陣内孝則主演「愛しあってるかい!」――明るさ全開の学園ドラマを36年ぶりに見返して | 書きたいことを書くだけさ

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陣内孝則主演のドラマ「愛しあってるかい!」を最終回まで見終えた。 改めて振り返ると、1989年という“浮かれた時代”を象徴する作品だという印象が強い。学園ドラマではあるものの、南青山高校(男子校)と表参道女子高(女子校)の教師や生徒たちの恋愛模様を、明るくコミカルに描いた作品で、脚本は後に問題作を次々と生み出す野島伸司が手がけている。

 

野島作品といえば「高校教師」「家なき子」「聖者の行進」など、人間の暗部を鋭く描くイメージが強いが、この作品は真逆で、とにかく“明るく楽しくやろうぜ!”という勢いに満ちている。

陣内孝則が演じる日色は、一見すると自分勝手で無鉄砲な教師だが、実は生徒思いで熱い一面を持つ人物。生徒が万引きを疑われた際には、迷わず庇おうとする姿が印象的だった。

 

共演陣も豪華だ。 南青山高校の同僚教師として柳葉敏郎、バービーボーイズの近藤敦。 表参道女子高の教師として小泉今日子、同僚に藤田朋子、さらに友人役としてとよた真帆(当時は読みは同じで芸名表記が異なる)。 学園ドラマの体裁を取りつつも、実際には教師たち大人の恋愛要素が多めで、そこが当時の月9らしさでもある。

 

リアルタイムで全話を見ていたはずなのに、今回見返してみると驚くほど内容を覚えていなかった。シリアスさが少ない分、記憶に残りにくかったのかもしれない。ただ、主題歌「学園天国」を小泉今日子が歌っていたこと、そしてオープニング映像の雰囲気だけは不思議と覚えていた。
 

ドラマは日色を中心にさまざまな騒動が巻き起こる。京都への修学旅行、トライアスロンで西麻布高校の教師と勝負する回など、今のドラマでは考えられないほどロケーションが多く、製作費のかけ方にも時代の勢いを感じた。 結末は日色と椎名(小泉今日子)が“いい感じ”になりつつも、はっきりとは結ばれないまま終わる。

 

生徒役には田中律子、和久井映見など、今振り返っても豪華な顔ぶれが揃っている。 その後のキャストの歩みを思うと、時の流れを強く感じる。

 陣内孝則は白髪がトレードマークになり悪役も増え、小泉今日子は女優・歌手として第一線を走り続け、「あなたと会えてよかった」が大ヒット。

藤田朋子は「渡る世間は鬼ばかり」で長く活躍し、とよた真帆も女優・モデルとして活動を継続。

柳葉敏郎は「踊る大捜査線」の室井役で大ブレイクし、現在は秋田を拠点にしている。

近藤敦は困難と闘いながら音楽活動を続けている。

1989年の放送から2026年の今まで、実に長い年月が経った。それでもドラマ自体は丁寧に作られており、演技力があればコメディはここまで面白くなるのだと改めて感じた。 今見返すと“ドタバタした明るいドラマ”という印象が強く、そして何より出演者全員が若い。

当時の自分がどんな気持ちで見ていたのかはもう思い出せないが、きっと楽しんでいたのだろうと思う。