Group